少子化が叫ばれるようになって久しい。
小生は、子供が減って何が悪いのか、よくわからない。こんなことは問題だと考えるから問題になるのであって、気にしなければ問題にはならないのではないだろうか。
何をバカなことを、問題あるから問題なんだよ、と思われたろうか。
でも、少子化を問題視している人は、ちゃんと突き詰めて考えているんだろうか。ただ単に、増えるのはいいことで、減るのはよくないことだと思い込んでいるだけではないのか。
既にいろんな人達が、少子化問題に対して異論を唱えているが、小生の考えをいくつか述べる。
まず、経済の規模が縮小してしまう、という点だが、人口が減るのであれば、それだけ必要なお金も減るのだから、その規模に見合った経済活動をしていけばいいのではないか。なにもGDP世界三位を堅持する必要はない。
また、年金制度が維持できなくなる、という点だが、そもそも、若者の数がお年寄りより多くなければ維持できないという、制度設定自体に問題があるのであり、少子化そのものは、ファクターのひとつに過ぎない。問題のある制度を取り繕うために、何も悪くない若者が責められる、という図式は、倒錯している。(若者に対して、面と向かって「私達の年金のために、子供を設けろ」と言う年配者はいないだろうが、言外のプレッシャーとして、そのようなメッセージを感じ取っている若者はいるのではないだろうか。であれば、それに対する反発として、逆に子供を設けない、という行動をとりうることも予測される)
日本列島に一億二千万人は多すぎるので、ある程度減ったほうがいいと小生は考えているのだが、それには他の現実的な問題もある。
少子化というのは、先進国に共通の現象であり、途上国は今も増え続けているのだが、人口増加率で見れば、先進国、途上国の変わりなく、世界的な傾向として、1970年前後をピークとして、減少傾向にあるらしい。つまり、途上国は、もうしばらくの間は人口が増え続けるけど、いずれはどこの国でも減少に転じることが予想されており、20世紀に起こったような人口爆発は、人類の歴史においては、おそらく一回性のものでしかない、ということだ。
で、とりあえずの所は、日本の人口が減るのに対し、世界人口は2050年頃までは増え続けると目されている。
その時起こると言われているのが、世界的な食糧不足。もちろん食料のみならず、様々な資源、エネルギーも足りなくなり、水すら奪い合うようになるという。
その状況において、日本国民すべてに、安定的に食料、資源、エネルギーを行き渡らせることを考えたら、人口は多いよりも少ないほうが、確実性が増すだろう。つまり、リアルな日本の生き残り戦略として――利己的な考え方になってしまうが――数が少ないほうが、より望ましいのではないか、ということ。
小生の知識は限られているので、そもそも少子化にまつわる本当の問題は何か、そしてそれはどうすれば解決できるのかは、これ以上議論することができない。
なので、根本的な問題として、なぜ少子化が起こるのか、について考えてみたい。
先程も述べたように、少子化傾向は、まず先進国において現れる。
これはどうしてか。
この現象は、食物連鎖に当てはめてみるとわかりやすいと思う。
先進国とは、豊かな国である。お金を持っており、食べ物が豊富にあり、医療水準が高く、上下水道ガス電気、その他インフラが整っており、治安が安定している。
それは、人がなかなか死なない社会だ。人々は、安心して生きることができる。
これは、食物連鎖の上位に位置する社会だ。食物連鎖の図は、ピラミッド型をしており、上に行くほど個体数が少なくなる。食べられる(命を落とす)可能性が低くなるので、少ない個体数でもやっていけるわけだ。逆に、下に行くほど食べられる割合が多くなり、多くの個体数が必要となる。
つまり先進国は、命の危険に晒されることが少なく、安心安全な雰囲気に包み込まれており、人々はその――自分達は食物連鎖の上位に位置している、という――空気を感知し、この社会は、個体数が少なくてもいいのだ、という気持ちになる。
だから少子化は、若年層の貧困化や、核家族化、結婚観や価値観の変化のみならず、豊かな社会が作り出す空気が、大きな要因になっているのではないだろうか。
だとすると、ここから導かれる少子化解決策は簡単だ。
食料を不足させ、医療水準を押し下げ、インフラを壊滅させ、治安を悪化させればいい。そうすれば、人々は「子供を増やさないと、社会が滅んでしまう」と意識するようになるだろう。
そんな世の中、まっぴらゴメンだって?
小生もそう思う。
だから、少子化は問題なのではなく、言祝ぐべき人類の達成だというのだよ。
オススメ関連本 ローレンス・トーブ『3つの原理――セックス・年齢・社会階層が未来を突き動かす』ダイヤモンド社
小生は、子供が減って何が悪いのか、よくわからない。こんなことは問題だと考えるから問題になるのであって、気にしなければ問題にはならないのではないだろうか。
何をバカなことを、問題あるから問題なんだよ、と思われたろうか。
でも、少子化を問題視している人は、ちゃんと突き詰めて考えているんだろうか。ただ単に、増えるのはいいことで、減るのはよくないことだと思い込んでいるだけではないのか。
既にいろんな人達が、少子化問題に対して異論を唱えているが、小生の考えをいくつか述べる。
まず、経済の規模が縮小してしまう、という点だが、人口が減るのであれば、それだけ必要なお金も減るのだから、その規模に見合った経済活動をしていけばいいのではないか。なにもGDP世界三位を堅持する必要はない。
また、年金制度が維持できなくなる、という点だが、そもそも、若者の数がお年寄りより多くなければ維持できないという、制度設定自体に問題があるのであり、少子化そのものは、ファクターのひとつに過ぎない。問題のある制度を取り繕うために、何も悪くない若者が責められる、という図式は、倒錯している。(若者に対して、面と向かって「私達の年金のために、子供を設けろ」と言う年配者はいないだろうが、言外のプレッシャーとして、そのようなメッセージを感じ取っている若者はいるのではないだろうか。であれば、それに対する反発として、逆に子供を設けない、という行動をとりうることも予測される)
日本列島に一億二千万人は多すぎるので、ある程度減ったほうがいいと小生は考えているのだが、それには他の現実的な問題もある。
少子化というのは、先進国に共通の現象であり、途上国は今も増え続けているのだが、人口増加率で見れば、先進国、途上国の変わりなく、世界的な傾向として、1970年前後をピークとして、減少傾向にあるらしい。つまり、途上国は、もうしばらくの間は人口が増え続けるけど、いずれはどこの国でも減少に転じることが予想されており、20世紀に起こったような人口爆発は、人類の歴史においては、おそらく一回性のものでしかない、ということだ。
で、とりあえずの所は、日本の人口が減るのに対し、世界人口は2050年頃までは増え続けると目されている。
その時起こると言われているのが、世界的な食糧不足。もちろん食料のみならず、様々な資源、エネルギーも足りなくなり、水すら奪い合うようになるという。
その状況において、日本国民すべてに、安定的に食料、資源、エネルギーを行き渡らせることを考えたら、人口は多いよりも少ないほうが、確実性が増すだろう。つまり、リアルな日本の生き残り戦略として――利己的な考え方になってしまうが――数が少ないほうが、より望ましいのではないか、ということ。
小生の知識は限られているので、そもそも少子化にまつわる本当の問題は何か、そしてそれはどうすれば解決できるのかは、これ以上議論することができない。
なので、根本的な問題として、なぜ少子化が起こるのか、について考えてみたい。
先程も述べたように、少子化傾向は、まず先進国において現れる。
これはどうしてか。
この現象は、食物連鎖に当てはめてみるとわかりやすいと思う。
先進国とは、豊かな国である。お金を持っており、食べ物が豊富にあり、医療水準が高く、上下水道ガス電気、その他インフラが整っており、治安が安定している。
それは、人がなかなか死なない社会だ。人々は、安心して生きることができる。
これは、食物連鎖の上位に位置する社会だ。食物連鎖の図は、ピラミッド型をしており、上に行くほど個体数が少なくなる。食べられる(命を落とす)可能性が低くなるので、少ない個体数でもやっていけるわけだ。逆に、下に行くほど食べられる割合が多くなり、多くの個体数が必要となる。
つまり先進国は、命の危険に晒されることが少なく、安心安全な雰囲気に包み込まれており、人々はその――自分達は食物連鎖の上位に位置している、という――空気を感知し、この社会は、個体数が少なくてもいいのだ、という気持ちになる。
だから少子化は、若年層の貧困化や、核家族化、結婚観や価値観の変化のみならず、豊かな社会が作り出す空気が、大きな要因になっているのではないだろうか。
だとすると、ここから導かれる少子化解決策は簡単だ。
食料を不足させ、医療水準を押し下げ、インフラを壊滅させ、治安を悪化させればいい。そうすれば、人々は「子供を増やさないと、社会が滅んでしまう」と意識するようになるだろう。
そんな世の中、まっぴらゴメンだって?
小生もそう思う。
だから、少子化は問題なのではなく、言祝ぐべき人類の達成だというのだよ。
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