今日も地震が九州地方で起きました。毎年行く日南地方が震源地だということで、やはり心配に思います。
タマゴグミではリフォームのご依頼を頂いたとき、構造計算ソフトに入れて耐震を確認するのですが、やはり昭和56年以前のものは1階が大体弱いです。また、直下率が悪く(2階の柱の下に1階の柱がある割合)何も考えずに耐震補強をすると大変なことになる物件もあるのが現実です。
私たち建築屋の最低限の仕事は地震が来てもつぶれない家を造ることです。ここ数年前から構造だけに特化して勉強する塾「構造塾」に参加して勉強をしています。
普段、家を設計するときは構造計算ソフトを用いて計算しています。ですから図面と条件さえ間違いなく入れれば、間違いの無い設計が出来ます。ただ、それでは構造の理屈が身につきません。理屈を理解すると初期のプランニング時から構造を意識して設計ができるようになります。
中部地方の建築屋さんがたくさん集まって勉強している様子です。講師は住宅構造の分野でのスター講師 佐藤実先生です。(といっても業界の方しかわからないですよね。まあ、住宅業界の櫻井君といった感じです)今回はべた基礎のみを3時間程度で学びました。
最近、基礎の主流になっているべた基礎。これ、案外計算がややこしい基礎なのです。
べた基礎は建物の重量を受ける面積が広いので、ちょっとやわらかい地面の上でも地盤改良をせずに家を建てることができます。具体的にいうと1メートル角に2トンの錘を載せても大丈夫な地盤のばあいべた基礎が採用できます。ちなみに布基礎(逆T字型の基礎)3トンに耐える地面じゃないと使えません。
家を建てると、自分の重さで家は沈みます。そのとき反力という力がかかります。その反力によってべた基礎がへの字に曲がるのです。それを防ぐために地中梁を適所に配置しなくてはいけないのです。 といわれても 解りにくいですよね。じゃあ
朝、お豆腐の味噌汁とかまぼこをメニューとして出すときにこんな実験をしてください。
お豆腐を切らずにそのまま まな板に載せます。お豆腐は地盤です。
その上に厚さ5ミリくらいに切ったかまぼこを乗せてください。かまぼこはべた基礎です。
そして、菜箸を両手に持ってかまぼこの端と端をぐっと押してください。この菜箸が、柱の代わりです。
どうですか渕がへこんでかまぼこがへの字になりましたよね。こんな現象が家にも起こるのです。
かまぼこをいったんめくって、割り箸をお豆腐とかまぼこの間に入れてください。そして先ほどのように菜箸で両端を押してみてください。
もうへの字にはなりませんよね。この割り箸の役割が地中梁です。
基礎をべた基礎にすることで、ちゃんと計算して設計しないと布基礎よりも危うい基礎になってしまうのです。
大人になっても日々勉強です。
家づくりに役立つブログやっています。 http://www.tamagogumi.com