空蝉

 空蝉とは、蝉の抜け殻のことであり同時にこの世に生きている人間、そしてその人間の世界のこと。蝉の抜け殻と現世に生きている人間もしくはその世界とは本来何の関係もないはずなのだが、この哀しくも美しい抜け殻を見ているとこの世に生きる人間、そしてその世界までもが儚くそして哀しいものに思えてきて仕方がない。あたかもこのコロナ禍を引き起こしたのが人間であり、その人間が大いなる力により罰せられ生ける実態のない抜け殻そのものにされてしまった、あるいはその抜け殻の中に閉じこめられしまったかのような錯覚を起こすのである。しかし一方ではそれは決して好ましからぬことではなく、蝉の抜け殻になることが、あるいはその抜け殻の中に閉じ込められてしまうことがむしろ自らが望む好ましいことでもあるかのような錯覚に陥るのもまた事実である。空蝉を見ているとそんな取り留めもない堂々巡りが始まり、果たしていつどうやってこの堂々巡りを止めることができるか思案に余る夏の夜である。

 横浜の住宅地に残された里山の四季の移ろいを毎週撮影しているblog「恩田の森Now」。ただいまは8月15日に撮影した写真を5点掲載いたしております。酷暑に見舞われた森の様子をご覧いだけたら嬉しいです。
https://blog.goo.ne.jp/ondanomori

To the author of this page: gaucheadgc(at sign)gmail(dot)com
Type "ijnuG ihsoyiK" adversely, and find me on Facebook.

#空蝉 #堂々巡り #空蝉を見て思うこと

コメント ( 0 ) | Trackback (  )
« 楽器屋さんの... 古典とは »
 
コメント
 
コメントはありません。
コメントを投稿する
 
名前
タイトル
URL
コメント
コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

数字4桁を入力し、投稿ボタンを押してください。