江の島(その四・『江ノ島西浦写真館』)

 「ビブリア」シリーズの三上延氏の著書『江ノ島西浦写真館』。江の島に写真館なんてあるのかと思われる方は多かと思いますが、ちゃんとあるんです。まだカメラが高級品で庶民が持ち歩いたりすることが稀であった頃、写真は街の写真館で撮ってもらうものでした。遊山で出かけた名所でも写真を撮ってもらいたい人のために記念写真を撮ってくれる写真館があったのだそうです。風光明媚な海や山、神社仏閣をバックにしての記念写真を撮ってくれたのでしょうね。そんな写真館が勿論江の島にもありました。証拠写真を撮ってきました。


 もはや写真館としての営業はしていないように見えましたが、『片野寫眞舘』と云う看板がいまだに出ておりましたので、あるいはお願いすると撮ってもらえるのかも知れません。

 三上延氏はこの『片野寫眞舘』を見て構想し『江ノ島西浦写真館』を書かれたのでしょう。サンデー写真家&駄文書き(こちらは毎日ですが)は証拠写真を撮って来てそれをネタに実に安直な駄文を書くだけですが、小説家は題材をふくらませて物語を作る訳ですから大変な才能と云わざるをえませんね。

三上延著『江ノ島西浦写真館』光文社刊 
http://www.kobunsha.com/shelf/book/isbn/9784334910662 

 横浜の住宅地に残された里山の四季の移ろいを毎週撮影し掲載している「恩田の森Now」に、ただいまは6月26日に撮影の写真を4点掲載しております。二週続けて梅雨晴れ間の猛暑となった森の様子をご覧いただければ幸いです。
blog「恩田の森Now」 http://blog.goo.ne.jp/ondanomori

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