池上永一:著 角川文庫
舞台は2000年の沖縄。
米軍から返還された天久開放地の荒野に巨大な魔法陣が出現する。1000年の時を経て甦る伝説の地霊「レキオス」を巡り、米軍・学者・女子高生・ユタが入り乱れ、ついにその封印は解かれてしまう。
これは、裏表紙に書かれている、この本のあらすじです。
私は、普段SF物はあまり読まないので、この舞台が沖縄じゃなかったら、まず本屋さんで手に取っていなかったと思います。実際に読んでいても、時々「ついていけないなぁ」と思うところもありました。米兵オッカケのヒロミーが、ろみひーというロボットになっちやうところとか・・・
それでも、この厚い本を最後まで面白く読めたのは、著者の切り口のうまさだと思います。まず、主人公をデニスという、黒人米兵を父に持ついわゆる「フェンスの中」で育った米日ハーフの女子高生にもってきたところがよいですね。デニスが、フェンスの中で育った頃の懐かしい思い出を同級生に語る箇所は印象的です。
庭で、ホースを抱えて水遊びをしている、デニスが六歳の夏のお気に入りの写真。その写真を見た同級生の理恵が言います「六歳の夏、憶えてる。沖縄が異常渇水で3日に一回、3時間しか水道が使えなかった年よ。おばあちゃんが熱を出して、お母さんはリゾートホテルまで水を盗みに行ったの。でも、おばあちゃんは脱水症状で衰弱して死んだのよ。」
それを聞いたデニスは言います「あたし沖縄人の被害妄想って大っ嫌い。弱い立場なら何を言っても正論だと思ってるんでしょう。それに味をしめて、いつまでたっても親に餌を運んでもらう飛べない鳥みたい。」
ほら、続きが読みたくなったでしょう。
これから先は、ぜひ本で読んでくださいね。
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