岐阜の住宅設計事務所の でいbyでい

岐阜の住宅屋 タマゴグミの日々の他愛もないことを綴ったブログです。

一ノ宮でやっと建前ができました

2021-07-15 | 日記

やっと天気が良くなり、1ケ月弱遅れの建前ができました。

大きな物件ではないですが、狭小地ですので通常のレッカー車が使えません。なんとホイストクレーンでの建前で2日間連続で晴れじゃないとできなかったのです。

建前の様子はこんな感じです。

警察の許可を得て、歩道に材料を置かせてもらっています。お隣のパン屋さんにもご迷惑をかけながらの施工です。

最初にこの土地を見て「本当にここで施工ができるのだろうか?」と正直悩みましたがやればなんとかなるようですね。

建前はこんな状況です。

長い部材も担いで移動させています。

材料は下呂の倉知製材さん、いつもながら素敵な杉やヒノキの材料で現場中に木の香りがします。

青空に浮かぶ登り梁。広角レンズを使ったのでちょっと伸びてしまいました。

 

これからが本番ですが、「えっ、街中にもこんな家が建てられるの?」と言っていただけるような素敵な家を造りたいと思います。


土地を選ぶということ 最近のことがらから考える

2021-07-07 | 日記

今日はちょっと真面目な話です。そして写真はありません。

 

最近土地がらみで大変な事故が続いています。一つは擁壁崩壊による家屋転落事故。もう一つは土石流です。特に土石流では命まで奪われてしまう大惨事になってしまいました。

私はその2つの事故を見ることで、タマゴグミが行っている土地選びのアドバイスをさらに強化し慎重にするべきと感じています。

 

では、あの事故ような事故の責任はだれがとるのでしょうか? 国? 県? 工事をしている人?

最近起こった事故ということではなく一般例として書きます。

 

まず、擁壁崩落事故の場合です。

もし近くで行っている工事が原因だとしたら工事者の責任が問われるでしょう。

しかし、隣地への影響を低減する方策がとられており振動等が通常工事で想定される範囲内であれば話は変わってきます。

その場合は所有者責任となってきます。要はその崩れた擁壁の持ち主の責任です。たとえ過失がなくてもです。

 

それでは、擁壁の安全性がなかったから崩れた場合は?

その場合は、造った人への責任となるでしょう。しかし、50年前に造られていてその時の法律ではその作り方でOKだったら、責任がないと判断される場合が多いですし、また持ち主による適切な管理されていなかった場合も責任を待逃れることになるでしょう。

それに、造った人の責任があると証明しなければいけないのは、持ち主です。大変な労力と費用が掛かると思います。

じゃあ、そんな土地や建物の仲介した不動産屋が悪いだろう。と思われるのですが、多分、重要事項説明書内に免責になるような内容は盛り込まれている場合が殆どです。

それならどうすればよかったんだ、ということになります。

結論から言うと、買わないことです。

このような怪しい擁壁の土地は、岐阜市や各務原市でちょくちょく見かけます。

そんな土地で何かあったら買った自分の責任になることを覚えておきましょう。

 

次に土石流です。

Googleで「岐阜市 土石流」と検索してみてください。

土石流は岐阜の山の中のものだけと思ったら大きな間違いです。

岐阜市も山がたくさんあります。数年前に岐阜市の北の方でお客様の土地を探していた時、「えっ?こんな街中がレッドゾーン?(土砂災害特別警戒区域)」とビックリしました。

レッドゾーンに家を建てようとすると、土石流や崖崩落に対して家を守る頑丈な擁壁を作る必要があります。ですからレッドーゾーンの土地取引はほとんどされません。

しかし、イエローゾーン(警戒区域)の場合は今のところ建築の制限はありません。市町村が避難経路等の整備をするにとどまっています。

年々雨量が増しています。イエローゾーンだから安心というわけには済まなくなってきました。

今回の事故も大きな被害は、特別警戒区域(レッドゾーン)を飛び越して建築制限のない警戒区域(イエローゾーン)で起きています。

山の近くの土地を買うときにはたとえ岐阜市内であろうと、土砂災害を予想する力が必要となってきています。

 

私は、お客様の土地選びの手伝いを積極的にしています。また、不動産免許も持っています。

しかし、正直なところお手伝いするのは非常に怖いです。それは、いろいろ知識があることでその土地のリスクが浮き彫りになるからです。

そして、今回のような事故を見ると「ああ、イエローゾーンでもこれなんだ。」とさらに恐ろしくなります。

今できることはさらに知識をつけて、正確な判断ができるようにすることかと思います。

 

 

 


地盤改良はあくまでも地盤改良なんです

2021-07-05 | 日記

瑞穂の家 今日から地盤改良工事に入りました。

エコジオ工法。砕石を杭状に詰め込んで地盤を固める方法です。通常の施工は家が乗る地盤面に均等(碁盤の目のように)に杭を設置していきます。

けど、構造計算をすると、どの地盤にどのくらいの力がかかるかが見えてきます。

そこで、この位置とこの位置に杭を打ってほしいと指示をします。すると本数と日程と費用が増えます。で、その費用は・・・大体弊社がもちます。

通常の碁盤の目状の改良は間違っているわけではありません。住宅の場合あくまでも地盤改良なのですから。

住宅の地盤改良の目的は、その地盤がべた基礎の場合20KN/㎡(1㎡に2トンの重さ)布基礎の場合30KN/㎡(1㎡に3トンの重さ)に耐える地盤を作ることです。

だから、誤解を恐れずに言うと地盤改良には上部構造は関係がないということなります。

 

杭工事をすると地震に強い家になる・・というのも言い過ぎです。それが証拠に地盤保証には地震で受ける被害については一切保証がありません。(一部液状化現象に対する保証がついています)

ちょっと矛盾を言うと、地盤改良をすると地震に対して強くなるのは確かです。

工法によって違うのですが、液状化しにくくなったり振動が小さくなったりはします。しかしこれは副産物です。

ですので、新築時には必ず地震保険には入ってほしいとお客様にはお願いしています。

 

なんか元も子もない話をしてしまいましたね。じゃあ地震に強い家はというと、基礎から上の設計で決まります。

20KN/㎡の支持力のある土の上で、こんな基礎、こんな木軸組の家を造れば地震に耐えられる家になる という考え方です。

ですので、地盤改良をしない物件とする物件で構造設計を変える 特に基礎を変えることはありません。

 

だけど、地盤改良をすると支持力が高くなるのは確かです。そこで、構造計算の結果この位置にたくさん力がかかると解っていると、ついつい口出しをしてしまいます。いつも文句を言わず私の指示を聞き入れてくれる地盤改良屋さんには感謝しています。

ちょっとややこしい内容でしたね。わからなかったらご質問ください。

 

一ノ宮の街中現場。材料を搬入しました  が、天候が・・・

現在養生をして空中で材料はお休み中です。なんとか、今月中ころまでにはと思って、天に祈っています。