『このエチュードは、このまま終わろう』
…と、なるのかな?
と思っていましたが、厳しい指導者は、20分程度の休みのあと、
「続けます!」
…となった。
どよんとした顔のM子。
何事も無かったかのように、M子の悲鳴の件に全く触れずに、再開した。
「キャー!」
悲鳴のシーンになると、無理やりそのまま芝居は続けられるが…。
「ちょっと、止めようか!」
指導者が渋い顔で芝居を止めた。
「このエチュードで克服できるかどうかM子次第だけど、公演の稽古が始まって、同じようなシチュエーションが当たった場合、その時になって克服できるかどうか…難しいと思う。」
「………。」
M子が固まってしまった。
「それじゃ、S子、『A』の役やってみて。」