唐松林の中に小屋を建て、晴れた日には畑を耕し雨の日にはセロを弾いて暮したい、そんな郷秋の気ままな独り言。
郷秋<Gauche>の独り言
一日一曲365日のクラシック
昨日、先週末に読んでいた近藤憲一著「オーケストラの世界」をご紹介いたしましたが、同時に購入したのが同じ著者による「一日一曲365日のクラシック」(近藤憲一著 ヤマハミュージックメディア 2019年11月20日初版。なぜかまだ発行日前ですが)です。
タイトルの通り一年365日、毎日一曲ずつその日に所縁のあるクラシックの名曲が 紹介されております。「365日のクラシック」とのことですが四年に一度やって来る2月29日にも一曲紹介されておりますので実は366曲紹介されておりますので、本来タイトルは「366日のクラシック」とされるべき本ではあります。一日一ページ366日分、各月初めには中扉があり巻末には作曲者別の索引もありますので普通の文庫本二冊分の400頁もある分厚い文庫本となっております。
例えば本日、11月7日にはセルゲイ・ラフマニノフ(1873-1943)の「パガニーニの主題による狂詩曲より第18変奏」が紹介されております。今日がこの名曲が初演された日なのだそうです。甘美なピアノの旋律がオーケストラに引き継がれていく美しいこの曲は映画の挿入曲としても度々使われていますのでクラシック音楽のファンではない方もきっとどこかで耳にしていることと思います。
と云う訳で昨日と今日、「読書の秋」到来でもありますので最近読んでいるクラシック音楽関連の本を二冊ご紹介いたした次第です。
blog「恩田の森Now」 https://blog.goo.ne.jp/ondanomori には11月2日に撮った写真を5点掲載いたしております。またまた散歩日和となった森の様子をご覧いただけたら嬉しいです。
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「オーケストラの世界」
一昨日、のんびり読んでいたのがこの「オーケストラの世界」(近藤憲一著 ヤマハミュージックメディア 2019年7月10日)です。9年前の2010年6月に刊行された「ようこそ!すばらしきオーケストラの世界へ」を文庫化したものですので、すでにお読みになられている方もおられることと思います。
2年半ほどではありますが、弦楽だけの合奏団ではありますが、オーケストラに席を置く端くれとしては知っていることもあるけれど知らないこともあり、知っているつもりでも「なるほど、そう云うことだったのか」と独り言ちることもあると云った具合で楽しく勉強にもなる本です。
例えば「オーケストラの響きはホールによって変わるのか?」とか「プロオケとアマオケの違い」とか「オーケストラの楽員の給料はみな同じなのか?」と云った疑問にも応えてくれるので弾く、吹く方以外の聴いて楽しむ方にも読んで楽しんでいただける「オーケストラの世界」です。
実はもう一冊同じシリーズから買ってきた本がありますが、それについては明日。
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初版第一刷
初版第一刷である。蒐書家にとっての初版第一刷とは、女房を質に入れてでも手に入れたいものだと聞いたことがあるが、少なくともこの本に関しての「初版第一刷」はほとんど何の意味ももたない。なのにわざわざこんな証拠写真をご覧いただいたのかと云うと、この2001年4月20日発行の初版第一刷を(もちろん新品で)入手したのが昨日のことであったから。(昨日に続いて安直な一枚であることはお許し願いただきたい)
実は小学館発行の「フィールド・ガイドシリーズ」の第22巻「葉で見分ける樹木」(林将之)は10年以上前に購入してかなりの頻度でお世話になっているのだが、このシリーズの第21巻となる「色別野の花図鑑」を注文したのは先週の金曜日で、本が届いたのが昨日。
新しく本を買うとまずその奥付を見るのだが、そこ「2001年4月20日初版第一刷発行」と記されているのを見て、郷秋<Gauche>はびっくり驚いた。少なくとも幾度かは刷を重ね、あるいは改定新版となっているかもしれないと思っていたのに、なんと2001年4月20日発行の初版第一刷が手元に届いたのである。
刷ってから17年経って注文が入って、読者(私)の元に届いたのである。一体全体初刷りで何冊刷ったのか。それほど売れない本であったと云うことなのか、あるいは大穴を狙って売れもしない数を刷ってしまったのか。版元の倉庫にあったのか、取次にあったのか、何れにせよ貴重な初版第一刷が郷秋<Gauche>の元に届いたのであった。
17年間じっとこの日を待っていたに違いない「色別野の花図鑑」。図鑑だけれどコンパクトなサイズでカバーの下はビニールの装丁と携行には最適。これからしっかり使ってあげようと思った郷秋<Gauche>なのでありました。
blog「恩田の森Now」 http://blog.goo.ne.jp/ondanomori に、ただいまは11月19日に撮影した写真を6点掲載いたしております。晩秋を彩る花たちとニワトリをご覧いただければ幸いです。
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この夏の課題図書(その2)
私のこの夏の課題図書である「アメリカ強制収容所」については19日に書きました。そしてその関連で、立教大学で行われていた「アメリカにおける日系人強制収容所と日系二世 -『小平尚道資料』が語るもの」展を見てきたことについては21日に触れました。「アメリカ強制収容所」については、筆者である小平先生が直接見知った方であり、その資料を立教大学に寄贈された奥様が大学時代の合唱団の先輩でありまた直接お目にかかったこともある方であることなどから時間をかけて読み進めたいと思っている所ですが、これとは別に気楽に読めるエンターテイメント的な新書をこの夏のもう一冊の課題図書として同時に読んでいるところです。
「悪魔と呼ばれたヴァイオリニスト –パガニーニ伝」(浦久俊彦著 新潮新書 2018年7月20日)
「腰巻き」を信ずれば、本邦初のパガニーニの伝記なのだそうです。著者の筆致が 私のの波長と良く同期し実にスラスラと、まるで漫画を読んでいるかの様に入ってきます(私は漫画は読みませんが)。
パガニーニと云えば、歴史上最も優れた伝説のヴァイオリン弾きであることは知っておりましたが、本書を読んで初めて同時代の作曲家達との時代的関係を認識する事が出来たことは大きな収穫でした。ヴァイオリンとは同じ仲間であるチェロを弾く者として、おおい楽しめるこの夏の課題図書(その2)でありました。
「恩田の森Now」 http://blog.goo.ne.jp/ondanomori に、ただいまは7月23日に撮影した写真を6点掲載いたしております。猛暑が続く森の様子をご覧いただければ幸いです。
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ライブ、コンサート、リサイタル
今日は、大学時代の合唱団の後輩のジャズの歌い手と、その指導者であった恩師のゼミの卒業生のピアニスト、二人(つまりどちらも同窓の後輩)のライブを聴いてきました。
ところでこの「ライブ」、コンサートとライブの違いが気になったりするんですが、実態に即して考えて見ると、出演者が一人でも複数でもお客さんがあまり多人数ではない、所謂ライブハウスなどの小さな会場で演奏するときに使う言葉ですね。ただし、音楽のジャンルはロックやジャズに限られるのかな。最近はクラシックの場合にも「ライブ」が使われることがあるけれど、ちょっと不似合いな感じ。ロックやジャズでも大きなホールやアリーナで実施する場合には「ライブ」とは云わず「コンサート」と云うことが多いようです。
クラシック音楽の場合には普通は「コンサート」。でも独奏、つまり一人(ピアノの共演者は除く)で演奏する場合には「リサイタル」とも云いますね。〇〇オーケストラの「リサイタル」とは見聞きしたことがない。コンサートとリサイタルを比べると、リサイタルの方が格式が上な感じがします演奏家が特に大切にする演奏会は「自主コンサート」ではなくて「自主リサイタル」や「デビュー30周年記念リサイタル」などと「リサイタル」が使われることが多い気がする。
演歌の歌手の場合にコンサートではなく「リサイタル」が使われることがあるけれど、それは北島三郎や故美空ひばりのような相当な大物の時。クラシックの歌い手のリサイタルに倣う感じ、つまり権威付けの「リサイタル」なのでしょうか。
例によって記事本文とは何の関係もない今日の一枚は、今シーズンも幾度もご覧いただいていますが、しつこく姫蔓蕎麦(ヒメツルソバ)。
「恩田の森Now」 http://blog.goo.ne.jp/ondanomori に、ただいまは11月25撮影した写真を10点掲載いたしております。冬隣となった森の様子をどうぞご覧ください。
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広辞苑 第七版
紙に印刷された広辞苑は、2008年の第六版が最後かと思って購入しておりましたが、来年1月に第七版が登場とのこと。
岩波書店の岡本厚社長は「偽とかかフェイクとか、事実でない言葉が飛び交う現代だからこそ、本物の、誠実な、確かな仕事に価値がある。苦境が続く出版界において、岩波の底力を示すことができた」と語ったとのこと。頼もしい限りだ。
今回の改訂では、自撮り、立ち位置、スマホ、アプリ、ツイート、浜通り(福島県)、ブラック企業、LGBT、人名ではトランプ、高倉健、赤塚不二夫、ジョブズ、俗語ではがっつり、ごち、ちゃらい、など1万語が採用され約25万語が収められているとのことだ。
最初の六か月で20万部の販売を目指すとのことだが、紙の本離れが進む時代に果たしてどれ程売れるのか楽しみである。郷秋<Gauche>はもう買いません。第七版より二割近く高くなっているし、大きいし重いし(^^;
「恩田の森Now」 http://blog.goo.ne.jp/ondanomori に、ただいまは 9月24日に撮影した写真を5点掲載いたしております。稲刈りの時を迎えた森の様子をどうぞご覧ください。今週末には久しぶりに撮影に行けるかと思って楽しみにしちたのですが雨の予報です。どうなることやら。
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横浜今昔
気になる特集が組まれていると時折購入する季刊誌「横濱」春号の特集は、「横浜の地図を楽しむ」。
24-25ページに見開きで掲載されているのは青葉区あざみの駅周辺の昭和30年の地図と、55年後の平成22年の地図。同じ場所の地図だとわかるのは、やや流れが変わりながらも早渕川の存在と荏田町のごく一部のみで、わずか半世紀の間の変容に驚くばかりだ。
古くから開発され人が住んでいた中区関内地区は50年の変化を読み取ることができるし、西区「みなとみらい」地区などは埋め立ての様子が良くわかるが、先に書いたあざみ野駅付近の他、センター南駅付、港南台駅付近などは同じ場所の地図とはにわかに信じられないほどの変わりようで、こうして日本最大の市、人口370万人の横浜市が誕生したのだと、感慨深いものがある。
興味を持たれた方は是非、横浜市との協働編集誌「横濱」2017年春号(神奈川新聞社。税込680年)を手に取ってとくとご覧ください。
「恩田の森Now」 http://blog.goo.ne.jp/ondanomori に、ただいまは 5月27日に撮影した写真を5点掲載いたしております。初夏の森の様子をどうぞご覧ください。
先週末の恩田の森の撮影はできませんでした。実は、諸般の事情で今週末の撮影も怪しいところです。できるだけ行きたいとは思っておりますので期待せずにお待ちいただければ幸いです。
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唐突ですが、芥川
突然ではありますが、何の前触れも脈絡もなく、全くもって唐突に芥川を読みたくなった。読みたくなった時のために30年前に買った本を売らずにちゃんと取って、書棚に並べておるのです。今晩は、何としても目を開いていられなくなるまで芥川読むことにします。何から?そうねぇ・・・、いまどきですから「春の夜」あたりから読んでみましょうか。
と云うことで、皆さんおやすみ御免なさい。
「恩田の森Now」 http://blog.goo.ne.jp/ondanomori ただいまは、8日に小雨の中で撮影した写真を6点掲載いたしております。花盛りとなった森の様子をどうぞご覧ください。
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「考える人」終刊
2002年春に創刊された「考える人」(新潮社)が15年、60巻の歴史を刻んで終刊。考えてもみれば、出版不況と云われる時代に「考える人」のような一般受けしない季刊誌が15年も続いたことが奇跡とも云えるかも知れませんが、このような良質な雑誌が消えるのは実に残念で寂しいことです。
「右手にジャーナル(朝日ジャーナル)、左手にパンチ(平凡パンチ)」とも云われながら「朝日ジャーナル」が消えたのが25年前。ジャーナルと「考える人」とでは立ち位置も考え方も違うけれど、少なくとも「考える人」に読んでもらいたい、あるいは「考えない人」にこそ読んでもらいたいと云う思いは同じだったような気がする。
郷秋<Gauche>は後者に属する読者であった訳ですが。だからこそ15年読み続けた。今号が最後になるけれど、手元にはちゃんと60冊ありますから牛が反芻するように読めば、あと30年は楽しめるだろうか。少なくとも、読むことができなくなるまでの十分なバックナンバーが手元にあると云うことになるね。よしよし。気の向いた時にコーヒを飲みながら、ウイスキーを舐めながらゆっくり読むとするか。
毎週撮影・掲載している「恩田の森Now」には、ただいまは3月18日に撮影した写真を5点掲載いたしております。まごうことのない春がやって来た、そんな森の様子をどうぞご覧ください。
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諸般の事情により二週続けて撮影・掲載ができませんでした。今週末の掲載にどうぞご期待ください。と、自分にプレッシャーをかけてみる(^^;
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同じだ・・・
「ある時点から私は新しい音楽をほとんど聴かなくなってしまった。そして気に入っていた古い音楽だけを、何度も繰り返し聴くようになった。本も同じだ。昔読んだ本を何度も繰り返し読んでいる。新しく出版された本にはほとんど興味が持てない(村上春樹の新刊を除いてはと云うことだが)。まるでどこかの時点で時間がぴたりと停止してしまったみたいに。」 村上春樹著『騎士団長殺し 第2部 遷ろうメタファー編』 222頁。
私と同じだ。私って、「騎士団長」の私ではなく郷秋<Gauche>のこと。私も音楽も本も、新しいものにはほとんど手を出さない。お気に入りの古臭い音楽と本を繰り返し聴いて、そして読んでいるのだ。考えてみみれば実に偏屈でつまらない、人に好かれない後ろ向きの性向だ。
そう云えば、村上春樹作品の主人公が「僕」から「私」に変わった。初期の作品はもちろんのこと、近作に至っても彼の作品の主人は常に彼自身であるわけだけれど、さすがに六十代も半ばを過ぎて「僕」では自身との乖離が大きいことに気づいたのだろうか。
しかし、相変わらずの村上春樹ワールドである。以前にも書いたけれど、村上春樹版の「水戸黄門」である。全く期待を裏切らない。「世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド」以降の作品のエッセンス(ピース)を抜き出して並べ、いくつかの新しいピースを加えシャッフルしながら完成させたジグソーパズルである。
それにしても素晴らしい、恐ろしいばかりの才能だ。彼がこれまでに創って来た、彼にしか創ることのできない珠玉のピースを組み合わせて全く新しい、同時にこれまでの彼の全ての作品と相似形でもある物語をつくりあげているのだから。
村上春樹の作品についてはたびたび書いている。blog内検索をしてみたらかなりの数の記事が引っかかって来た。
http://blog.goo.ne.jp/gauche7/e/4e23168813a327fdce9ccf27aec7b77d
この記事以降にも書いているけれど。
例によって記事本文とは何の関係もない今日の一枚は、咲き始めた木五倍子(きぶし)。
毎週撮影・掲載している「恩田の森Now」に、ただいまは3月18日に撮影した写真を5点掲載いたしております。まごうことのない春がやって来た、そんな森の様子をどうぞご覧ください。
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素晴らしき村上春樹ワールド
もともと遅読なところに持って来てこのところ本業が珍しく忙しく(過労死が心配なほど仕事をされている方から見ればヘソでお茶が沸くほどのものだとは思いますが)夕食(と体内のアルコール消毒)が済む頃には眠くて眠くて。チェロもここ数日触っていないほどですから(師匠がこの駄文を目にされんことを祈る)読むどころではないのです。そうは云っても少しは読んでいる訳でありまして、ようやく上巻のここまで読み進むことができました。
それにしても、さすがと云うべきか相変わらずと云うべきか偉大なワンパターンと云うべきか(比喩の見本市度がやや低下?)、元へ、素晴らしき村上春樹ワールド! 永年の読者である郷秋<Gauche>の期待を裏切らない完璧な村上作品です。期待を裏切らないワンパターンと云う意味ではあの偉大なテレビドラマ「水戸黄門」さえも超えているように思えます。「世界大衆文学賞」グランプリ受賞がまた一歩近づいたのではないでしょうか。
と云う今日の駄文は、ファナティクな村上ファンからカミソリが送られて来そうな「村上春樹歴」38年の郷秋<Gauche>がおくる郷秋<Gauche>的村上春樹賛。為念。
毎週撮影・掲載している「恩田の森Now」に、ただいまは3月4日に撮影した写真を4点掲載いたしております。春がちょっと足踏みをしている、そんな森の様子をとうぞご覧ください。
「恩田の森Now」 http/:blog.goo.ne.jp/ondanomori
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騎士団長殺し
日本で、今一番話題の本が届いた。
しかしだ、「『騎士団長殺し』第一部:顕れるイデア編、第二部:遷ろうメタファー編」と云う、いかにも奇を衒った思わせぶりなタイトルは、これを聞いただけで村上の作品だと判るほど解りやすい。ごく短くてたくさんある章のタイトルもしかり。そう云う意味では32年前の「世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド」から変わっていない。つまり村上は成長していない。成長していないと云うのがまずければ、村上はブレていない。云ってみれば「水戸黄門」と同じだ。観るものを、読者を決して裏切らない素晴らしく緻密なワンパターン。これなら間違いなく楽しませてもらうことができるだろう。今日の午前零時に神田の書店で手に入れたと云うお嬢さんが「始発までに読破したい!」と云っているのをネットのニュースでみたけれど、郷秋<Gauche>にはそんな勿体無い読み方はできない。二巻で3600円だからね、一言一句吟味しながら時間をかけてゆっくり楽しませてもらうよ。
毎週撮影・掲載している「恩田の森Now」に、ただいまは2月18日に撮影した写真を4点掲載いたしております。春の近いことを感じさせる森の様子をどうぞご覧ください。
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「考える人」が2017年春号を最後に休刊
新潮社の季刊雑誌「考える人」が4月4日発売の2017年春号(第60号)をもって休刊となるようだ。
創刊号から愛読していて郷秋<Gauche>としては全くもって残念至極。いまどき珍しい良心的かつ充実した内容の雑誌であっただけに「残念」以外の言葉が見つからない。創刊号から休まず読み続けて来たが、実を云えば創刊のその時から今日この日、つまるり「休刊」の時がいつ来るかと案じて来た15年であった。だってそうだろう、こんな良い雑誌が売れるはずがないのだから。そのことを幾度もblogに書いて来たけれど、15 年目にしてついにやって来た「その日」である。
しかしだ、「考える人」などと云う「コッパズカシイ」書名は一体全体誰が考えたのだろうか。創刊当時のblogに「考えない郷秋<Gauche>が読む『考える人』」などと自虐的に書いたことを思い出す。
それにしても不可解な出版業界。どうして「休刊」なのだ? どうして「廃刊」と云わないのか。だってそうだろう。「休刊」になった雑誌が「復刊」したなどと云う話は聞いたことがないのだから。「考える人」らしく、なぜ潔く「これで終わり」と宣言できなかったのか。このことだけが悔やまれる。
新潮社からの休刊についての公式案内
http://www.shinchosha.co.jp/news/article/374/
毎週撮影・掲載している「恩田の森Now」に、ただいまは2月12日に撮影した写真を5点掲載いたしております。
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世界の終わりとハードボイルドワンダーランド
昨日の記事の写真、リペアの済んだばかりのテーブルに置いてあった本。村上春樹氏の「世界の終わりとハードボイルドワンダーランド」です。気を衒ったわけではなく、新しくなったダイニングセットを見に来た義妹が、ついでに貸していたものを返してくれたものですから。
「世界の終わりとハードボイルドワンダーランド」は1985年に新潮社の「純文学書下ろし特別作品」シリーズとして世に出た作品です。その3年後には文庫化されている村上春樹氏の最高傑作です。郷秋<Gauche>はほとんどの村上作品を読んでおりますが、彼の代表作は「世界の終わりとハードボイルドワンダーランド」と断言できます。
たくさん売れたのは他の作品だと思いますが、彼の作品の根っこは「風の歌を聴け」とこの作品にあります。この二つを読めば、その後の彼の作品を読まずしても村上春樹を理解できます。別の云い方をすれば、この二つの作品を読んでいなければ、その後の彼の作品をいくら読んでも氏の作品の本質は理解できないのではないかと思います。村上春樹ファンにはぜひとも読んで欲しい「古典」です。
クローバー子供図書館
クローバー子供図書館の機関紙「クローバーつうしん」に拙文を掲載していただきました。
クローバー子供図書館は、郷秋<Gauche>の郷里、福島県郡山市にある私設の図書館です。1952年の開館ですので、郷秋<Gauche>よりも歳上です。
蔵書は二万余冊。私設の図書館でこれ程の規模で、これ程の永きに渡って地域に開かれて来た私設の図書館は他にはないのではないでしょうか。郷秋<Gauche>の本好き、読書好きは、実はこのクローバー子供図書館によって培われたものなのです。
どう云うわけか、郷秋<Gauche>に執筆依頼をいただいたのは夏前のことでした。名誉なこととお引き受けはいたしましたが・・・。いつもどおりの駄文です(^^;。でも、このような形ででも、良き習慣をいただいた図書館のお役に立てたのなら全くもって嬉しい限りです。
ご多分にもれず、多くの人たちによって支えられてながらも厳しい経営を強いられている小さな図書館ですが、郷秋<Gauche>の心の故郷でもある図書館ですので、これからもささやかでもその運営を支えるお手伝いができれば、一人でも多くの本が好きな、読書が好きな子供が育ってくれるための、そんなお手伝いを細く長く続けけることができればと思っております。
と云うわけで今日の一枚は、拙文が掲載された「クローバーつうしん」をちらりと。
毎週撮影・掲載している「恩田の森Now」に、ただいまは10月2日に撮影した写真を5点掲載いたしております。秋到来の森の様子をどうぞご覧ください。
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