唐松林の中に小屋を建て、晴れた日には畑を耕し雨の日にはセロを弾いて暮したい、そんな郷秋<Gauche>の気ままな独り言。
郷秋<Gauche>の独り言
マツコの勘違い〜それは田園都市線の街じゃない!
田園都市線嫌いを公言して憚らないタレントのマツコ・デラックス(以下、マツコ)が今週火曜日の「マツコの知らない世界」(TBS)で、田園都市線沿線にも”好きな街が三つある"と発言したそうな。今週は見ていたけれど、この発言は番組の終わりの方だったようで郷秋<Gauche>はその部分を見ていないなかった。
その三つの”好きな街=嫌いじゃない街”は中央林間、長津田、溝の口らしいのだが、残念ながらその三つは、いずれも田園都市沿線の街ではないのだ!
考えてもみれば、ごくごくローカルネタではあるのですが、全国に放送されている番組でもありますので勘違いされる方がおられると困りますので申し上げておきます。中央林間は小田急線の、長津田はJR横浜線の、溝の口(より正しくはJR武蔵溝ノ口駅)はJR南武線の駅と街であって、田園都市線沿線の街ではございません!
マツコ、勘違いするなよ! そしてあの番組での発言をお聴きになられた皆様、くれぐれも勘違いをなさいませんように!!!
長津田と溝口(地名としてはこう書くのが正解)は、荏田(駅名は江田)と共に矢倉沢往還(大山街道)の宿場町ですから、田園都市線沿線のおしゃれな(と云われることが多い)街並みとは趣を異にしているのは確かで、マツコが自身の出身地である某県某市の田舎町に似ていることから親しみを感じている、あるいは田園都市線沿線の新しく清潔で緑が多くてハイセンスで住みやすい街に対する妬みや嫉妬から「田園都市線沿線にも”好きな街が三つある”」と公言しているものと思われます。
しかし、面白いのは好きな三つのうちの一つとして「中央林間」をあげている点です。中央林間は1929年の小田原急行江ノ島線開業時には「中央林間都市」と云う駅名でした。小田急の創業者である利光鶴松が、そこに新たな田園都市(神奈川の軽井沢とも)を作るべく東林間都市、南林間都市と共に設置した新しくおしゃれな駅と街でしたから、溝ノ口や長津田とは設置の経緯も雰囲気もまったく異なる駅であり、街であるのは当然なのです。ちなみに、1966年に長津田まで開業していた田園都市線が中央林間まで延伸完成したのは18年後の1984年でした。
ではなぜマツコは嫌いじゃない駅・街として中央林間、長津田、溝ノ口の三つをあげているのかと云うと、いくつかの大事なことがらを説明するとき、そのいくつかは「三つ」であることが重要で、この「三つ」が人に強く印象付けるからなのです(最近はこの論法に対する異論も出てきているようですが)。先の「三つ」に荏田(駅名は「江田」と表記)を入れると四つになり説得力が弱くなる。かと云って知名度の低い江田を入れた「三つ」ではインパクトに欠ける。そこで江田の代わりに中央林間を入れた「三つ」となったのでしょうね。
東急田園都市線は首都圏でももっとも遅くできた郊外に伸びる通勤線の一つですが、戦後の昭和30年代以降に新たな線路を引くには困難も多かったことと思いますが、その困難の一つは旧来からの街を経由していかなければならないこと。田園都市線の場合のそれが、二子、溝口、荏田、長津田であった訳です。
マツコが「田園都市線沿線にも嫌いじゃない駅・街がある」として溝ノ口と長津田をあげたのは単なる思い付きではなく、新しい鉄道、新しい街と思われがちな田園都市線沿線にも歴史ある街があるのだと云う意味では実に正しい知識、判断、主張である訳ですね。マツコ、恐るべし!
注:この記事は一昨日(9月20日)にFacebookに直接投稿した記事に加筆・修正したものです。
横浜の住宅地の中に残された小さな里山の四季移ろいを毎週撮影しているblog「恩田の森Now」に、ただいまは9月16日に撮影した写真を6点掲載しております。厳しい残暑が続く中ですが、稲刈りが始まった森の様子をご覧いただけたら嬉しいです。
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