夏の思い出 15

2021-10-10 08:59:23 | 日記
それから、数ヶ月、玲子にも恋人が出来て、仕事も順調で、毎日を充実して過ごしていた。

まゆみさんとも連絡が取れずに過ごしていたが、連日何か言いたげな顔をしたまゆみさんが夢に現れていた。

共通の友達にまゆみさんの事を聞くと、どうやら心の病らしい…ということが聞こえてきた。

玲子は、『私が電話をしても、出てくれないのは、話をしたくないせいなのかも…』とも思った。


それからさらに数ヶ月、玲子はここのところ、まゆみさんの夢を見なくなっていたが…。

「玲子」

ある朝、まゆみさんの呼ぶ声で目が覚めた。

もちろん、まゆみさんが、玲子の住む家を訪ねて来たワケではない。

空耳なんだと思う…。

しかし、とてもリアルで、すぐに側で呼んでいるように聞こえた。