ラジエーションハウス〜放射線科の診断レポート。
窪田正孝主演の放射線技師の話だ。
またもや流行りの漫画の実写化で、原作は横幕智裕・モリタイシの 『ラジエーションハウス』。
なんでタイトルの後にいちいち「〜放射線科の診断レポート」とかつけたのかよくわからん。流行りなの?「〜」つけるの。なんかつけて長たらしいタイトルにしたほうがかっこいいと思ってるのかどうかわからんが、前クールでは『トレース〜科捜研の男〜』とか『記憶捜査〜新宿東署事件ファイル〜』とかあったし、ちょっと前だと『DOCTORS〜最強の名医』『RESCUE〜特別高度救助隊』『Around40〜注文の多いオンナたち〜』とかね。今クールは他にも玉木宏主演の『スパイラル〜町工場の奇跡〜』や『神ちゅーんず〜鳴らせ!DTM女子〜』ってのもある。余計なものつけないでシンプルなタイトルでいいと思うんだけどなぁ。
話がいきなり脱線してしまったが、このラジエーションハウスはその名の通りレントゲンやMRI、CTなんかの放射線科(室)の話。
第1話を見終わっての感想は「なんだこりゃ?」。
いや、ほんとよくわからんのよ。憧れの幼馴染の女の子(本田翼)との再会に関するコメディ部はただスベってるだけだし、肝心の放射線検査のシーンは適当だし、病名や診断名もわからんまま、何を、何で、何がしたくてPCに打ち込んで、何を導こうとしてるのかもさっぱりわからん。
外科ドラマなら手術シーンが見せ場のように、こういう診断ものだったら検査シーンやチーム(放射線室)の人間が協力してってのが見せ場のはずなんだが、窪田君だけなんかちまちまやってるって感じ。
最近の医療ドラマによくある、ずば抜けた才能をもった医者が上司との確執や、上層部での教授とか院長の座を狙ってるゴタゴタとかに、我関せずって感じで理想の医療を極めて行くってドラマかなとも思ったのだが、そうでもないみたいだ。なんか海外で権威のある医者(博士)に認められたのを院長の和久井映見が見てスカウトしたことになってるが、いまいち凄さがわからん。
『ブラックペアン」のニノや『ドクタ−X』の米倉涼子のように「すごい!」とか「なんてスピードだ」とか「もうなんとかを切除した」とかって手術シーンがあるわけでもないからね。グッド・ドクターの山崎賢人みたいなサヴァン症候群とかみたいに膨大な知識を覚えられるとかでもないし。
なんかのドラマに似てるなぁっと思ったら、吉田羊主演の『メディカルチーム レディ・ダ・ヴィンチの診断』に似てるんだ。吉田羊はどんな手術も成功してきて「ゴッドハンド」と呼ばれる優秀な外科医だったが、娘の事故のPSTDで幻覚を見るようになりメスを置くが、総合病院の院長・高橋克典に誘われ、手術をしないことを条件に新設の解析診断部診断医として働くって内容。
この解析診断部のメンバーが、外科医(相武紗季)救命救急医(たんぽぽ白鳥)、病理医(滝沢沙織)、神経内科医(笛木優子)。検査結果や診断データをもとに、メンバーそれぞれが自分の専門分野を活かし治療方針などをディスカッションして導く。
でも、今回の窪田くんのドラマはそうでもない。なんか勝手に窪田くんが暴走してるだけなのです。
タイトルバックやエレベーターに乗る前にメンバーが集結するところ、そしてそれぞれが机に座って黙々と自分のこと(食事や化粧やスマホ)してるところなんかは、キムタク主演の『HERO』に似てる。でも、あのドラマはキムタクが勝手に行動して振り回される相棒が松たか子(&北川景子)なんだが、今回は広瀬アリス。ちょっと役不足。本田翼が外科医ってのもなぁ。吉高由里子の検事(正義のセ)と同じくらい違和感があるなぁ。上司の遠藤憲一を始め、浜野謙太、丸山智己、山口紗弥加などメンバーはいいんだけどね。
で、2話目(4月15日放送)はもう観るのやめようかなって思ってたんだけど、もう1話だけ見てみようって。今回ダメだったらもういいやって軽い気持ちで見たんだが、ありゃま、第2話は面白かったのよ。第一話とは比べ物にならないくらい面白かった。脚本家が変わったのか?ってくらい。
第1話でのしょうもないコメディはなくなり(犬のシーンであるにはあったがそれは伏線で、本田翼の過去につながることだった)、エレベーター集結もなかった。遠藤憲一の離婚届や息子の話と、患者のシングルマザー(中越典子)と息子の話を絡めてるストーリーも良かった。
これは次回も見なくっちゃって。
ちょっと大きな病院に行くと最初に医者に問診され、詳しく検査するからとレントゲンやMRI、CT、血を抜かれたり肺活量調べられたり、次はあそこ、次はここへと別の場所に行かされ、その都度待たされ、診察が終わる頃にはヘトヘトになって、それこそ病人になってしまうくらいだ。
でも、友人(前のマンションでの隣人)が以前言っていたのだが、個人病院なら先生が全部やって判断してってなるけど、やっぱり外科と内科は違うし、皮膚科、神経科、診療内科、泌尿器とか部位によってそれぞれ専門科(医)にみてもらったほうが絶対いいとのこと。小児科とか産婦人科、眼科や歯科なんかはもちろん別だものね。もちろん検査やレントゲンなんかもね。専門技師が撮る写真とは全然違うそうだ。(さらにうまい下手がある)
昔のレントゲンはフィルムで、現像に時間がかかっていたのだが、今はデジタルでスピーディ。(今回のドラマでもちょっと描かれてた)
カルテも電子カルテで医局員や医者、看護婦、技師がタブレットで共有してる時代。だからこそ分業制の方がいいのだそうだ。
でも、よほど大きな病院とか、よほど大きな手術じゃない限り検査結果やレントゲン写真やCT画像を見て会議(ディスカッション)したりするわけじゃないからね。大抵の小規模や中型の病院では、最終判断を下すのは担当の医者。その医者が(特に外科医に多いらしいが)が変なプライドにまみれてると、いくら進言しても無視されるそうだ。俺が腕を折った時の担当外科医がこのパターンだったな。当たり外れってラーメン屋とかならいいけど病院や医者はちょっとね。
下手すりゃ命にかかわるし。
医療ミスは薬剤投与とか手術のこととかがクローズアップされるけど、それ以前に診断ミスや判断ミスの方が多いだろう。俺の親も個人病院で診察を受けた時「食べ過ぎのせい」とか言われてたが、あまりにもおかしいので大学病院に行かせたら膵臓癌だった。レントゲンとかもその時撮ったのにわからなかったのかねぇ。俺も結核と誤診されたこともあったな。
最近は警察モノと病院モノのドラマが多い。
これってやっぱりやはり一般人(視聴者)が興味あるからかなぁ。
沢村一樹なんて『DOCTORS〜最強の名医』で外科医をやり、『未解決の女 警視庁文書捜査官』(波留/鈴木京香)『絶対零度』『刑事ゼロ』で刑事をやって、今回のクール『白衣の戦士』ではまた医者をやる。4月14日に放送したアガサ・クリスティの『予告殺人』でも警部役だし、4月28日には『未解決の女 警視庁文書捜査官』のスペシャルが放送されるがもちろんまた警視役だ。白衣と警察ばかりだな。
今回の主演の窪田正孝も『ST 警視庁科学特捜班/赤と白の捜査ファイル』(藤原竜也/岡田将生)では刑事、『THE LAST COP』(唐沢寿明)でも刑事、『アンナチュラル』では医大生(UDIラボのアルバイト)、で、今回の『ラジエーションハウス』では医師免許を持った放射線技師。
放射線技師をはじめ検査技師とか薬剤師とかもっとクローズアップしてほしいなぁ。どこかの医科大学が女性はハンデがあるからみたいなことを言って入試で落としてたらしいが、外科医はともかく各専門分野の医者は女性でも全然遜色ないから公平にしてほしいな。こういったある部署(科)をクローズアップしたドラマが増えると、女性も看護師や介護士だけでなく医療界に興味を持つ人が増えるんじゃないかな。
ちなみに一番高給取りで、立場的にも一目置かれるのは麻酔医らしいです。『ドクターX』で内田有紀が演じてたけど、どんな手術でも麻酔医によってスムーズさが違うらしい。手術しなければならない病気になった時は、麻酔医のいい人がいる病院を選ぼう。もちろん検査技師もね。
さぁ、第3話はどうなるのでしょうか。
見続けるか、見るのやめるかは次の第3話で決めることにしよう。