GOKIGENRADIO

バーボングラス片手のロックな毎日

スダチ 柑橘類最強はどれだ

2017-09-11 23:56:09 | FOOD&DRINK
一気に涼しくなって見上げりゃ秋の空。
ビールの季節も終わりだな。
となるとこれからは焼酎の季節だ。
ウィスキーとかジンとかウォッカは年がら年中飲んでるから季節感がないの。モヒートとかカンパリソーダとか、一部のカクテルには季節感感じるけどね。
焼酎だがお湯割りや御茶割にはまだ早い。ソーダで割ってチューハイにするかロックだな。

そして今はスダチの季節だ。
実は年がら年中スダチはあるが、露地物は8-10月だけなのだ。3-7月のはハウスもの、11-2月は冷蔵モノだ。
徳島がシェア98%を誇るこのスダチ。今は通販で箱買いできるのよ。さっそくお取り寄せだ。


となると、焼酎はスダチ割、スダチ酎(あれ?スダチハイか?)がいいね。

焼酎はクセのない甲類焼酎のほうがいいね。本格焼酎の独特の匂いとスダチは合わないしソーダも合わない。 TAKARAのモダンとかだと結構いいのよ。
本格焼酎では芋焼酎はダメ。スダチとは全く合わない。芋焼酎はやっぱりお湯割りとかお茶割がいい。
米焼酎はロックならなんとかだけど、あえてスダチを入れてロックにしてもしょうがない。もったいないな。
麦焼酎は壱岐のが好きなんだけど、香りと味が強すぎてスダチ割やチューハイには向かない。唯一合うのがいいちこ。さすが下町のナポレオン。しかもあえてここはアルコール20度のやつで。これが一番合うのよ。飲みやすいのよ。
大分だからかなぁ?海を挟んで愛媛と高知と隣同士だからかな。愛媛も高知も柑橘王国だからなぁ。

そして当然酒の肴もスダチに合わしたい。
スダチに合う食べ物といえば松茸。とはいうものの国産モノなんか高くて手が出ない。が、これを網で焼いたやつにスダチを搾って食うと、あぁ極楽。誰か食わしてくれないか?まぁそんな金持ちしか楽しめない食材はちょっと置いといて、スダチに合う食べ物といえばやっぱり秋刀魚だろう。サンマの焼きたてでジュージューいってるところにスダチをジュッと。
あぁもう極楽。あぁもう秋なんだなぁって思えるね。大根おろしと醤油をかけてもいいが、塩をしっかりまぶして焼いたやつが好きだ(塩分控えめ?減塩?しゃらくせぇ!)

鮎にもスダチは合う。というか焼魚にはほぼ全部スダチは合う。釜揚げしらすにも合う。ただし生魚の場合、刺身にスダチをかけると色が変わるから注意!(特にマグロにかけると危険)
そして松茸にも合うのだから、キノコ類は全て合うのだ。しいたけでもエリンギでもえのきでも舞茸でもシメジでも合う。
豆腐にも合う。湯豆腐でも冷奴でも合う。スダチをかける場合は生姜はあえて使わない。
鍋にも合う。ハモだろうがタラだろうがフグだろうがカワハギだろうが合う。つまり魚ときのこと豆腐を入れた鍋ならスダチは最強のパートナーだ。

鍋といえばポン酢が必要。
ポン酢は酸っぱくなければダメだ。最近酸っぱくないポン酢ってやつが売ってたりするが、辛くないカレー、塩辛くない梅干しと同じくブーイングだ。

実はこのポン酢にはスダチがあまり使われていない。スダチは小さいから量を使わないといけないからとかの理由らしい。


ポン酢に使われてる柑橘で次に多いのが、柚子(ユズ)。

柚子は高知が圧倒的なシェアを誇る。実生と呼ばれる種から育てた柚子は香りもいいし味もいい。でもさ、そこまで育つのにかなりの年月がかかるんだって。桃栗3年柿8年、このあと柚子の大馬鹿18年と続く。そんな苦労したものをお風呂に入れたりしていいのかといつも思う。

柚の仲間で日本原産のゆこうっていう柑橘もある。漢字で書くと柚柑(柚香)。徳島はスダチが圧倒的に有名だが、実はゆこうの出荷もシェア99%だ。長崎の一部地域のゆうこうとたまに間違えられてるが全く違うので気をつけて。
大分のゆず胡椒は柚子の皮と唐辛子の皮と塩で作る。大分では唐辛子を胡椒というらしい。この柚子胡椒、うどんにベストで合う。もちろんポン酢にも合う。

大分でポン酢の柑橘といえばカボスだな。

調べたら大分はカボスの年間出荷量5000tで圧倒的シェアを誇る。2位愛媛144tで3位宮崎17tだから、近隣3県でほとんど日本全国のカボスを作ってるってことだ。
大分の麦焼酎がスダチに合うのはこのせいか。ってことは麦焼酎はカボスにも合うのか。

あれ?カボスとスダチの旬は全く一緒だ。次はカボスを取り寄せるか。カボスの方がちょっと大きいから果汁が多いしなぁ。いやいや、やっぱり俺はスダチ派だ。

でも不思議ね。普通果物って甘い方が喜ばれるじゃない。
桃もさくらんぼもリンゴも梨も葡萄も。でも本来は全部酸っぱいのよね。品種改良重ねたおかげで今の甘いのができたわけだ。
炬燵のお供にでーんと居座ってる蜜柑(ミカン)だって、今は温州みかんと言う種のない甘いのが主流だけど、元々の蜜柑は紀州みかん。種があるちょっとすっぱいやつだ。(紀伊国屋文左衛門が嵐の中江戸に運んだミカンはこれ)未だに和歌山ではちょっと作ってる。

温州みかんは和歌山と愛媛が有名よね。
大阪の家には必ずタコ焼き機とモロゾフのプリンの空き瓶があるとか、京都人にとって前の戦争て応仁の乱のことだとか、各地に都市伝説みたいな地方ネタがあるが、愛媛は水道の蛇口をひねるとみかんジュースが出るという地方ネタを、わざわざ実現した。
和歌山の有田みかんはブランドだが、地元の人は誰も彼も「ありだみかん」と言う。「‘ありた’じゃなくて“ありだ”だったんですね」とお世話になった人に聞いたら「いやぁあれ訛ってるだけだぁ」って。どっちが正しいんだぁ〜!

柑橘は各地で作られてる。見事に地域によって棲み分けされてる。スダチ=徳島、ユズ=高知、カボス=大分以外にも
夏みかん=山口(ガードレールも一部黄色いぞ)
伊予柑=愛媛(愛媛の木は全て柑橘の木か?)
八朔(はっさく)=広島(皮が固いのよ)
日向夏=宮崎(これで作ったポン酢を宮崎で買ったが、甘いポン酢ってどうよ)

不知火(デコポン)=熊本(球磨焼酎はこれで割ればいいのか?)
文旦(ザボン)=鹿児島(でかい!ブンタンアメというお菓子は昔から全国で売られてる)
シークワーサー=沖縄(泡盛に合うよね)

柑橘は実を食べるためのものと、汁を使うものに分けられるなぁ。

レモンも一時期は外国産ばかりだったが最近広島が頑張ってる。
先ほど焼き魚にはスダチが合うと書いたが、フライの場合はレモンだ。アジフライにはレモンだろう。ソースをかけるか醤油かの議論はこの際置いとくがフライにはレモンだ。鳥の唐揚げにもレモンだ。みんなで食べる時に断りなくかけるやつが許せないという議論は置いといてほしいが、カキフライにもレモンだ。
でもさ、洋食には合うけど和食にはなんか合わないのよね。サンマにレモン?酸っぱさ一緒なんだから合うはずなんだけど、先入観かなぁ。
逆に紅茶にはレモン入れれるけど、ここにスダチやカボス浮かべたら「この人大丈夫?」って思われそうだ。なんでだ。
ちなみに広島レモンを使ったペッパーソースはピザに合うぞ。


同じくライムってやつもある。
バブル時にコロナビールが登場し、瓶の口にライムが付いてた。それを搾って瓶の中に落として飲むってのが流行った。

ジンライム、ジントニック、ギムレット、モスコーミュール、モヒート・・・ライムはカクテルベースには結構使われるのだが、料理にはあまり使われない。ピザにライム?タコスにライム?ケバブにライム?何に合うのだろう。

スダチのことについて書こうと思ったのだが、なんか思っ切り長くなってしまった。(毎度のことだが)
これ書いてる間に焼酎のスダチ割5杯。しかし全然酔わないぞ。スダチはやっぱり健康食品だな。
しかし、これだけ大量にスダチがあるのに、何で俺はちまちまと使ってるんだろう。必死に一滴残らず絞ってる。もっと豪快にぎゅっと絞って使えよ。
自分のセコさに嫌になるなぁ。
大物になれないはずだ。