今日も長い題名で始まりました。
写真のような素敵なレストランで食事をする機会がありました。 段差を利用したり、自然素材の床や壁、照明も落ち着いたものです。写真は外につながるサッシ。3メートル近くある高さで、開放でき、風を感じることが出来るサッシです。
外の風景はチョッとした雑木林があり、そのはるか先には海がある場所です。
もうひとつ、チョット前に行った素敵なバーの写真をお見せします。
これは奈良ホテルのバーです。
外にはサクラの木がいっぱいです。その先には池があります。こちらも大きなサッシです。外の風景が素敵ですね。
この二箇所の差にお気づきでしょうか?
この二箇所の写真を見ると、本当に考えさせられるのです。
目的を明確にして、選択して実行する。
このことは、設計者の大切な行為です。しかし同時に、設計者にとって怖い行為なのです。
2箇所とも、夜がメインの場所です。もしかしたら上の場合はよる半分、昼間半分かもしれません。
そして、2箇所とも外に向かって開けたつくりをしています。
奈良ホテルの場合、夜に外を見せるということに特化して、ガラス面に出来る限り視界の妨げになるものを消してあります。そして、外の照明を強くして中の照明を落としています。結果、外に浮いたような感じの幻想的な空間を作り出しています。
しかし窓を開けることが出来ません。 掃除も内側からと外側からでやらなきゃいけないから大変です。電気代もかかります。だから・・・・お酒一杯が高いです(というのは余分な情報ですね)
上の場合は、窓を開けるという機能を持たせたため、凄くごつい線が出てきてしまっています。また、外より中のほうが明るいので景色は見えません。見えるのは反射した自分たちの姿だけです。それじゃあ、この窓、開放することがあるか?というと、多分営業中は無いでしょう。あったとしても、春か秋のほんの一瞬でしょう。
両者とも設計者が、オーナーからの意向を聞き取り、そして周りの風景や条件を洗い出し設計したものです。そのとき、何に集中して何を捨てたかで同じようなお金を使ったとしても大きな差が生まれます。
設計は何かを拾えば、何かを捨てなくてはいけません。
中途半端に拾って中途半端に捨てると、一見両方の機能を満たしているようで無難なのですが、これは誰かに言われたときに言い逃れが出来る手段でしかありません。結果、何一つ得られないことになりかねません。
こんな事を書きながら、私が出来ているかというと・・・怖くて判断することから逃げ出しいてることもあります。(すみません)
これから家づくりをするあなたとしては、設計者と一緒に何かを捨てるという勇気を持ってほしいと思っています。
多分、捨てるまで、むちゃくちゃ悩むでしょう、そして捨てたために後悔することもあるでしょう しかし得ることも大きいと信じています。
といいながら、まずは机の上の要らない資料から捨てよっと。
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