伊吹有喜著 ポプラ社 2010年2月17日初版
久しぶりに大泣きしながら読み終えた本。
この本の前に大泣きしたのは『余命一カ月の花嫁』だった。
でも、実話の余命・・・の、想像のつく悲しみ、切なさとは違い、この本はあくまでも小説で、作りもの。
文体もカラッとしているし、会話なんかはどっちかというとコメディタッチで、見るからに(読むからにか)暗く重苦しいものではない。
なのに、時々不意打ちをくらったように涙が滲んで来、最終章に向けてはほとんど号泣。 横にティッシュの箱を置きながら、涙を拭き洟をかみ、という有様。
71歳の乙美という妻を亡くし、気力を失いかけていた熱田。 子供に恵まれぬまま夫に愛人が出来、家を飛び出してきた熱田の娘の百合子。 ディテールは悲惨なのだ。 だけど、そこに井本と名乗る黄色い髪で、一時のヤマンバメイクをしていたような顔黒の女の子と、井本が連れてきた外国人のハルミという男の子が出現して、話は始まる。
とんでもない格好の井本は、リボンハウスという厚生施設でボランティアをしていた乙美と関わりがあって、生前に乙美から頼まれていたと、四十九日までの間、熱田に生活の術を教えに来ていた。
『わたしがいなくなっても、あなたが明日を生きていけるように』と、帯に書かれている。 テーマはそれ。
四十九日が過ぎると、まだこの世に留まっていた魂があの世へと向かうという。 それは何も死者だけの儀式ではなく、遺された者の、悲しみから立ち直り前を向く儀式でもあるわけで、この本はその・・・家族の再生に向かうまでの49日の物語。
リボンハウス、というのがreborn house、であったり、乙美と井本、というのをアルファベット表記すると otomi imoto であったり、 ほんの少ししか記述がないのに、亀、タートルと、ボロクソワーゲン(笑) ビートル、というふうに、小技がいたるところにちりばめられていて、大団円にと向かいながら、悲しくはない・・・この表現もおかしなものだが・・・潔い、爽やかな死にっぷりを感じさせるのだ。
久しく面白いと思った本に出合えてなかったけれど、これはとても面白かった。お勧めの一冊。
久しぶりに大泣きしながら読み終えた本。
この本の前に大泣きしたのは『余命一カ月の花嫁』だった。
でも、実話の余命・・・の、想像のつく悲しみ、切なさとは違い、この本はあくまでも小説で、作りもの。
文体もカラッとしているし、会話なんかはどっちかというとコメディタッチで、見るからに(読むからにか)暗く重苦しいものではない。
なのに、時々不意打ちをくらったように涙が滲んで来、最終章に向けてはほとんど号泣。 横にティッシュの箱を置きながら、涙を拭き洟をかみ、という有様。
71歳の乙美という妻を亡くし、気力を失いかけていた熱田。 子供に恵まれぬまま夫に愛人が出来、家を飛び出してきた熱田の娘の百合子。 ディテールは悲惨なのだ。 だけど、そこに井本と名乗る黄色い髪で、一時のヤマンバメイクをしていたような顔黒の女の子と、井本が連れてきた外国人のハルミという男の子が出現して、話は始まる。
とんでもない格好の井本は、リボンハウスという厚生施設でボランティアをしていた乙美と関わりがあって、生前に乙美から頼まれていたと、四十九日までの間、熱田に生活の術を教えに来ていた。
『わたしがいなくなっても、あなたが明日を生きていけるように』と、帯に書かれている。 テーマはそれ。
四十九日が過ぎると、まだこの世に留まっていた魂があの世へと向かうという。 それは何も死者だけの儀式ではなく、遺された者の、悲しみから立ち直り前を向く儀式でもあるわけで、この本はその・・・家族の再生に向かうまでの49日の物語。
リボンハウス、というのがreborn house、であったり、乙美と井本、というのをアルファベット表記すると otomi imoto であったり、 ほんの少ししか記述がないのに、亀、タートルと、ボロクソワーゲン(笑) ビートル、というふうに、小技がいたるところにちりばめられていて、大団円にと向かいながら、悲しくはない・・・この表現もおかしなものだが・・・潔い、爽やかな死にっぷりを感じさせるのだ。
久しく面白いと思った本に出合えてなかったけれど、これはとても面白かった。お勧めの一冊。
コメントありがとうございます。
レシピ、で反応されましたか?(笑)
レシピというのは『処方箋』という意味もあるみたいですね。 今、この本とても売れていて増版中で手に入りにくいかも知れませんが、ほんとにお勧め本です。 是非。
ジャイアンツのキムタクさん、お亡くなりになりました。 まだ若いのに勿体ないことです。 ちょっとこの記事がタイミング良すぎて・・・。
やっぱり、後に残されても一人で生きて行けるように、悪妻であらねば???(^_^;)
実話は、あまりに切なくて、ちょっと目を背けたくなるけど・・・。
若く亡くなるのは、辛いですね。。。
そうそう、奥さんがなんでも一切やってると、先に逝っちゃたら大変みたいよ。
この本は、乙美さんがね、生活の事・・・お料理の仕方やお掃除、買物といったこまごましたことを絵手紙風なカードで遺してるのね。 いい案だと思ったわ。
って、私が真似ても先に逝くとは限らない。
新刊の「読んでみたい~」本のタイトルを覚えておかなきゃ~と思いつつ・・・本屋さんに行くとすっかり忘れてます
新学年も始まったので~ゆっくり読書タイム設けなきゃ~
お薦めのこのタイトルは忘れません
王子来日
う~ん~カジョクの皆さまでも今回の来日は色々様々・・・(笑)
俳優業してくださ~い
学校始って落ち着いたら~都にゆっくり~行ってみようかなぁ
楽母さん~そん時には
王子、来日されたんですか?
魔王も(笑)歌を出さずに、大河に出てたりハリウッド映画の撮影で日本を留守にしてた時に、本業を忘れないで~~って言ってる人も多かったです。
読書量ね、私もがた落ちです。
ブログはじめてから、パソコンに向かう時間が長くてね
でもやっぱり、本は読まなきゃだめですね、しみじみ自分が空っぽに近づいてるのを感じます。
自分が読みたい本を忘れないために、気になった本は、ブログで先にアップしときます。で、忘れたら本屋で携帯から確認。 便利な世の中になりました(笑)
どうぞ、落ち着いたら京都にいらしてくださいね~。