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バーボングラス片手のロックな毎日

不良・ヤンキー漫画 1970年代

2018-11-21 01:25:36 | BOOK/COMICS
前回ヤンキー漫画の実写化について書いたが、今回は歴代のヤンキー漫画を羅列してみようかなと。

ヤンキーって言葉は俺らの頃はまだ新しくて、不良と呼ばれてた(と思う)。その後ツッパリね。これでさえ横浜銀蝿とかなめ猫が出てくるまではそれほどポピュラーじゃなかった気がする。

初期-1970年代
【タイトル】(作者/連載開始年〜雑誌名)

少年漫画雑誌での不良を題材にした漫画の初期は、謎のある転校生が学園に巣食う悪と戦ったり、裏には政治的な背景が絡んでたりって感じでスケールがでかかったのが多かったな。

【男一匹ガキ大将】(本宮ひろ志/1968〜少年ジャンプ)が不良漫画のルーツだと思う。他にもあるのかもしれないが俺は知らないので許してくれ。
山口県のただの悪たれ小僧(=ガキ大将)がいろんな地区の不良や番長と戦い、喧嘩によってどんどん子分が増え、そのうち全国制覇するのだが株取引までしたりする。今なら即炎上するであろうメッカチ(片目)だの、コジキ(浮浪者)だのという言葉がガンガン飛び交ってるのは時代だな。【硬派銀次郎】も面白かったな。



【愛と誠】(梶原一騎/ながやす巧/1973〜少年マガジン)は、金持ちの令嬢が通う高校に、昔スキー場で助けてくれた男が転校してきて、学園を仕切るスケバンや番長グループと戦い、最後は政治家も絡んで・・・って内容。分厚いハードカバー本に投げナイフを隠したり、ゴーゴーで踊ろうぜなんてセリフが時代を感じる。真面目な岩清水くんの「君のためになら死ねる」は漫画史上に残る名言。西城秀樹と早乙女愛で映画化もされた不巧の名作(妻夫木聡と武井咲版もある)。



【男組】(雁屋哲/池上遼一/1974〜少年サンデー)も、少年院から手錠をしたまま送り込まれた男が、財閥の息子が仕切る悪の高校に転校してきて戦う。政治家の思惑に翻弄されたり、途中では拳法まで絡んでくるもう何が何だかってスケールのでかさだ。1980年から連載された【男大空】と内容がかぶってる気がするのは俺だけかな。



【750ライダー】(石井いさみ/1975〜少年チャンピオン)は一応不良漫画なんだが、バイクを愛する主人公とその仲間の話。不良漫画のお約束となる品行方正な委員長(女子)や、学校サボって喫茶店で一服という定番路線を作った漫画。最初の頃こそ暴走族との抗争があったが、途中からはあだち充の漫画ようなほのぼの路線になってしまったのは残念。HONDA DREAM CB 750 Fourが毎回綺麗に描かれてて憧れた。



【暴力大将】(どおくまん/1975〜月刊少年チャンピオン)は不良というよりは愚連隊だな。戦前戦後の大阪の混沌とした街を舞台に暴れまくる。同時期に漫画アクションで連載されてた【嗚呼!!花の応援団】は大阪の大学応援団の漫画で、1980年から少年チャンピオンで連載された【熱笑!!花沢高校】は大阪の気弱な学生がどんどん大阪の不良と戦っていき大阪制覇する漫画だ。今でこそ訪日観光客で溢れてる天王寺や京橋だが、1970-80年頃はかなり危ない場所(一般人には無縁)だった。はるき悦巳の【じゃりン子チエ】と一緒に読むと当時のディープな大阪が感じられるよ。



【私立極道高校】(宮下あきら/1979〜少年ジャンプ)は、それまでの不良漫画を一新する「こんな学生いねぇよ(いるわけねぇよ)」ってくらいのスケール。学園を仕切る奴はいるが、定番とも言えるヒロイン、美しき品行方正な女性委員長は出てこないし(それどころか女性はほとんど出てこない)、学園の裏に潜む政治がらみの巨悪も存在しない。長ランを通り越して、地面に擦れるかくらいの洋ランを着た学生のほとんどは、卒業後99%がヤクザに就職する(生徒はもちろん極道の息子が多い)。そんな学園でケンカばかりする暑苦しい漫画だが面白かった。実在の学校の名前と校章を使ってしまったがために打ち切りになってしまったのは残念だが、1980年から連載された【激!!極虎一家】で【私立極道高校】の登場人物は復活。



カールのついた髪、大きな目に星がキラキラ輝くといったのが定番だった少女漫画。
実は少女漫画でも不良・ヤンキー漫画は早くからある。

【スケバン刑事】(和田慎二/1975〜花とゆめ)はスケバンのヒロインが学生刑事になり、学校に巣喰う悪徳教師等を倒すという奇想天外なストーリー。まぁ昔は今みたいにうるさくなかったので、なんでもありの設定だったな。実写ドラマ化され、斉藤由貴、南野陽子、浅香唯などでシリーズ化されたから有名だね。



【ハイティーン・ブギ】(牧野和子/1977〜プチコミック)は、リーゼントに革ジャン(実は財閥御曹司)の翔と両親がいない桃子のラブストーリー。ロック、バイク、同棲、未成年での妊娠といった当時の不良及びカップルが憧れたエッセンスが全部詰まった漫画。当時は男子にもこの漫画のファンが多かったな。1982年に近藤真彦主演で実写映画化されたが、公開前からの原作ファンの不安を見事に的中させたとても残念な内容。当時絶大なる人気を誇ったたのきんトリオのアイドル映画だった。この後しばらくジャニーズ系のアイドルが主演する映画はジャニーズファン以外には不評だった。



1970年代だけでも結構あるなぁ。
次回は1980年代について書こう。


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