唐松林の中に小屋を建て、晴れた日には畑を耕し雨の日にはセロを弾いて暮したい、そんな郷秋の気ままな独り言。
郷秋<Gauche>の独り言
風の谷のナウシカ
朝日新聞の5/5-6版に「コロナ下で読むナウシカ」(社内記者筆)と題する記事が掲載された。
「権力なき社会へのヒント」「命令ではなく調停 管理より自分の意思」「自然との共生 突き抜けた境地」などの大見出しが並ぶのだが、単なる娯楽漫画の域を超えたストーリーだとは思うのだけれど、それにしても、郷秋<Gauche>にはいささか深読みに過ぎるように思えてならないのだがいかがだろうか。
それはさておき、久しぶりに読んでみたくなったのは確かで、自室の書棚の一等地に鎮座していた全七巻を机に上に下ろした郷秋<Gauche>なのでありました。
横浜の住宅地の中に残された小さな里山の四季の移ろいを毎週撮影しているblog「恩田の森Now」に、ただいまは5月1日に撮影した写真を6点掲載いたしております。初夏の装いの森の様子をご覧いただけたら嬉しいです。
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#風の谷のナウシカ #宮崎駿
Le Petit Prince - 星の王子さま
我が家にある「星の王子さま」です。いずれも岩波から出ている内藤濯訳のものですので、本文に違いはありません。
大きいのが1962年第一刷発行の挿画カラー版(140p. 23cm_概ねB5版、ハードカバー)、その上に乗っているのが最近再読した1953年第一刷発行の岩波少年文庫(162p. 18cm_新書版より1cmほど幅が広い)で挿画は白黒です。
そして右が2000年第一刷発行で「オリジナル版」(岩波少年文庫より1cmほど縦に大きい)とされているもので挿画はカラー、本文が横組みですので左開きとなっていて、小さいけれどハードカバーです。テグジュペリが生前に唯一手に取ったと云う米国版に模して作ったようですので、おそらくページだても装幀も同様なのでしょうね。
一昨日にも書きましたが、内藤濯訳のものは今どきの子供たちに読ませるにはどうかと思うところもあるのですが、調べてみると内藤濯訳のもの以外に10種類ほどの翻訳本が出ているようです。機会があれば「新訳」も読んでみたいものです。
横浜の住宅地に残された小さな里山の四季の移ろいを毎週撮影しているblog「恩田の森Now」。ただいまは1月22日に撮影した写真を5点掲載いたしております。冬の森の様子をご覧いただければ嬉しいです。
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#サン=テグジュペリ #星の王子さま #内藤濯訳 #岩波書店版
星の王子さま
昨年末に、久しぶりにサン=テグジュペリの「星の王子さま」を手に取ったことを書きましたが、実はまだ読み終わっておりません。だって気が向いたときに、夕刻のビールタイムに2、3ページずつ読むだけだから。
だから今夕、ようやくあの有名な「心で見なくちゃ、物事は良く見えないってことさ。かんじんなことは、目に見えないんだよ」までたどり着きました。そして更に3頁程読み進んだところで示唆に富んだ言葉を見つけました。
「人間ってやつぁ、いるところが気にいることなんて、ありゃしないよ」。テグジュペリは転轍手に、こう云わせているのです。(岩波少年文庫2010 118頁)
実は、一昨日書いた「冬好日」について、Facebookの方に「『好日』は好きな言葉です。万々歳ではないけれど、それでも今日一日をまずは良しとしよう、仕方ないよね、もっと悪い日だってあるんだから・・・。半ば諦めの気持ちを抱きながらも、おかげさまで兎にも角にも今日一日を乗り切れた。分不相応な、完璧な幸せを望まず現状で満足する、そんな控えめな気持ちが『好日』には含まれているように思えてなりません」と書きました。
私は「好日」と云う言葉の中に「足るを知る」を見出したのでしたが、今日読んだ「星の王子さま」に出てきた 「人間ってやつぁ、いるところが気に入るなんて、ありゃしないよ」は、まさにこのことを云っているのではないかと思った次第です。
横浜の住宅地に残された小さな里山の四季の移ろいを毎週撮影しているblog「恩田の森Now」。ただいまは1月22日に撮影した写真を5点掲載いたしております。冬の森の様子をご覧いただければ嬉しいです。
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#サン=テグジュペリ #星の王子さま #名言
O・ヘンリ
落ち葉の季節、また読みたくなって週初めから探していた文庫本をようやく本日発掘。何と、目の前に置いてあるBoeing 787のディスプレイ台になっておりました。
ところでO・ヘンリ、Oは何と云う名前の略なのだろと思って調べてみたらいくつかの説があることがわかったけれど、何れにせよほとんど何の意味もない単なる「O」のようである。彼の名は、あくまでも「O・ヘンリ」。
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# O・ヘンリ #短編集 #小説家のペンネーム #O. Henry
ハーブと薬味のごちそうレシピ
発刊を楽しみにしていた、姪っ子の初めての著書「ハーブと薬味のごちそうレシピ」がようやく手元に届きました。
【ハーブと薬味のごちそうレシピ】
<スープからおつまみまで簡単で美味しい健康になれるメニュー65品>
若井めぐみ著
発行:三空出版
B5変型判 128ページ
定価 1,200円+税
ISBN9784944063727
CコードC2077
発売日2020年10月23日
https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784944063727
ぜひ本を手にとって、作って、ワインと共にお楽しみください!
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#若井めぐみ #料理家 #ハーバルセラピスト #ハーブと薬味のごちそうレシピ #料理 #ハーブ #薬味 #ヴェールエクラタン
キリン解剖記
今朝出勤したら、月曜日に注文した本がもう届いていた。さすが天下の紀伊國屋さん。しかも割引価格だからなお嬉しい。
最初にお断りしておきますが、著者の郡司芽久は私の娘でも姪でもその他の親戚ではありません。だから敬称なしはまずい。でも五代前くらい、つまり明治維新の頃まで遡れば親戚であったかも知れません。そう考えると郡司が郡司のことを「郡司さん」と書くのも妙な感じがしますので、ここは親しみを込めて「芽久さん」と呼ばせてもらいます。ちょっとだけ友だちでもあるし。その芽久さんは、お若い解剖学者です。しかも、あの、つぶらな瞳のキリンがご専門。
まだ第二章の中程までしか読んでいないので内容については後日ゆっくり書きたいと思いましが、今日はここまで読んで感じたことを三つだけ書いておきたいと思います。
一つ目。帯には「キリンが死んじゃって・・・」と書かれていますが、芽久さんは本文では終始「キリンが亡くなる」と書いています。亡くなるとは、人が死んだことの婉曲表現です。だから、亡くなるのは人間だけで、動物は「死ぬ」のはずなのですが、彼女は「亡くなる」と書いています。そこに彼女のキリンに対する深い愛と敬意が感じられます。特に死んだ後に、研究のためとは云えその死体を傷つけていることに対する贖罪の気持ちも含まれているのかも知れません。
二つ目。第1章には芽久さんが解剖学者になるまでの経緯が書かれています。強い意志と行動力によって自らの道を切り開いた彼女の物語は、これから自身の進路を考え決めていかなければならない、でも何をどう考えて良いのかわからないでいる中学生、高校生にぜひとも読んでもらいたいと感じました。確たる目標も持たぬまま大学に入学し、ただなんとなく4年間を過ごし、みんながするからと「就活」をし、必ずしも入りたい訳でもない会社に就職して一安心する学生が少なくないことを知っているからこそ、強く思います。
そして三つ目。好みのビールはやはり、「麒麟」なのでしょうか。と、今日はここまで。
「キリン解剖記」 郡司芽久著 ナツメ社 2019年8月1日初版発行 本体1,200円
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#キリン解剖記 #郡司芽久 #GUNJI Megu #麒麟 #解剖学
【7日間ブックカバーチャレンジ Day:7】
「7日間ブックカバーチャレンジ」7日目、最終回は「セロ弾きのゴーシュ」です。ちくま文庫が「宮沢賢治全集」として全10冊、角川文庫が「宮沢賢治全童話」として全9冊をそれぞれ出版しており(していた。最新情報は?)、この中で読むことができます。私が持っているのは角川文庫版(飯野和好氏によるカバーも味わい深い)で、角川からは「宮沢賢治詩集」も出ております。ちくまからは賢治の弟の宮沢清六氏の「兄のトランク」も出版されており、賢治作品の理解を深めるのに役立ちます。
生前にはほとんど評価されることがなかった賢治の作品ですが、そのどれもこれもが年月を経ると共にますます存在感と輝きが増す、名作特有の資質を持っています。執筆当時にはなかなか理解されなかった独自の世界に時代が追いついてきたと云う事でしょうか。21世紀は無論のこと、次の世紀にも引き継がれていくことは間違いない名作ですね。って、わざわざ郷秋<Gauche>ごときが云うまでのこともないのですが。
賢治の作品が読まれるようになると同時にたくさんの解説本や絵本も登場しています。私の手元にも十数冊ありますが、もちろん賢治自身の作品ほどの魅力を持つものは少ないですね。宮沢賢治作品の研究をしようというなら別ですが、作品を読み込んでその言葉のひとつ一つを自分なりに味わえばそれで良い、それこそが読書の醍醐味と云うことですね。
※以下は最終日に当たり、Facebookのタイムラインに書いたものです。
「『7日間ブックカバーチャレンジ』のミッションはこれにて終了です。考えてもみれば、blogには日々駄々文を書き続けておりますが、Facebookのタイムラインに直接長々と書き込むのは初めてであったかも知れません。せっかく書いたので、少し手を入れて(誤字脱字修正も)blogにも掲載したいと思います。その折にはニュースフィードで再度のお目汚しとなりますがお許しください。」
#宮沢賢治 #セロ弾きのゴーシュ #郷秋<Gauche>
【7日間ブックカバーチャレンジ】については7月17日掲載のblogをご参照ください。
https://blog.goo.ne.jp/gauche7/e/3c77c1e13e3e63c3435ecb30b2d0f499
#7days #7bookcovers #BookCoverChallenge
横浜の住宅地に残された里山の四季の移ろいを毎週撮影し掲載しているblog「恩田の森Now」。ただいまは7月12日に撮影した写真を5点掲載いたしております。梅雨の晴れ間となった森の様子をご覧いだけたら嬉しいです。
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【7日間ブックカバーチャレンジ Day:6】
6日目は私の音楽の原点、玉川学園の「愛吟集」(玉川大学出版部発行)です。
写真の青い表紙の愛吟集は1970年初版発行の第19刷(1985年)ですが、1973年から愛用してボロボロになっているのは(元)アイボリーの表紙のものです(汚損甚だしいので掲載を自粛いたしました)。
玉川学園の創立まもない1930 年頃から受け継がれてきた愛吟集ですが、現代的な体裁・内容になったのが写真の1970年版で、その後1997年に改訂(二)版、2005年に三版となり、現在はこれが使われております。私の手元にある最新版(緑表紙)の奥付には「2019年9月5日 改訂第三版16刷発行」と記されております。約300曲が収録された歌集ですが、小学生から大学生、そして卒業生までもが同じ歌集(愛吟集)を持って音楽を楽しむと云う意味では実に稀有な歌集と云えるでしょうか。
玉川学園の音楽は学園の創立者である小原國芳が岡本敏明(国立卒、音楽教育者・合唱指導者)と共に作り上げたもので「生活音楽」「『どじょっこ』から『第九』まで」と云われておりますが、文字通り「どじょっこふなっこ」(混声四部です)や「蛙の合唱」からヘンデルの「ハレルヤコーラス」、ベートーヴェンの交響曲第九番「合唱」の合唱部分までもが掲載されております。
学生時代には文字通り朝な夕なこの愛吟集で歌っておりました。もちろんほとんどの曲が混声四部です。この愛吟集を通して私の音楽感と音楽観が形作られたのだと云っても過言ではない、そんな「愛吟集」です。
「愛吟集」の歴史と詳細は下記をご覧ください。
https://www.tamagawa.jp/introduction/enkaku/history/detail_10797.html
#玉川学園 #愛吟集 #合唱 #岡本敏明 #小原國芳
【7日間ブックカバーチャレンジ】については7月17日掲載のblogをご参照ください。
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#7days #7bookcovers #BookCoverChallenge
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【7日間ブックカバーチャレンジ Day:5】
5日目は、村上春樹著 「世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド」 1985年6月15日初版 私の手元にあるのは1988年10 月25日発行の27刷 新潮社
現在は新潮文庫で入手可
Day:3でご覧いただいた遠藤周作の「沈黙」同様、新潮社の「純文学書き下ろし特別作品シリーズ」として刊行されている。小説を純文学作品、大衆文学、ライトノベル、娯楽作品、いやこれはエンターテイメントだなどと分類もしくは格付けする必要はなく、読みたいと思った人が読みたいと思った作品を読めば良いと思うのだが、「純文学書き下ろし特別作品シリーズ」として刊行されたとなると、やはりそのような格付けであるのかと思ってしまうも方がおられるかもしれない。
私は特に村上春樹氏のファンと云うわけではないが、彼の作品はほぼ全て読んでおります。やはり面白いし、実に現代的な小説なので。でも、彼の本質を知るためには全てを読む必要はなくて、「風の歌を聴け」「1973年のピンボール」「羊をめぐる冒険」「ダンス・ダンス・ダンス」そして 「世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド」 を読めば十分です。と云っては熱心なファンに叱られるでしょうか。
私はこれまでにも村上春樹氏については幾度も書いています。検索をかけたところ20件ほどヒットしました。私の彼および彼の作品の評価はこのようなものであると云うことで列記しておきます。Stay at Homeで時間が有り余っておられる方はのぞいてみてください。
同じだ・・・ 2017/03/20
フル・グランド? 2017/03/11
素晴らしき村上春樹ワールド 2017/03/08
世界の終わりとハードボイルドワンダーランド 2017/01/29
村上春樹氏は決してファンを裏切らない 2013/04/12
村上春樹氏の新刊 2013/02/17
村上春樹氏、落選 2012/10/11
村上春樹氏が最有力候補? 2012/10/10
村上春樹氏、原発を語る 2011/06/12
村上春樹氏、落選 2010/10/08
『1Q84』は比喩の見本帳もしくは『水戸黄門』 2010/06/30
1Q84 2010/04/17
村上春樹氏、記者会見に登場 2006/11/12
ノーベル文学賞 2006/10/12
物事には順序ってものがある 2005/12/12
東京奇譚集 2005/10/11
本というよりは、読書について 2005/09/06
#村上春樹 #ハルキスト #世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド
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【7日間ブックカバーチャレンジ Day:4】
4日目の今日は、水原秋櫻子編 俳句小歳時記(ハンディー版) 1987年初版(私が愛用しているのは1990年2月21日発行の第5刷) 大泉書店
水原 秋櫻子(みずはら しゅうおうし、1892(M.25)年10月9日 - 1981(S.56)年7月17日)は、日本の俳人、医師・医学博士。本名は水原 豊(みずはら ゆたか)。松根東洋城、ついで高浜虚子に師事。短歌に学んだ明朗で叙情的な句風で「ホトトギス」に新風を吹き込んだが、「客観写生」の理念に飽き足らなくなり同誌を離反、俳壇に反ホトトギスを旗印とする新興俳句運動が起こるきっかけを作った。「馬酔木」主宰。(Wikipediaより)
ちなみに、俳号の最後に「子」(「し」と読む)がつくのは男性。俳号の末尾が「女」となるのが女流である。ただし近年の女性俳人は「女」が付かない普通の女性名の方が多いようだ。
私の父は田舎の小さな俳句結社の役員を長く務めていた。そんな父が「潔も俳句をやってみないか」と云って渡してくれたのがこの小歳時記(季語集)である。愛蔵用の綺麗な装丁のものもあるが、父は吟行の折に携帯できるようにと丈夫なビニール装丁のハンディー版を選んでくれたようだった。
爾来30年、俳句を詠むことはなくなったけれど季節感を大切にする感覚は身につき、撮った草花の写真のキャプションを書くときなどには手持ちのいくつかの植物図鑑やWikipediaに記載された科学的な説明だけではなく、この歳時記に記された草花の心情的・文化的側面を参考にするのが慣いとなっている。
#俳句 #季語集 #歳時記 #水原秋櫻子
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【7日間ブックカバーチャレンジ Day:3】
3日目の今日は、遠藤周作の「沈黙」。この本について多くを語れるほど未だに我がものとできないでいることを白状する。と云うことで、新潮社の純文学書き下ろし特別作品として刊行された時のケースに記された著者の言葉をここ転載し、本書の紹介としたい。
「数年前、長崎ではじめて踏み絵を見た時から、私のこの小説は少しずつ形をとりはじめた。長い病気の間、私は摩滅した踏み絵のキリストの顔と、その横にべったり残った黒い足指の跡を、幾度も心に甦らせた。転び者ゆえに教会も語るを好まず、歴史からも抹殺された人間を、それら沈黙の中から再び生き返らせこと、そして私自身の心をそこに投影すること、それがこの小説を書きだした動機である。 遠藤周作」
45年前、遠藤周作は当時大学生であった私が住んでいたのと同じ多摩丘陵の南端に位置する大学町の山の上に住んでいた。その証拠に私は大学町の居酒屋(たしか「薩摩」と云った)で二度、大蔵と云うラーメン屋で一度、出版社の担当者らしき方と飲み喰いしているところに遭遇している。今にして思えば話しかけてみれば良かったかと思ったりもするけれど、気心知れた編集者と飲んでいる時のそれは氏にとっては迷惑以外の何物でもなかったことであっただろうな。
ちなみに「狐狸庵物」の中では「柿生の里」に住んでいるとされていたが、それはその名がいかにも草深い里の庵を思わせるからだろう。「柿生の里」は小田急線柿生駅周辺を連想させるが、そのようなわけで実際に住んでいたのは二駅先の町であったのです。
「沈黙」遠藤周作著(第二回谷崎潤一郎賞受賞作品)新潮社刊 1966年3月30日初版(私の手元にあるのは1975年5 月20日発行の50刷)。現在は新潮文庫版で入手可。
#遠藤周作 #沈黙
【7日間ブックカバーチャレンジ】については7月17日掲載のblogをご参照ください。
#7days #7bookcovers #BookCoverChallenge
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【7日間ブックカバーチャレンジ Day:2】
昨日の「里山物語」からガラリと変わって今日はクルマ本。ただし並みのクルマ本ではありません。
20世紀後半からから21世紀初頭にかけて西にポール・フレール(1917年1月30日-2008年2月23日。フランス生まれのベルギー人)、東に小林彰太郎(1929年11月12日-2013年10月28日)と云う二人の傑出したモータージャーナリストがおりました。
ポール・フレールはフェラーリF1のドライバーにしてル・マン24時間の勝者(フェラーリ・250TRを駆る)、一方の小林彰太郎は世界に冠たる自動車誌「CAR GRAPHIC」の創始者・編集長です。そのポール・フレールが著し小林彰太郎が訳したのが今日ご紹介するのが文字通りハイ・スピード・ドライビングのための古典的名著「ハイスピード ドライビング」です。
公道において、さらにはサーキットにおいてより速く走るテクニックを身につけることは日常においてより快適かつ安全にドライブすることに貢献します。例えば冬のある日、交差点の路面の一部が凍結していてコーナリング中のクルマの尻が外に振られたとしたら、その時にどうすれば良いのか。何もせずクルマの動くままにしていたとすれば、恐らくは他の車などにぶつかってしまいますが、サーキットでより速くより安全に走るためのテクニックをマスターしておけば難なくクリアすることも可能です。そんなテクニックを運動力学の理論を交えながら教えてくれるのが本書です。
「ハイ スピード ドライビング」ポール・フレール著 小林彰太郎・武田秀夫訳 二玄社発行 1966年7月16日初版
本書は既に廃刊となっておりますが、現在は改訂版である「新ハイスピード・ドライビング」ISBN4-544-04044-2が入手可能。もっとやさしく読みやすい「はしる まがる とまる -もっと楽しいクルマの運転」ISBN978-4-544-04093-7も二玄社から刊行中です。
ポール・フレールの死後、ベルギーGPが開催されるスパ・フランコルシャンサーキットのスタブロ・コーナーが「Courbe Paul Frère(ポール・フレール・コーナー)」と改名され、彼の名誉を讃えた記念碑が設置されています。また、ホンダのCR-X 1.6 SiRのハンドリングを絶賛し自らの日常の足として長く愛用したことでも有名。
写真はオリジナルの「ハイ スピード ドライビング」。モノクロームに見えるかも知れませんが、カラー写真です。
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#7days #7bookcovers #BookCoverChallenge #ハイ スピード ドライビング#ポール・フレール #小林彰太郎 #二玄社 #CG
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【7日間ブックカバーチャレンジ】の詳細については7月17日掲載のblogをご参照ください。
【7日間ブックカバーチャレンジ Day:1】
初日にご紹介するのは「里山物語」。著者:今森光彦 発行所:新潮社 発行年月日」1995年11月25日 ISBN 4104085014
「里山」と云う言葉が市民権を得たのはこの写真集以降ではないかと思っているのですが、実は「里山」よりもそれと対になる「里地」の方が人の気配が強く感じられ私にとっては面白いのです。
著者の今森光彦氏は1954年生まれで琵琶湖畔仰木地区に居を構える写真家。得意分野は昆虫ですが、その虫たちが住む里地・里山の木々、草花を見る目は常に優しい。私の「恩田の森」での撮影活動は氏の「里山物語」に強く影響を受けていることは間違いありません。里山のスケールが違い過ぎてはおりますが。
#里地里山 #今森光彦 #横浜の里山 #恩田の森
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本稿は2020年5月6日から12日まで、Facebookに掲載した「7日間ブックカバーチャレンジ」の初日の記事に加筆・修正したものです(以後Day 7まで同様)。Facebookのタイムラインへの直接投稿であったためblog読者の皆さんにはご覧いただいておりませんでしたのでここに再掲する次第です。
★「7日間ブックカバーチャレンジ」について★
インターネットにおける「バトン」の一つ。
2020年2月から新型コロナ感染症が世界的に拡大し、我が国においても感染拡大防止のために4月7日に緊急事態宣言が発令されました(5月25日に解除)。この間は「不要不急」の外出自粛(Stay Home)が強く求められ、多くの飲食店や(食料品や日用必需品を除く)小売店、コンサートホールや遊興施設が閉鎖され、事業所の多くでもテレワークが展開されるなど「巣篭もり」生活が強いられましたが、「7日間ブックカバーチャレンジ」はこの間に流行ったバトンの一つです。
インターネットにおける「バトン」は2000年頃から存在しておりましたが「7日間ブックカバーチャレンジ」は、新型コロナのパンデミックにより多くの人が自宅での「巣篭もり」が半ば強制され、有り余った時間の中でのささやかな楽しみ、気晴らしとして短期間集中的流行ったものです。
「7日間ブックカバーチャレンジ」の趣旨は、「読書文化の普及に貢献するためのチャレンジ」で、参加方法は好きな本を1日1冊、7日間投稿するとされ、ルールは
①「本についての説明はナシで表紙画像だけアップ」
②その都度1人のFB友達を招待し、このチャレンジへの参加をお願いする。
と云うものでした。
「バトン」は古くは「不幸の手紙」、ネット時代になってからのチェーンメイルに類似するものであり、私自身が好むものではありませんでしたが、「巣篭もり生活」の中で比較的時間があったこと、好きな「本」に関するものであったこと、古くからの友人から回ってきたバトンであったことから受けてみたものである。
ただし、「読書文化の普及に貢献するため」なのであればその本の基本データと、紹介する人なりの感想なりがなければ読んでみようと云う気も起こらないのではないか、半ば強制さされたのでは次の方が迷惑だろうと考え、ルールは①②ともに無視した上で私なりの7冊を紹介したものです。
以上、3年後には忘れ去られてしまうであろう、2020年春の日本において発令された新型コロナ感染症(COVID-19)のパンデミックによる緊急事態宣言発令下において流行った「7日間ブックカバーチャレンジ」の概要について記しました。
#7days #7bookcovers #BookCoverChallenge #7日間ブックカバーチャレンジ #新型コロナ感染症(COVID-19) #緊急事態宣言下における巣篭もり生活
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遠藤周作 『影に対して』
6月27日に書きました遠藤周作の未発表作品『影に対して』が掲載された『三田文学2020年夏季号』が手元に届きました。明日ゆっくり読みたいと思います。楽しみです。
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#遠藤周作 #未発表作品 #母の思い出 #遠藤周作文学館 #長崎県外海
カリフォルニア州が公式謝罪
第2次世界大戦中の1942年2月19日、当時の米国大統領フランクリン・ルーズベルトは、国家の安全を脅かすとみなした人物を指定軍事区域から立ち退かせる権限を陸軍省に与えた。それを根拠に4年間で10万人以上の日系人(大部分は米国国籍の保有者)が自宅から強制的に退去させられ、全米各地の強制収容所に送られた。
この過ちに対してカリフォルニア州が公式謝罪することを決議したと云うニュースである。
https://www.cnn.co.jp/usa/35149526.html
もはや戦後ではないと云われた1955年に生まれた私は、アメリカ合衆国と云う国は自由と正義の国であると教えられて育ってきた。高校生になりベトナムでの出来事を知るにつけ首をかしげることもあったけれど、それでも世界で一番自由と友愛に満ちた公正な国であると信じていた。
がしかしここ3年程、かの国の指導者の言動を見るにつけ日に日に疑問符が大きくならざるを得ない状況であったわけなのだが、今般のカリフォルニア州議会決議を見て、かの国の懐の深さをあらためて思い知らされ、たった一人の心無い者の言動に惑わされることなくかの国を評価すべきであろうと云う思いに至った今宵でありました。
と云うわけで今日の一枚は、戦時における日系人強制収容を身をもって体験された故小平尚道先生がその実態を総じて淡々と著した御著書。既に絶版となっておりますがネット古書店等では比較的簡単に入手することもできますので、戦時における移民、他民族との関係、とりわけ日系アメリカ人に興味をお持ちの方には是非ともお読みいただきたい「アメリカ強制収容所」。
アメリカ強制収容所 —戦争と日系人—
小平尚道著
玉川大学出版部 1980年10月1日初版
blog「恩田の森Now」 https://blog.goo.ne.jp/ondanomoriには2月8日に撮った写真を5点掲載いたしております。春を待つ森の様子をご覧いただけたら嬉しいです。
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