日産は自力再建?



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 日産自動車の内田誠社長がホンダの三部敏宏社長に統合協議打ち切りの意向伝えた、との報道。(朝日新聞2/6(木) 11:12配信)

 昨日時点では?マークがついていたホンダと日産の経営統合は破談となった。しかし、 経営統合が破談になったとは云え、昨年の夏に発表されていた技術分野における提携(あるいは協力)までもが終了ということではないのかも知れない。

 電動化・自動運転・5G応用・シェアリングを中心とした新技術(メルセデス・ベンツが提唱した「CASE」)ではホンダ、日産共それぞれに得意な分野があり、開発の経費と期間削減のためには相互に利用したい技術・分野はあるに違いなく、経営統合はできずとも技術分野における提携(あるいは協力)は継続したいというのが双方の本音ではないだろうか。

 問題は業績不信著しい日産の経営立て直しだが、最大の問題は取締役兼代表執行役社長兼CEOである内田誠氏のリーダーシップとガバナンスの欠如だろう。ホンダが示した期間までに十分な改善計画を打ち出せなかったあたりにその悪弊が見えて来る。トップだけでなく、プライドだけで凝り固まった経営陣を一掃しなければ日産の再建はなし得ない、とは云い過ぎだろうか。

 ホンダ以外に日産に救いの手を差し伸べてくれる企業があるのかと云えば、既存の自動車業界にはないように思える。となれば自力更生しか道はないわけだが、例えば日産のメインバンクであるみずほ銀行がどこまで肩入れをするのか、安全保障上のリスクが懸念されるホンハイ(鴻海精密工業)の傘下入りについては、おそらく大きな関心を寄せているであろう政府、経産省がどこまで関与してくるのかにかかってくるのではないだろうか。それでも再建できなければホンダが提示した、日産のホンダ子会社化案が再浮上する可能性もあるが、その時の日産にはホンダの提案を拒絶する力はもはや残ってはいないだろう。

 一方のホンダはと云えば、その先行きがけっして明るい訳わけではないのは事実である。ではホンダはどうするのか。技術分野においては先に記したように日産との協力関係を続けるとともに、タイやインドネシア等の東南アジア諸国連合(ASEAN)地域をはじめとする新興国での販売に強みを持つ三菱自動車と経営統合し、販売強化を進めるのは一つの道ではないだろうか。

 三菱自動車は、ホンダ・日産の経営統合が浮上した折にも、これには直ぐに合流しないスタンスを取ってきた。三菱自動車にとっての日産自動車は発行済み株式の27%(注)を保有する筆頭株主であるが、日産の子会社化を検討するに至ったホンダにとっては、三菱自動車を日産から引き剥がし子会社化(経営統合)することはそれほど難しいことではないのではないか。何故なら、ホンダと三菱自動車のメインバンクがともに三菱UFJ銀行であるから。
注:初出時に34%と記したが2024年11月に株式の一部を売却し27%となったことが判明。よってそのように訂正した。

 日産の経営不振の状況を見た三菱グループ、つまり三菱UFJ銀行と三菱商事は当初より三菱自動車が日産にぶら下がったままの形でホンダと経営統合するのではなく、ホンダとは三菱自動車単体での統合が望ましいと考えていたのではないのだろうか。そう考えればホンダと日産の経営統合協議が始まった時点で三菱自動車がそれに合流する態度を表明していなかったことにも頷ける。つまり三菱グループは、三菱自動車にとっての最良のパートナーは日産ではなくホンダであると考えていたのではないかというのが郷秋<Gauche>の見立てである。

 と云う訳で今日の一枚は、三菱ランサー(1973年)。ホンダと日産の話に、何故三菱ランサーかと訝しんだ方も多かったのではないかと思いますが、既にお読みいただいたような事情でランサーGSRの登場と相成った次第です。
画像はhttps://www.mitsubishi-motors.com/jp/company/history/car/ より。全長3960mm*全幅1525mm*全高1360mm。昔のクルマは、こんなに小さかったのです。

【郷秋<Gauche>が書いたホンダ・日産経営統合関連記事】
★日産は自力再建?(2025/02/06)本記事
https://blog.goo.ne.jp/gauche7/e/752209c1e5a243b9fb1eb36dc4431584
★ホンダと日産の経営統合は破談?(2025/02/05)
https://blog.goo.ne.jp/gauche7/e/3971f41bb5c5392feef98636b68e5aa9
★どうなる、日産(2024/12/20)
https://blog.goo.ne.jp/gauche7/e/d576c45394e395f0c1ac588d16a0ec6b
★一人負け 背水の日産(2024/12/15)
https://blog.goo.ne.jp/gauche7/e/b3d2d245d55758c8d309d6477d151b8c
★頑張れ日産!(2024/11/22)
https://blog.goo.ne.jp/gauche7/e/86d619b87afb5c31f7ecde80fd39a982

横浜市青葉区の住宅地の中に残された小さな里山の四季の移ろいを毎週撮影・掲載しているblog「恩田の森Now」に、ただいまは2月1日に撮影した写真を4点掲載いたしております。厳冬期なのかはたまた浅春なのか判断に迷う二月朔日の森の様子をご覧いただけましたら大変嬉しく思います。
https://blog.goo.ne.jp/ondanomori/e/27bc81b7b5b4823e93112c8e791f4e71

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