それから、数ヶ月、玲子にも恋人が出来て、仕事も順調で、毎日を充実して過ごしていた。
まゆみさんとも連絡が取れずに過ごしていたが、連日何か言いたげな顔をしたまゆみさんが夢に現れていた。
共通の友達にまゆみさんの事を聞くと、どうやら心の病らしい…ということが聞こえてきた。
玲子は、『私が電話をしても、出てくれないのは、話をしたくないせいなのかも…』とも思った。
それからさらに数ヶ月、玲子はここのところ、まゆみさんの夢を見なくなっていたが…。
「玲子」
ある朝、まゆみさんの呼ぶ声で目が覚めた。
もちろん、まゆみさんが、玲子の住む家を訪ねて来たワケではない。
空耳なんだと思う…。
しかし、とてもリアルで、すぐに側で呼んでいるように聞こえた。