徳丸無明のブログ

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ニッスイ おさかなのソーセージ

2024-12-13 23:51:53 | 
今日は魚の双子です。




ソーセージブームらしいですね。こちらは魚肉だけのソーセージと違って、オニオンエキスやらかつおエキスなんかが混ぜ込んであります。そのぶん味に奥行きがある。僕はスーパーで売ってるソーセージの中で一番好きです。基本料理はしないんで、弁当だけじゃ食べたりないときのもう一品として重宝してます。
ソーセージと言えば、村崎百郎さんが、唐沢俊一さんとの社会時評対談『社会派くんがゆく! 怒涛編』(アスペクト)の中で、2008年2月に発生した中国製毒入りギョーザ事件に触れ、こんなことを言ってたんですね。


こないだ藤原新也が東京メトロのフリーペーパーに連載してるエッセイで書いていたことなんだけど、藤原の友人が上海のホテルで出された魚肉ソーセージを飼い犬のエサ用に数本持ち帰ったら、犬はまったく食べなかったんだって。それを聞いた藤原はイヤな予感がして、その魚肉ソーセージをもらって帰って、試しに近所の野良猫にあげたら、ガリガリに痩せて腹を空かせた野良猫ですら見向きもせずにソーセージをまたいで逃げていっちまったんだって(笑)。ほとんど餓死しかけてるような野良猫でさえ拒絶反応を示すような食い物を、中国じゃホテルの朝食に平然と客に出してるわけだよ。んで、平和ボケしたおめでたい日本人ってのは、動物ならみんな持ってる“生死にかかわる野生のカン”がクソみたいに鈍くなってるせいか、そういうオソロシイ食い物を平気で大量に輸入して毎日食い続けているんだから、これはもういまさら「毒盛られた!」って騒いでも手遅れ、大騒ぎする方がどうかしてるってさ。


これを読んだ僕は、「でもそれ、ひょっとしたら玉ねぎ入りのやつだったのかもしれないよ」って思ったんです。猫は玉ねぎ食べられませんからね。
猫がキライなものが入ってただけで、ヤバイ添加物入りだとは限らないんじゃないのって。まあ推測ですけどね。
あ、ちなみに皆さん、村崎百郎さんのことはご存じですか?村崎さんは、鬼畜を自称する電波系ライターの方なんですね。鬼畜というのはゲスで下品ということで、電波というのは神や悪魔の声が聞こえる体質ということらしいです。そのうえ趣味がゴミ漁りということで、なかなかアレなキャラクターなんですよ。人前ではKKK(クー・クラックス・クラン)を彷彿とさせる覆面をかぶっておられます。
んで、本もいくつか出されてるし、雑誌に寄稿したりしてるんですけど、いたるところで暴言吐きまくりです。これはひと昔前の話で、まだそんなノリが紙媒体で許容されてた時代だったんですね。
ちなみに「社会派くんがゆく!」は、2000年から連載が始まった対談で、単行本も9冊出てるんですけど、その連載は2010年7月に、唐突な終わりを迎えました。村崎さんが、自宅を訪ねてきたファンを名乗る男に刺殺されたのです。
男は精神病を患っていたそうで、不起訴になりました。そのうえ、村崎さんが事件前に「俺は殺される」と予言めいたことを口にしていたり、犯人の男が、先に特殊漫画家・根本敬さんの家に行っていて、そちらが留守だったから村崎さんのほうに来たとか、様々な憶測を呼ぶエピソードが付随しているのです。
一連の出来事は、村崎さんの妻で漫画家の森園みるくさんが、『私の夫はある日突然殺された』という実録漫画(kindle版のみ)にまとめられています。

そういや、こないだ唐沢俊一さんもお亡くなりになりましたよね。66歳と、まだお若いほうでしたが、心臓発作で。
雑学王として知られた唐沢さん。弟で漫画家の唐沢なをきさんの、俊一さんの死を公表したXが話題になっていましたね。
なんでも、俊一さんがなをきさんにずっとひどいことをしていたとか。20年ほど絶縁状態だったとか。
これはあくまでなをきさん側の言い分なので、俊一さん側の意見も聞かないと詳細はわからないわけですが(お亡くなりになったので、それはほぼ不可能でしょうが)、俊一さんはソルボンヌK子さんとも離婚されてますし、ここ10~20年ほど人間関係がトラブル続きだったということも聞いています。
いや、ほんと詳細はわかんないんですけどね。でも得られた情報からは、俊一さんの言動がおかしくなっていってたらしいということが推測されるのです。
これは思ってもみないことでした。仮に俊一さんがいろんな人と諍いを起こそうとも、弟であるなをきさんはずっと味方しているものだとばかり思い込んでいたからです。
以前このブログの記事、「ブルボン ピッカラ 甘口うましお味」(2021・7・9)の中でも紹介しましたけど、俊一さんとなをきさんは、唐沢商会名義で合作をいくつか発表しているんですよね。だから兄弟仲はいいものだとばかり思っていたのです。本当に意外でした。
俊一さんは調子のいいときはいろんなところに文章書いて、本もバンバン出版してて、年収何千万って聞いたことあるんですけど(事実かどうかはわかりませんが)、徐々に仕事がなくなり、なをきさんにたびたびお金の無心をするようになっていたそうで。どうしてそこまで変わってしまわれたのか。
村崎さんも、俊一さんも、まだサブカルチャーに元気があったころの作家さんなんですよね。それを思うと、サブカルチャーの衰退と、お2人の表舞台からの退場は、軸を一にしているようにも見えます。ああ、せつない。
「社会派くんがゆく!」のような暴論も、鬼畜を自称するライターさんも、2010年代まではまだ許容するだけの度量が、社会の中にありました。でも今は、些細なことでもSNSで寄ってたかってメッタ打ちにされるご時世です。
仮にお2人がご存命であったとしても、活躍できる場は、少なくとも出版界にはもう残されてはいないのかもしれません。それを思うと、時代の流れを感じます。
村崎百郎と唐沢俊一は、時代の徒花だったのでしょうか。もはや戻ることのない、サブカルチャー全盛の時代。
せめてお2人の著作を読み返し、思い出にひたるとしましょう。


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