「『スパゲッティー➡️』その変なイントネーション。それで個性と言うなら、それでいいんじゃない?だけど、私は負けないから❗」
Aの厳しい宣言を受けて間もなくだった。。。
方言ゆえに、馴染み無い言葉なので、文脈がつかめない。
感情の入れ方がわからない…と、言ってられない‼️
『私は負けない❗』宣言されたからには私もグズグズしてられない。
とにかくセリフを覚えた。必死に覚えた。
ーーそして、稽古がはじまった。
とりあえずセリフは入ってる。
だけど、とりあえず…というだけなので、根本的に解釈が違う!なんて言われるとリズムが狂う…と言うか、とにかくヤバい。
Aは、中盤にちょっと出て、ラストまででてこない役だ。
「仕事が忙しいから、少ない出番で良かった!」
…と、Aは言っていた。
最悪だ…💦
私は、Aと絡みが無くて良かった…なんて喜べない状況となった…。
先生が休みの日や遅れて来る時など、むしろ厄介だ💦
Aは、にわか演出家になってしまうのだ。
先生の元々の演出なんて完全無視。
自分の思うがままに演出をつける。
Aは、少なからず子供時代から業界で仕事している…という自信があったから、怖いもの知らずだ。
「アンコ、何でそこで振り返るの?そのまま退場して‼️」
「振り返ったら、先生が、ソレがいいって言ってたから」
「振り返ったら変だよ!無駄な間になっちゃう!」
…私は、振り返るのをやめた。
「アンコ、何で座るの?そこで座ったら邪魔でしょ❗」
「Aは、アンコの『セリフは無いけど意味のある仕草』を消そうとしてるね…。意味ある仕草が大切なのに…」と、Uも言う。
仲間のひとりMも気にしていた。
「先生がいない時に勝手にいろいろ言うのをやめろよ!」
「変だから変だと言っただけだよ!」
「オレたちは、先生の演出で作ってるんだ!Aは演出家じゃないんだから、いろいろ言うなよ!」
「経験が少ないと、そう思うんだよね~。いいものを作ろうと思うから、意見も出るんだよ!」
ふんっ❗
と、Aは、怒りに任せて台本を床に叩きつけると、稽古場を出ていった。
「とにかく、Aは、アンコを目の敵にしてるよな…」
Mも、何かを察してくれていたようだった。