けんぴと言う名のお菓子をお客様からいただいた。
けんぴは高知県の郷土菓子の和菓子。
干菓子って言ったらいいのか、砂糖でコーティングした小麦粉をこねたものを焼いたモノと言えばいいのか。
作り方や製法はよく知らないが、とにかく甘くて堅い菓子。
チョコレート以外の甘いお菓子は、酒には合わないと思ってるが、このケンピは何故か合う。
砂糖をどんだけ入れたんだってくらい甘いし、何考えてこんだけ堅くしたんだ?って程硬い。
酒を飲むときは甘いのを食べるより、塩辛い方が好きだが、このケンピは酒のつまみになるから好き。
サツマイモで作る芋けんぴもその一種らしいんだが、芋けんぴはお茶の方が合うな。
ビールにもウィスキーにも合わん。焼酎なら合うのかもしれないが。
けんぴって名前のルーツが知りたくて調べたら、これが又よくわからん。当て字だらけ。
硬く干したようなお菓子だから「堅干」とか、
紀貫之が食べてこれを食べてれば健康で太ってしまうと言ったから「健肥」とか。
なんか曖昧なんでもっと調べてみたら、どうも朝鮮文化と繋がってるみたい。
秀吉の朝鮮出兵後は高知(土佐)にもかなりの朝鮮人が来てたみたい。
で、その人達が食べる犬の皮みたいに硬いからあてた「犬皮」がどうも本来の名前みたいだ。
犬を食べるって言うと「残酷」とか「なんで」とかすぐ言われそうだけど、
それは鯨に対して阿呆な事言ってるシーシェパードとかと変らない。
日本だって昔は食べてたし、今も東南アジアでは普通に喰う。
このお菓子を犬の皮に似てるって名前をつけた時点で、当時の日本人が犬の皮の味や食感を知ってたって事だろうしね。
実際、犬は一度しか食べた事が無いが、味もよく覚えていない。
食べた後に「実はそれ犬です」って言われたんだけど、「ふーん、そうなんだ」って感じの味。
特に「こりゃ美味い」とか「お替わり」って言う程の味でもなかったし、
一口食べて「ナンじゃこりゃ?」とか「ゲロまず」って吐き出す事も無い普通の味。
「なんてモノを食わせてくれたんだ」って激怒するような愛犬家でもないしね。
ウサギや羊とかと変らないな。美味しくもないが不味くもない。
この時はイナゴみたいなバッタも食べさせてもらったが、これも一緒の感想。
まぁ蛇だって、鳩だって、コウモリだって食べる文化の国があればその国の人はそれを食べる。
それを自国の文化に当てはめて、残酷だの野蛮だの言ってもしょうがない。それこそバカだ。
日本だって馬も食べりゃイルカを食べるとこもあるし、イナゴや蜂を佃煮にしてるところだってある。
海外の人から見りゃ、海苔を喰い、タコや烏賊を生で食べる日本人は異様だろう?
話は大分それたが、高知県と言えば鰹。今は戻り鰹の最終シーズン。初雄よりも脂ののってるこちらの方が好きかな。
鰹と言えばたたき。軽くあぶって従来のポン酢や生姜とかニンニクと一緒に醤油や酢をかけまわしたもの。
あぶった後冷水でさまさずそのまま塩を振って食べる塩たたき。
色々バリエーションがあって飽きない。しかもどれも美味いから困る。どうやって食べようか毎回悩むもの。
不思議なものでカツオとサンマだけはワサビが合わない。生姜はどちらにも合う。
サンマには大根おろしは合うが鰹には合わない。鰹は辛子やマヨネーズも合う。
で、今回は辛子で食べようと思って買って帰ったんだが、いざ焼いて切った所でカラシが無いのに気づいた。
おでんのシーズンには常備されてるが、この時期辛子は無いのを忘れてた。
冷蔵庫にディジョンのマスタードを発見。ソーセージとの相性は抜群のマスタードだ。
これで食べてみる。
・・・・・。
合わなくはないがちょっと無理があったな。何を食べてるのかよくわからんってのが本音。
仕切りなおして冷凍してあったニンニクのスライスと生姜を小鉢に入れ、酢少々と薄口醤油を混ぜて、ぶっかけて喰う。
やはりこちらが定番で美味い。
ふと思う。
こんな塩分と刺激物を取りすぎの鰹のたたきと、ケンピみたいな甘いものを食べてて健康は大丈夫なのか。
高知県民恐るべし。