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バーボングラス片手のロックな毎日

白衣の戦士 コメディの難しさ

2019-04-22 14:30:00 | MUSIC/TV/MOVIE

いろいろ春ドラマが始まっていく中、脱落組が出てきた。

クール毎にとりあえず初回は見るようにして、面白ければ続けて観る。面白くなくても2話目から面白くなるかもと見たりする場合もある。まぁほとんど、初回がダメなドラマは2回目以降もやっぱり面白くないのだが。

その中で1話目の途中で「無理!」と思って見るのをやめてしまうドラマもある。映画館ならお金がもったいないから、よほどつまらない限り途中で見るのをやめることはないのだが、テレビドラマは途中で止められる。だってお金の代わりに「時間損した」ってなるから。

 

『白衣の戦士』

中条あやみと水川あさみのW主演ということで見たのだが、ダメだこれ。

 

中条あやみって役者なの?

これだけ下手な役者を久々に見たよ。驚くぐらい下手。これでなぜ主演なんだ?

 

中条あやみって全然知らないのだけど、モデル上がり?

バラエティやMCでも思うのだが、マルチに活動できるモデルは少ない。もともと演技の勉強をしていなかったモデルに、演技力なんてプロデューサーとかも求めてないのかもしれないけどさ、中条あやみ、ひどすぎるぞ。

いや、モデル出身者がダメって言ってるんじゃないよ。モデル出身でも、山田優や土屋アンナ、米倉涼子、松嶋菜々子などなどいるしね。「元モデルだったの?」ってレベルのモデル出身女優さんは多々いる。風間トオルとか阿部寛だって、俳優に転身した当初演技はひどかったが、今では認められてるしね。

 

コメディって難しいのよ。

アクションドラマとかなら、通常のセリフや演技が下手でもなんとかなる(真木よう子とかね)。恋愛ドラマなら美貌やスタイルで補える(男女平等何ちゃらとかに怒られそうだが、事実そうだもの)。でもコメディは無理だ。熟練の役者さんでもコメディはなかなか難しいと思う。逆に言えばうまい役者ほどコメディもうまいのだ。

ロバート・デ・ニーロ。アクションやバイオレンス、サスペンスだろうがヒューマンものや恋愛ものまで難なくこなすこの名優は、コメディやらしても傑作にしてしまう(『俺たちは天使じゃない』など)。

日本で言ったら香川照之とか堺雅人とかね。佐藤二朗、生瀬勝久、勝村政信みたいに、出てるだけでなんかおもしろい事やらかしてくれそうな雰囲気を醸し出してる人もいる。

 

ドラマで役者がコメディを演じるには何種類かあると思う。別に分ける必要も基準もないのだが、なんとなくこんな風に書くとちゃんと分析してるみたいなので書いてみる。

 

一つは真面目な顔をしてやるコメディだ。心の声だったりするとなおいい。容姿端麗なほどそのギャップで面白い。 

『偽装の夫婦』での天海祐希と沢村一樹、『TRICK』の仲間由紀恵と阿部寛、『カバチタレ』の常盤貴子と深津絵理などね。

 

一つは天然を活かしたコメディだ。本人は大真面目なんだがなんかずれてたりするところが面白い。

『富豪刑事』の深田恭子、『デート〜恋とはどんなものかしら〜』の杏、『義母と娘のブルース』の綾瀬はるかなどね。

 

一つはボケをツッこむコメディだ。主役のボケを拾いツッコミまくる相棒的存在。かなり大げさに突っ込んでも良い。

『東京DOGDS』で小栗旬の真顔ボケをツッコミまくる水嶋ヒロ、『THE LAST COP/ラストコップ』で唐沢寿明のボケにツッコミまくる窪田正孝、『時効警察』でオダギリジョーに振り回される麻生久美子とかね。

 

そして全体ボケまくりなコメディ。顔芸から変な声、体全体使って演じなければいけないためにかなり上級者向け。

『ホタルノヒカリ』の綾瀬はるか、『『のだめカンタービレ』の上野樹里などがそうだ。

 

たぶん今回の『白衣の戦士』での中条あやみはこれをしようとしてるのだろうけど、かなりムリがある。いや、それ以前にコメディとして成り立っていない。演技力以前にこけ方、見せ方、セリフの間、すべてダメ。(もちろん元ヤンキーにも見えない)

コメディを成り立たせるのは共演者なのだが、中条あやみは周りを置いてちゃう独りよがりの演技。

長澤まさみでさえ『コンフィデンスマンJP』では寒いコメディ演技だったが、共演者の東出昌大や小日向文世が見事なサポートをしてたので観れたよ。(小手伸也も良かったね)

 

水川あさみは上野樹里と『のだめカンタービレ』で共演(他にも『江』『ラストフレンズ』でも共演)してて、コメディ土台はある。『のだめ〜』は上野樹里の怪演もそうだが、瑛太、伊武雅刀、及川光博、小出恵介、竹中直人、向井理・・・どいつもこいつもボケまくるのを、玉木宏が拾いまくってツッコミしてたが、水川あさみもかなり拾ってた。

バカリズム原作の『かもしれない女優たち』でも見事なコメディアンヌだったし、さらに言えば、水川あさみは大阪出身、吉本新喜劇で育ち、ボケたら突っ込むのは当たり前の関西気質が染み付いてる。コケるのも体張ってやるくらいだ。先週の『今夜くらべてみました』でも実証(実践?)してた。

 

『白衣の戦士』共演者には、鈴木紗理奈もいる。確か中条あやみも大阪出身のはず(『今夜くらべてみました』で水川あさみが言ってた)。紗理奈を含め、大阪人が3人いてコメディが成立しないのは何故だ。いっその事大阪弁で演技させたらいいのかもしれない。それとも紗理奈の前で元ヤンキー役を演じるのはキツイか?

 

沢村一樹は『偽装の夫婦』(天海祐希)『働きマン』(菅野美穂)などコメディ作品多数だし、何と言っても『サラリーマンNEO』で「セクスィー部長」を演じたくらいのはじけっぷりだ。刑事役や医者役などいろんな役をしても、どこかユーモラスでコメディ要素が醸し出されてる。


安田顕についてはいうまでもないだろう。『問題のあるレストラン』でのゲイ役をはじめ、コメディな役・作品に多数出演。この人は大泉洋と同じく、バラエティでも笑いのとれる話ができるからね。

 

これだけ豪華ともいえる俳優が周りが揃っていて、なぜ面白くなくて途中で観るのをやめてしまうドラマになるかなぁ。逆に不思議。

俺が面白くないとか、ダメだぁって思っただけで、世間的には「おもしろいぜ!」とか「次週が楽しみだ」とか評判なのかな。第1話目の途中までで観るのやめたけど、そのあといきなり急展開で面白くなったとかね。まぁ、いいや、『ストロベリーナイト・サーガ』に続き、「もう観ません」の箱に入れたから。

 

中条あやみは、佐々木倫子さんの漫画『おたんこナース』をぜひ読んでみてほしい。