一体どうしたことだ。
モンキーパンチさんに続き小池一夫さんまで亡くなられた。
令和を目の前にして、日本のサブカルチャーの礎を作られたレジェントたちが、ここ最近次々お亡くなりになられてる。合掌。
梶原一騎と共に、昭和の劇画ブームを作った原作者。(あと武論尊さんね)
小池一夫さんの作品は数多くあるけれど、『子連れ狼』が一番有名かな。
今の若い人はしらないだろうが、実はこれも今はやりの漫画の実写化ものだ。(原作:小池一夫:漫画:小島剛夕/2000年死去)仮面ライダーとかキカイダー、鉄人28号もそうだから、当時から漫画の実写化は多かったのね。
テレビでは萬屋錦之介が主演でやっていた。(確か高橋英樹版もあった。映画版は若山富三郎だったかな?)子供の名前は確か大五郎。今、シングルマザーの問題が取りざたされることがよくあるが、当時でも画期的なシングルファーザーの物語だ。
ボンカレーの宣伝でこれをパクって、笑福亭仁鶴が「三分間待つのだぞ」ってやってたのを今思い出した。それくらい当時は人気があったってことだな。
橋幸夫さんが歌った主題歌も有名ね。作詞は小池一夫。冒頭の「しとしとぴっちゃん」って歌詞はすごいセンスだ。雨の擬音で「シトシト」、雫が垂れるのを「ぴっちゃん」、さらにそれを合わせ技にするとは。見事なり。さらに言えばジャケットもかっこいいのだが、EPアダプターを付けなくていいように手裏剣をイメージした中央の穴部分もセンス冴えてます。
小池作品といえばエロスとバイオレンス。
池上遼一さんと組んだ『クライングフリーマン』は傑作。陶芸家なのになぜか殺し屋になって、人を殺すたびに涙を流す。百八竜というチャイニーズマフィアの長になって、全編女とやりまくる殺しまくるという無茶苦茶なクライム漫画。
他にも池上遼一さんとは『傷追い人』とか新撰組とユダヤの関係を描いた『赤い鳩(アピル)』とかいろいろあるんだけど、雁屋哲(美味しんぼの原作者)と組んだ『男組』や『男大空』とかとちょっとかぶってて、どっちがどっちだが混乱する。やたらとHなシーンが多いのが小池作品。
Hなシーンが多いといえば叶精作さんと組んだ『実験人形ダミーオスカー』とか『オークションハウス』だな。
どちらもやたらとエロいシーンが多い。しかもリアルな描写。ストーリーに脈略なく唐突に展開されるエロなシーン、それがまたかなり大胆だったりするのでたまらんのよ。
このエロスのオンパレードは、今なら「我こそは正義」と勘違いしたどこかのなんとか団体ってとこから、すぐクレームが入るのではないかね。そう考えるといい時代だったな。
小池作品のもう一つの醍醐味は、主人公が日本人でありながら世界を股にかけて活躍するってこと。
『実験人形ダミーオスカー』も『オークションハウス』も海外諸国が舞台だ。
井上紀良さんと組んだ『デュエット』では、インドの暗殺組織に育てられた主人公が財閥の女を守る。
『マッド★ブル34』ではマンハッタン・N.Y.市警を舞台に日系三世の主人公が黒人のパワーガイと組んで捜査する。毎回、白人のナイスバディ婦人警官が登場してきてエロス満載だ。
インターネットの普及で世界が近くなったせいか、逆に海外へ出る人、憧れる人が減った気がする。そのくせやたらと「何々について、日本は何番目です」なんてどうでもいいデータに振り回されたりする。
そんな今こそ、小池作品を是非読んでほしいなぁ。
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