まずはお知らせを。
4月14日 お引渡しをして2年になるお宅を特別に見学させていただきます。ぜひこのページを見てください。各務原の家ご紹介 各務原の家見学の案内
さて本題です。春から着工するお客様の土地で解体工事を始めました。
こんな感じで進めています。解体するときは少し切なくなります、よりよい家を建てるためなのですがそれでも腐ってボロボロになったわけではないものを壊すので、「ああ、なんか悪いことをしているのかな」という気分になります。
ですので、新しく建てる建物は上部で長持ち可変性があり性能もよい家を造らなきゃいけないと感じるのですね。
写真は天井裏の木組みです。凄いですよね、自然の丸太を手で加工してきちっと寸法を合わせてくる大工さんの技術。今の家ではなかなか見れなくなった収まりです。
私がまだ若い頃は家は手刻みが中心でした。土場と言われる広い倉庫の中で大工さんが材料をあっち向けたりこっち向けたりしながら墨を打ち、そして加工をしていました。加工された真四角な柱や梁の場合なら何となく解るのですが、この手の材料の場合は理屈は解ってもやっぱり現場でこの様にきちっとあうこと自体が神業のように感じていました。
屋根裏を見ても腐りはありません。瓦の収まりは、写真で見えている杉のザラ板の上に杉皮(木の皮です)を敷いてその上に土を乗せて瓦を固定しています。
瓦を落として上から見るとこんな感じです。
これでよく雨漏れをしないと思いますよね。
多分ですが、雨漏れは多少あると思います。瓦は重ねて葺いていますのでそのあいたから毛細現状が起こり内部に水がしみこんできていたはずです。
ただし、この収まりですのでしみ込んだ水は土に吸収されて自然と乾いていたでしょう。万が一、水が土を通り抜けて杉板まで行ったとしても風通しがよいスカスカの屋根裏のお陰で直ぐに乾いてしまったと思われます。
自然の素材は風通しさえよければ多少ぬれても大丈夫なのです。
結露もあまり気にしなくてもよかったでしょう。断熱が弱いということは外と中の温度差が少なく結露することが極端に少なかったと思います。たとえ結露したとしても部材の隅々まで風通しがよいので、サッと乾いたでしょう。
今の家は性能がよくなりました。ということは屋根裏等部材部分の風通しが悪くなり、さらには外と中の温度差も激しくなりました。
つまり雨漏れや結露等で腐るリスクは昔に比べてはるかに高くなっているのです。現代の建物は、木組みの職人技よりも水止めの職人技が大切なのです。