鳥取県倉吉市の「ひなビタ」イベントキャラクターパネル探しが思った以上に難航したため、二回行っても全てのパネルを発見出来ませんでした。そこでGW期間の後に三度目の探索をやろうと決めましたが、その前に、鳥取市に住んでいた時期に色々お世話になったK氏に電話をかけました。
驚くべきことに、私がまだ何も話さないうちに、向こうから「伯耆守か?」と訊いてきました。
「因幡守、なんで分かった?」
「簡単や。この番号を知ってるのは、今ではお前だけやからね」
「えっ・・・」
「久し振りやね。毎年の年賀状は頂いておったが、電話は五、六年ぶりかね」
「そうやなあ、最後に電話したんは、奈良市におった時やからな・・・、そうや、平城遷都1300年の式典に行こうって話やったか」
「そうそう。電話はそれ以来やがね、でもお前のブログは毎日読んでるから、そんなに距離感は無かったね。いつのまにか、また倉吉に行きだしてるから、いずれは連絡くれると思ってたね」
「ちょっと遅れて済まない」
「いや、こっちも4月に引っ越したばかりなんでバタバタしてたの。最近ようやっと落ち着いたね」
「どこに引っ越したの?」
「湯梨浜」
「湯梨浜・・・?」
「ああそうか、お前は知らなかったね。平成16年の市町村合併で東郷と羽合と泊を合わせて出来たんや」
「そういえば、先週に倉吉に行った時に湯梨浜学園ってペイントされたスクールバスを見た」
「ああ、湯梨浜学園なら近くだね」
「昔の行政区でいうとどの辺なのか?」
「東郷だ。山陰線の駅で言うと松崎」
「ああ、やっと分かってきた。東郷湖の南西やな、北へちょっと行くと倭文神社か」
「そうそう」
「ええとこに引っ越したね。一度遊びに行きたいなあ」
「来いよ来いよ、ただし今月いっぱいは用事がつまってるからちょっとね・・・、倉吉で会うのもええがね、来月ぐらいからならいけるよ」
「そうか、じゃあ、6月になったらまた電話する」
「分かった。で、また倉吉に行くのかね?」
「ブログに書いてるとおり、ひなビタのパネルを全部見つけてないんでね」
「そのようやね。しかし何だな、昔とはえらく違った趣味に没頭してるんやね」
そう言ってK氏が笑ったのも無理はありませんでした。20年余り前に鳥取市に居た頃の私は、在野の歴史考古学の学徒としてひたすら研究三昧の日々を送り、K氏と共に「因伯古代寺院研究会」という研究サークルに参加し、専門の仏教美術史学を基盤にしての地方古代仏教文化へのアプローチを情熱的に行なっていたからです。論文も幾つか書きましたし、一部は研究雑誌などに掲載していました。
それが、現在はガルパンのファンであり、ガルパン戦車プラモデルの製作を好み、倉吉では「ひなビタ」関連に興味を示しているわけです。えらい変わりようや、と呆れられても仕方がないところです。自分でも、苦笑せざるを得ません。
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ともあれ、K氏との再会は後日に期し、5月8日に倉吉に行きました。三度目なので、今度こそは残りのパネルを全て見つけなければ、という気持ちでした。
ガルパンの大洗でも、全てのキャラクターパネルを見たのは三度目の訪問時でした。が、大洗のほうではパネルの数や位置情報が事前に分かっていましたし、パネルの移動や変更がありませんでしたから、見つけるのに苦労はありませんでした。
しかし、ここ倉吉では、パネルの総数さえも分からないのです。30枚未満であろう、との推測しかありませんし、位置情報はまったく示されていませんでした。
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それでいつものように観光駐車場から街並みに進んで本町通りの交差点に着きました。足を止めて上図の春日咲子のパネルをしばらく見ていました。どこから始めてどのように探したものか、と思案しましたが、これといって良い案も浮かびませんでした。
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あるお店のウインドーに貼ってある、ひなビタ公式のちくわメニュー案内です。ひなビタの倉野川市民は同時に「ちくわ軍」でもありますので、倉吉に行ったら必ずどこかでちくわメニューを食べるわけです。
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そういえば、朝から何も食べて無かったな、と気付きました。朝6時に家を出て、ずっと車で走り続けて倉吉に入ったばかりだったからです。
よし、まずは朝食を食べよう、と思い、朝食がいただけるお店の一つを目指しました。
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この「あじくらや」が、打吹玉川地区の街並みにおいて朝食がいただけるお店の一つです。一般の観光ガイド類では、ラーメン店として紹介されていることが多いので、朝食メニューがあることは余り知られていないようです。
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席からは、連子窓越しに街並みの景色が楽しめます。店舗の建物も古いものを改装しているようですが、外観も内装も古建築の風味を保ったままなので、自然と心が落ち着きます。
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店内を見回した途端、目にとびこんできたのが「りんりん先生」こと霜月凛のパネルでした。しかも演奏姿です。これにはびっくりしてしまいました。
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それで写真を撮っていると、店の若主人が笑いながら「本当は外に出して皆さんに気軽に見ていただきたいんですけどねえ、ちょっと事情がございましてね・・・」と話しかけてきました。
「ああ、分かりますよ。重伝建のあれでしょう」
「あっ、御存知でしたか。そうなんですよ、町並み景観の維持ってやつでしてね」
「今まで色々パネル見てきてますけど、みんな店のウインドー内とかにセットされてますもんね。外に立てて出したらアカンのやろな、というのは大体察しがつきますんでね、でもこういう形で店内の奥にあったりすると、外からは全然見えないですね」
「それなんですがね、本当に申し訳ないんですがね、ここしか置ける場所が無いわけでして」
「分かります。見つけた時はびっくりしましたが。・・・もしかして、他にもこのように奥に置いたりしている店がありそうですね」
「ああ、それはありますよ。ウチの他に二軒ぐらいあると聞いてます。外から見えないので、中に入っていかないと分からないのがね」
そういうことか、と納得しました。今まで見つけられなかったパネルは、おそらく設置店舗の内部の奥に置いてあって、その店で食べるか買い物するかしないと、パネルの位置も分からない仕組みなのかもしれない、と気付きました。これは重要なヒントだ、と思いました。
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霜月凛は、日向美ビタースイーツではボーカルおよびギターを担当しています。その愛用ギターは御覧のとおり「Fender Jazzmaster」です。1958年発表モデルならばでの渋い黒檀カラーが「りんりん先生」の黒のイメージにマッチしています。
いずれにせよ、ようやく未発見のパネルの一枚を見つけました。これは朝から幸先がいいぞ、と思いました。重要なヒントもいただけたし、頑張れば更に見つかるかもしれない、と心が躍りました。
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今回いただいた朝食は、この「チャーシュー目玉焼き定食」です。お値段は550円なり。
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朝から肉と卵を食べれば、元気も出てまいります。これにチーズを加えれば、話題のMEC食に近いメニューになりますね。
「あじくらや」の案内情報はこちら。 (続く)
驚くべきことに、私がまだ何も話さないうちに、向こうから「伯耆守か?」と訊いてきました。
「因幡守、なんで分かった?」
「簡単や。この番号を知ってるのは、今ではお前だけやからね」
「えっ・・・」
「久し振りやね。毎年の年賀状は頂いておったが、電話は五、六年ぶりかね」
「そうやなあ、最後に電話したんは、奈良市におった時やからな・・・、そうや、平城遷都1300年の式典に行こうって話やったか」
「そうそう。電話はそれ以来やがね、でもお前のブログは毎日読んでるから、そんなに距離感は無かったね。いつのまにか、また倉吉に行きだしてるから、いずれは連絡くれると思ってたね」
「ちょっと遅れて済まない」
「いや、こっちも4月に引っ越したばかりなんでバタバタしてたの。最近ようやっと落ち着いたね」
「どこに引っ越したの?」
「湯梨浜」
「湯梨浜・・・?」
「ああそうか、お前は知らなかったね。平成16年の市町村合併で東郷と羽合と泊を合わせて出来たんや」
「そういえば、先週に倉吉に行った時に湯梨浜学園ってペイントされたスクールバスを見た」
「ああ、湯梨浜学園なら近くだね」
「昔の行政区でいうとどの辺なのか?」
「東郷だ。山陰線の駅で言うと松崎」
「ああ、やっと分かってきた。東郷湖の南西やな、北へちょっと行くと倭文神社か」
「そうそう」
「ええとこに引っ越したね。一度遊びに行きたいなあ」
「来いよ来いよ、ただし今月いっぱいは用事がつまってるからちょっとね・・・、倉吉で会うのもええがね、来月ぐらいからならいけるよ」
「そうか、じゃあ、6月になったらまた電話する」
「分かった。で、また倉吉に行くのかね?」
「ブログに書いてるとおり、ひなビタのパネルを全部見つけてないんでね」
「そのようやね。しかし何だな、昔とはえらく違った趣味に没頭してるんやね」
そう言ってK氏が笑ったのも無理はありませんでした。20年余り前に鳥取市に居た頃の私は、在野の歴史考古学の学徒としてひたすら研究三昧の日々を送り、K氏と共に「因伯古代寺院研究会」という研究サークルに参加し、専門の仏教美術史学を基盤にしての地方古代仏教文化へのアプローチを情熱的に行なっていたからです。論文も幾つか書きましたし、一部は研究雑誌などに掲載していました。
それが、現在はガルパンのファンであり、ガルパン戦車プラモデルの製作を好み、倉吉では「ひなビタ」関連に興味を示しているわけです。えらい変わりようや、と呆れられても仕方がないところです。自分でも、苦笑せざるを得ません。
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ともあれ、K氏との再会は後日に期し、5月8日に倉吉に行きました。三度目なので、今度こそは残りのパネルを全て見つけなければ、という気持ちでした。
ガルパンの大洗でも、全てのキャラクターパネルを見たのは三度目の訪問時でした。が、大洗のほうではパネルの数や位置情報が事前に分かっていましたし、パネルの移動や変更がありませんでしたから、見つけるのに苦労はありませんでした。
しかし、ここ倉吉では、パネルの総数さえも分からないのです。30枚未満であろう、との推測しかありませんし、位置情報はまったく示されていませんでした。
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それでいつものように観光駐車場から街並みに進んで本町通りの交差点に着きました。足を止めて上図の春日咲子のパネルをしばらく見ていました。どこから始めてどのように探したものか、と思案しましたが、これといって良い案も浮かびませんでした。
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あるお店のウインドーに貼ってある、ひなビタ公式のちくわメニュー案内です。ひなビタの倉野川市民は同時に「ちくわ軍」でもありますので、倉吉に行ったら必ずどこかでちくわメニューを食べるわけです。
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そういえば、朝から何も食べて無かったな、と気付きました。朝6時に家を出て、ずっと車で走り続けて倉吉に入ったばかりだったからです。
よし、まずは朝食を食べよう、と思い、朝食がいただけるお店の一つを目指しました。
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この「あじくらや」が、打吹玉川地区の街並みにおいて朝食がいただけるお店の一つです。一般の観光ガイド類では、ラーメン店として紹介されていることが多いので、朝食メニューがあることは余り知られていないようです。
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席からは、連子窓越しに街並みの景色が楽しめます。店舗の建物も古いものを改装しているようですが、外観も内装も古建築の風味を保ったままなので、自然と心が落ち着きます。
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店内を見回した途端、目にとびこんできたのが「りんりん先生」こと霜月凛のパネルでした。しかも演奏姿です。これにはびっくりしてしまいました。
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それで写真を撮っていると、店の若主人が笑いながら「本当は外に出して皆さんに気軽に見ていただきたいんですけどねえ、ちょっと事情がございましてね・・・」と話しかけてきました。
「ああ、分かりますよ。重伝建のあれでしょう」
「あっ、御存知でしたか。そうなんですよ、町並み景観の維持ってやつでしてね」
「今まで色々パネル見てきてますけど、みんな店のウインドー内とかにセットされてますもんね。外に立てて出したらアカンのやろな、というのは大体察しがつきますんでね、でもこういう形で店内の奥にあったりすると、外からは全然見えないですね」
「それなんですがね、本当に申し訳ないんですがね、ここしか置ける場所が無いわけでして」
「分かります。見つけた時はびっくりしましたが。・・・もしかして、他にもこのように奥に置いたりしている店がありそうですね」
「ああ、それはありますよ。ウチの他に二軒ぐらいあると聞いてます。外から見えないので、中に入っていかないと分からないのがね」
そういうことか、と納得しました。今まで見つけられなかったパネルは、おそらく設置店舗の内部の奥に置いてあって、その店で食べるか買い物するかしないと、パネルの位置も分からない仕組みなのかもしれない、と気付きました。これは重要なヒントだ、と思いました。
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霜月凛は、日向美ビタースイーツではボーカルおよびギターを担当しています。その愛用ギターは御覧のとおり「Fender Jazzmaster」です。1958年発表モデルならばでの渋い黒檀カラーが「りんりん先生」の黒のイメージにマッチしています。
いずれにせよ、ようやく未発見のパネルの一枚を見つけました。これは朝から幸先がいいぞ、と思いました。重要なヒントもいただけたし、頑張れば更に見つかるかもしれない、と心が躍りました。
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今回いただいた朝食は、この「チャーシュー目玉焼き定食」です。お値段は550円なり。
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朝から肉と卵を食べれば、元気も出てまいります。これにチーズを加えれば、話題のMEC食に近いメニューになりますね。
「あじくらや」の案内情報はこちら。 (続く)