今日はデカもろこしです。
ジャイアント馬場が、ジャイアントつながりでCMやっていたのも今や昔。今は「チョコだまり」なんていう心憎いスポットまでできちゃいました。ザクッパリッとかぶりつけ!
ジャイアント馬場はプロレスラー。プロレスラーは半裸。そう、半裸の話をいたしましょう。半裸に遭遇した話。
小学校5,6年のときでしたかね。鹿児島に旅行に行ったことがあったんです。
母方の祖母と、祖母の姉妹のふたり、そして僕と弟の5人旅でした。ツアー旅行で、宿泊先は指宿(いぶすき)。鹿児島の有名な温泉地です。
その指宿の、巨大なホテルに泊まりました。指宿を代表する、有名なホテルでした。
そのホテルは本当に大きく、食堂やらお風呂やらゲームセンターやら、一箇所一箇所の距離が離れており、移動に時間がかかりました。僕は子供らしく、その広さを単純に楽しんでいました。ゲームセンターが充実していたのも興奮させられました。
夕方か、夜だったと思いますが、みんなで売店に行ったときのことです。売店前のフロアに、半裸のじいさんがいました。
体中に水滴が付いていて、ハンドタオルで股間を隠しているけど、ケツは丸出し。そんな恰好をしたじいさんが、フロアを歩いていたのです。
妖怪ケツ出しジジイです。
ケツ出しジジイは僕に、「砂蒸し風呂はどこね?」と訊いてきました。砂蒸し風呂っつーのは、砂に埋まって温泉の蒸気であったまる、鹿児島の名物です。わからないと答えると、「困ったねぇ」とつぶやきながら、ウロウロしていました。
裸でいてはならない場所に裸でいたのです。しかしジジイはいたって冷静で、堂々としていました。
少しのあいだ、僕らと同じ方向を歩いていたため、あたかも同じ一団のようになっていました。ケツ出しジジイ御一行様です。祖母と2人の姉妹は、見て見ぬフリをしていました。
じいさんはなぜ、こんなことになってしまったのでしょうか。その様子からして、温泉に入ってて方角がわからなくなり、迷ってしまったらしいのです。
たしかに、そこのお風呂は巨大で、様々なお湯があり、サウナやら露天風呂やら、一度来ただけでは把握しきれないくらい設備が充実していました。しかし、道に迷うほどではなかった。「入浴施設」と「非入浴施設」の区別はハッキリしており、それがわからなくなるということは、まず考えられませんでした。
仮に、お風呂のすぐ横に出口があれば、うっかり外に出てしまう、ということもあり得ます。ですが、お風呂と外のあいだには、大きめの脱衣所がありました。脱衣所を通ってしか、外に出ることはできません。うっかり裸のまま外に出てしまうなど、まず起こりえないことです。
なのに、そのじいさんはタオル一枚で外に出てしまった。どこをどう通ればそんなことになるのか。まったくもって理解不能でした。時空の抜け穴を通ったのでしょうか。
じいさんは下半身を隠そうとしていましたが、小さなタオルでは股間しか隠し切れず、思いきりケツが出ていました。ですが一応マナーとして隠していただけで、特に恥じらってはいませんでした。ほかの宿泊客にも目撃されていたはずですが、時代もあったのか、大きな騒ぎにはなっていませんでした。
じいさんは無事、砂蒸し風呂にたどり着けたのでしょうか。もしかしたら、今でも指宿のあのホテルの中を徘徊しているのでしょうか。
妖怪ケツ出しジジイ。次はあなたの泊まるホテルに出没するかもしれません。
稲川淳二でした。
ジャイアント馬場が、ジャイアントつながりでCMやっていたのも今や昔。今は「チョコだまり」なんていう心憎いスポットまでできちゃいました。ザクッパリッとかぶりつけ!
ジャイアント馬場はプロレスラー。プロレスラーは半裸。そう、半裸の話をいたしましょう。半裸に遭遇した話。
小学校5,6年のときでしたかね。鹿児島に旅行に行ったことがあったんです。
母方の祖母と、祖母の姉妹のふたり、そして僕と弟の5人旅でした。ツアー旅行で、宿泊先は指宿(いぶすき)。鹿児島の有名な温泉地です。
その指宿の、巨大なホテルに泊まりました。指宿を代表する、有名なホテルでした。
そのホテルは本当に大きく、食堂やらお風呂やらゲームセンターやら、一箇所一箇所の距離が離れており、移動に時間がかかりました。僕は子供らしく、その広さを単純に楽しんでいました。ゲームセンターが充実していたのも興奮させられました。
夕方か、夜だったと思いますが、みんなで売店に行ったときのことです。売店前のフロアに、半裸のじいさんがいました。
体中に水滴が付いていて、ハンドタオルで股間を隠しているけど、ケツは丸出し。そんな恰好をしたじいさんが、フロアを歩いていたのです。
妖怪ケツ出しジジイです。
ケツ出しジジイは僕に、「砂蒸し風呂はどこね?」と訊いてきました。砂蒸し風呂っつーのは、砂に埋まって温泉の蒸気であったまる、鹿児島の名物です。わからないと答えると、「困ったねぇ」とつぶやきながら、ウロウロしていました。
裸でいてはならない場所に裸でいたのです。しかしジジイはいたって冷静で、堂々としていました。
少しのあいだ、僕らと同じ方向を歩いていたため、あたかも同じ一団のようになっていました。ケツ出しジジイ御一行様です。祖母と2人の姉妹は、見て見ぬフリをしていました。
じいさんはなぜ、こんなことになってしまったのでしょうか。その様子からして、温泉に入ってて方角がわからなくなり、迷ってしまったらしいのです。
たしかに、そこのお風呂は巨大で、様々なお湯があり、サウナやら露天風呂やら、一度来ただけでは把握しきれないくらい設備が充実していました。しかし、道に迷うほどではなかった。「入浴施設」と「非入浴施設」の区別はハッキリしており、それがわからなくなるということは、まず考えられませんでした。
仮に、お風呂のすぐ横に出口があれば、うっかり外に出てしまう、ということもあり得ます。ですが、お風呂と外のあいだには、大きめの脱衣所がありました。脱衣所を通ってしか、外に出ることはできません。うっかり裸のまま外に出てしまうなど、まず起こりえないことです。
なのに、そのじいさんはタオル一枚で外に出てしまった。どこをどう通ればそんなことになるのか。まったくもって理解不能でした。時空の抜け穴を通ったのでしょうか。
じいさんは下半身を隠そうとしていましたが、小さなタオルでは股間しか隠し切れず、思いきりケツが出ていました。ですが一応マナーとして隠していただけで、特に恥じらってはいませんでした。ほかの宿泊客にも目撃されていたはずですが、時代もあったのか、大きな騒ぎにはなっていませんでした。
じいさんは無事、砂蒸し風呂にたどり着けたのでしょうか。もしかしたら、今でも指宿のあのホテルの中を徘徊しているのでしょうか。
妖怪ケツ出しジジイ。次はあなたの泊まるホテルに出没するかもしれません。
稲川淳二でした。
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