今日は、久しぶりに映画を見に行った。先週末に映画館に足を運んだものの、上映時間の都合により、時間が合わなかったので、今日行くことにした。タイトルは「俺は、君のためにこそ死ににいく」。東京都 石原都知事が製作総指揮を務めた話題作である。
映画館入場して辺りを見渡してみるとと、年配のご婦人数人、初老の男女、中年の男性、まだ10代と思しき男性二人連れ×2、若い女性の二人連れ、何故か(失礼ですが)若いカップル。それらの人(若い人だけ)がポップコーンやコーラを買って入場。上映時間中にボリボリ貪る音が嫌いな自分としては、上映時間中は食べないで!と祈る気持ちだった。(結果から言えば、全く気にしなくてもよかった)
上映が始まり、石原慎太郎氏の言葉が表示され、陸軍恒例(?)紅白棒倒しが始まった辺りで既に涙腺が危ない。さらにタイトル後の軍の行進で、第一時決壊。いかなる早撃ちガンマンより早い...かもしれない。
特攻隊が組織され、特攻すると決まったその前夜、寝床で義母に遺書を書く18歳の青年姿に、またもや第二防波堤は破られた。そしてこの文章を書いたのが18歳という年齢であることに深く感動した。そして、富屋食堂を切盛りする鳥濱トメさん(岸恵子さん)と特攻隊の河合軍曹(中村友也さん)のやり取りで、第三、四・・・自分の顔面総崩れ。特攻隊が出撃する際の女子挺身隊と見送りの方々の旗振り、弟の走る姿に感動。(もう堤防がどうとか、五、六時とかどうでも良くなってきている。)隼が連隊を組んで、大空を羽ばたいて行く姿に。敵の数、弾幕の数に圧倒されながら、特攻する姿に。
戦後のシーンは蛇足かなあっと思って見ていたが、終焉間際の部分は自分的に良かったと思う。(見ていない人もいると思うのであえて、シーンは書きません)エンドロールが始まり、B'zの「永遠の翼」が流れ、海を滑走する場面の中に、当時の写真がいくつも流れていく。トメさんと特攻隊員、特攻隊員と女子挺身隊の写真にまた涙腺が...。(B'zの歌が合わないという人も居られると思いますが、自分は今から一週間前にCDを買って、ループさせてましたので、気になりませんでした)
エンドロールが始まって、直ぐに席を立つ人もちらほら(見た感じ5人くらい)。もしかしたら、そっと影に隠れて、涙を拭きたかったのかもしれません。
この映画は、富屋食堂を切盛りする鳥濱トメさん(岸恵子さん)の小さなエピソードの積み重ねによって構成されている。自分が見た限り、ほぼ脚色はされてはいなかったように見受けられます。ただ、各エピソードはとても良かったのですが、あまりにも多く詰め込み過ぎて、いささか観客側にストーリーが入ってこなかったのが残念かな。良い映画とか楽しい映画ではなく、日本人が忘れかけていた何かを見つけるのに適した再現映画だったと思います。特に自殺願望がある方には、今一度、自分の存在とは、自分の命とは、と再考させられる映画ではないかと思いました。時間も気になりませんでした。
また、感動したと書きましたが、実際には哀悼、尊敬、敬意に対しての涙なんですよ。もちろん特攻という大西中将曰く「統率の外道」を美化するつもりは毛頭ありません。でも、こうして亡くなられた方々が居られて、始めてその後の歴史が生まれるわけです。我々、日本人が今もこうして平和で、ご飯を食べるに困らず、インフラの整備が万全(一部の地域除く)で、衣食住で困ることはほとんどないことに感謝の念を抱(いだ)く次第です。