GOKIGENRADIO

バーボングラス片手のロックな毎日

また謎マナーが出てきた 今度はマスクマナー

2021-02-23 15:50:04 | Talk is Cheap

またわけのわからん謎マナーを言い出す奴が出てきた。

今度はマスクマナー。

 

『羽鳥慎一モーニングショー』において、ビジネスシーンにおけるマスクマナーとやらが紹介された。

これがまた笑ってしまう程アホな内容なのだ。

●薄いピンクのマスクは好印象でOK/濃いピンクのマスクは威圧感を与えるからNG

●黒マスクは白いYシャツには調和しないからNG/黒マスクに黒スーツがOK

●イラストや柄入りのマスクは相手に気を使わせるからNG/会社のロゴ入りマスクはOK

どこの誰が決めたルールかマナーかわからんが、大きなお世話である。

どうせどこかの怪しげな専門家とか、ビジネスマナー講師とかが言い出した持論だろう。※1 それかSNSで誰かがつぶやいてたのを拾ってきたとかだろう。そしてそいつは絶対現役の商社マンでもOLでもない奴だろう。そんな奴が勝手に作った謎マナーを、さもこれが“正解なのです”と堂々と公共電波で流すあたり、さすがテレビ朝日である。

今までも、ただの解説員でしかない玉川ってやつが医療機関の疲弊無視して執拗に「PCR検査がぁ」と言ってたり、青木教授を引っ張り出してきて頓珍漢なことをさも正しいように言わせたりして、日本国民を不安にさせてきた番組ならではだ。

 

さらには

●上司や取引先が変わったマスクをつけてる場合は、触れて欲しい(いじって欲しい)可能性があるので、話題にすると仕事が円滑に進む

なのだそうだ。

もうどこからどうツッコんでいいのかわからん。

 

マスクというものは「人にうつさない」「人からうつらない」為にするものである。

コロナ禍の今、外国人に比べ抵抗なくマスクをつけれる日本人。ほぼ今や全国民マスクと言っても過言でないくらい浸透してる。

それでも「俺はつけないぞ!」と抵抗したりする奴はいる。飛行機や新幹線でつけなかって注意されてキレて降ろされたり、餃子屋で入店時に注意されたのをキレて入店拒否され腹いせにネットでつぶやいたり、試験中に鼻がハミ出てるのを注意されても直さず警察呼ばれてトイレに閉じこもったりする奴はいる。

こいつらは根拠の無い「人にうつさない」自信があり、「人からうつらない」無敵の防御力と免疫力を兼ね備えてるんだろう。でもこんな奴は稀で、ほとんどの人がちゃんとマスクしてる。

 

マスクをしてればそれで問題無いじゃ無いかって思うのだが、それでも飽き足りないのか、つい最近には【マスク警察】や【ウレタンマスク狩り】が行われた。アホである。

マスクは「人にうつさない」為につけるものだから、ウレタンだろうが不織布だろうが布マスクだろうが、「喋らないよ」「咳をしないよ」ならどれでも問題は無い。「喋るよ」「咳出るよ」なら布やウレタンのマスクよりは不織布のマスクをして欲しいが、こちらがマスクをつけてればそれほど気にもならない。

「人からうつらない」為につけるものとして考えるなら防御率は不織布が圧倒的に高い。でもウレタンとか布マスクをつけてる人にわざわざ「不織布マスク着けろよ」などと言う気も無い。それこそいらんお節介である。

 

ましてやビジネスシーンにおけるマスクマナーなど全く大きなお世話である。

ピンクのマスクの濃淡で好印象になったり威圧感を与えたりってのを気にするくらいなら、シャツやブラウス、スーツや靴などの色に気を使ったほうがましだと思うのだがね。

黒マスクのコーディネートをあれこれ言う前に、Yシャツとネクタイのコーディネートを気にしたほうがいい。

 

俺は学生時代からマスクをしてて(当時は布マスクしかなかった。たまにバンダナとかで代用)、今は気管や肺を悪くしたから外出時はマスク絶対着用してる。

黒ずくめの格好でマスクにサングラス。だから新型コロナが流行するまでは、ツレから「どこの有名人のつもりやねん」ってツッコまれたり、コンビニとかには入って行くと店員にビクっとされてたし、職質もしょっちゅう受けてたが、日本全国民マスクの今は目立たなくなってちょっと嬉しい。

だが、黒ずくめの格好に黒マスクをするとかなり怪しさが増してしまうと自覚してる。だから白の不織布マスクにしてるのだ。

テレビでは「黒マスクには黒スーツがOK」と言ってたが、それ言う奴の気が知れん。裏社会の人間か、ライダース革ジャンのロックンローラーで音楽業界ってのならOKだが、多分普通の会社の普通のビジネスマンでそんなコーディネートしてると、ふざけてるん?とかそれはちょっとどうなの?って思われること間違いなしだ。飛び込みの営業には全く向かんと思うぞ。

 

もちろん迷彩柄や市松模様であろうが、鬼滅の刃のイラスト入りであろうが、好きなマスクをつければいいのだよ。それが入社試験やバイトの面接でなければ、あとは自己責任でどうぞ。

TPOに合わせてりゃ何でもOKだ。相手に気を使わせるからNGとか以前に、マスクをしてないほうがよっぽど相手は嫌がるし、気を使うんだからな。

 

最近はビジネスシーンにおける謎マナーや謎ルールがはびこってる。

「面接時のドアノックは3回がルール、2回はトイレノック時です」とか「ハンコは上司の方に傾けるように押印する」とか、挙句には上司に酒を注ぐ徳利の口がどうとか誰が言い出したのか出所不明の謎ルールやマナーもどきが出回ってる。

そのくせ正式なルールやマナーを上っ面で広めちゃうから、中途半端になっているものも多い。

最近ようやく「ジャケットの一番下のボタンは留めない」が浸透したが、これも形だけ真似するから「座った時には全部のボタンをはずす」とか「3ピーススーツの場合、ジャケットのボタンは留めない」とかのルールは知らない人が多い。

これは政界でも知らない人が多い(麻生さんはさすがだ)。海外の要人やセレブはほぼ知ってるからね。結構笑いモンにされているぞ。謎ルールに振り回されてる場合か。

 

作法とマナーとを勘違いしてはいけない。

作法はしきたりであり、その場におけるルールである。マナーというのは「相手に不快な思いをさせない」から生まれたものである。

茶室でお茶をよばれる時とか結婚式や葬式、式典でのドレスコードや振る舞いなどは作法である。作法を知らないと「育ちが悪いなぁ」とか「教養がないなぁ」と思われるだけだ。

ビジネスシーンにおいての名刺の受け渡しや挨拶の仕方、電話の取り次ぎなどはルール(作法)である。それをしなければ(知らなければ)恥をかくとか、「あそこは教育がなってないないなぁ」って思われることだ。

 

一方、マナーは「こういった時は、こうした方がいいと思うよ」くらいなものである。

「歩きながらとか子供がいる横ではタバコを吸わない」「歩道で横に広がって歩かない」「電車の中では大声でしゃべらない」とかだ。強制ではないが、人を不快にさせないように、人に迷惑かけんように、こうしようねってもんだ。

 

ルールや作法の中には【しきたり】という古来から伝承されてきたものが変化したものもある。

神社の参拝時の「二礼二拍手一礼」ってのは、今や作法のように思われているが、これは本来は神職が行う玉串奉奠(ほうてん)に伴う作法である(本当)。従って参拝客がするものではないのだが、今では初詣をはじめ参拝時に二礼二拍手一礼は作法のように思われされてる。

「鳥居を跨ぐとき」や「参道は神様の通り道」とかも、別に伊勢神宮をはじめとした神社が「これがルールです」と言ってるわけではない。別にそれで誰かが迷惑こうむる訳でもご利益が減る訳でもないので、好きにすればいいのだよ。手水の仕方や賽銭の金額や入れ方、拝み方なんてことよりも、お詣りするという思いの方が大事なのだよ。信じるものは救われるであるだ(宗教違いだが)。

こういった、知らない間に「こういうものだ」「だからこうしてはいけない」と律するルールになってしまったものも結構ある。

 

時代によってルールとかマナーが新しくできることはあるだろう。

昔は電子メールの返信は「RQ」(レスポンスクイックリー)が末尾についてない限り、気がついた時に読んで、気の向いた時に返信するものだった。それが今じゃLINEで「既読スルーけしからん」って時代だ。

新しくルールやマナーを作りことによって、秩序が保てるのならそれでいい。

でも、法律や政令など強制や罰則があるものではない。古来からの作法やしきたりはともかく、新しいルールやマナーなんてのは、不特定多数が納得しなければ浸透はしないもんだ。

 

5人以上での会食がダメとかルールにしようとするからいけないのだ。何人で行こうが「店に入って着席するまではマスクしてろ」「食うとき以外はマスクをしてろ」「料理が出たなら黙って食え」「食い終わったらマスクしてさっさと帰れ」と、どうしてもコロナ患者数を増やしたくなければすればいいのだ。

できるだけ「一人で食いに行け」でいいやん。孤独のグルメの井之頭五郎のように一人飯を楽しめるように店も工夫したり、行政もなんとかクーポン発行とかすりゃいいのに、それを推奨しないで、複数での飲食の変なルールを作ろうとするから浸透しないし守らないのだ。

ましてや食べる時にマスクの片耳の紐を掴んで外し、一口食べたらまた着けなおせという、マスクの内側がどうなるかお構いなしの、変な「食事時のマスクルール」を作ろうとするから浸透しないのだ。

 

「夜何時以降の接客を伴う酒類提供店の営業はダメ」という緊急事態宣言時の要請はともかく、大型チェーンから個人店まで何でもかんでも一律のルール決めをするから、店側からは「補償しろ」と不満が出て、客からは「ストレス発散ができない」とか言われるのだ。

飲み屋なら「店に入って着席するまではマスクしてろ」「飲むとき以外はマスクをしてろ」「主人や隣の客と喋らず黙って飲め」「飲み終わったらマスクしてさっさと帰れ」にすればいいのだ。

そもそもこんな時に飲みに行きたいのか?ってことだが、先日も大阪の新梅田食堂街の串カツ屋や立ち飲み屋の前を通ったが大盛況だった。店の前には複数のサラリーマングループが列をなして待機。このご時世に連れ立って飲みに行くこんな奴らに、マスクルールなど守れるわけがない。

そしてもう一つ肝心なこと、「酔っ払って乱心するな」である。ただでさえ酒が入ると大声で喋るしマスクなんの役にも立ってない状態になりやがる。酒を飲んでるのだから酔うのは当たり前だが、酔っ払いほど面倒くさいものはない。それこそ家で一人で飲んでてくれだ。

 

それでも「複数で行ってわいわい言いいながら飲んだり食べたりするのが楽しいんじゃないか」とか、此の期に及んでも危機感ゼロの奴は必ず出てくる。

それが会食マスクルールを推奨する側である国会議員や、行政の人間だったりするからお笑いだ。自分たちで守れないルールを作ってどうする。

とりあえず複数での飲食は、蟹以外の鍋は認めんにしてはどうだ。カニならさすがに黙って食うだろう。最後に雑炊にするかうどんにするかとかで揉めるかもしれないが。

 

謎のビジネスマスクマナー。

まぁ浸透しないだろう。

っていうか、炎上もんじゃないか?フザケンナって。

えっ?そういうことを軽々しく言わないのがルールだって?

知るか(怒)。

 

※1 このマスクマナーはビジネスインストラクターの鈴木真理子という人が考案したもので、あくまでも独自理論だそうだ。

今まで散々怪しげなマナー講師という人に出会ったが、その中でも「ラーメンの麺はレンゲに一度入れてから一口で食うのがマナー」とか「汁は全部飲み干さないのがマナー」とか平気で言う人に出会ったことがある。(なんと本まで出してた)

今時「パスタはスプーンを使いそこでくるくる丸めて一口で食うのがマナー」とイタリアでは子供しかしないことを本場のルールのように言う講師もいたなぁ。

国家試験資格じゃないもんなマナー講師とか、インストラクターとかって。

鈴木真理子という人はどういう人か知らないが、かなりやばい感覚の持ち主かもしれん。違ったらごめん。