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猫じじいのブログ

子どもたちや若者や弱者のために役立てばと、人権、思想、宗教、政治、教育、科学、精神医学について、自分の考えを述べます。

安倍晋三を「国葬」にしてはいけない、岸田文雄はまちがっている

2022-09-09 11:41:36 | 政治時評

きのう、国会閉会中審査で、岸田文雄が安倍晋三を「国葬」にするのは行政側の勝手と言った。その上で、これまでの「国葬」に閣議決定した理由、

(1) 8年8ヶ月間首相を務めた

(2) 民主主義の根幹である選挙演説中に銃撃された

(3) 外交、経済など歴史に残る業績を残した

(4) 世界各国から敬意と弔意が示され多数の弔問の希望が来ている

を繰り返した。

多くの人間は誰にでも訪れる死に厳粛な気持ちになる。葬儀に来てくれと言われると断れなくなる。そして、みんなが弔問に訪れたから故人が立派な人だと言われると、内心の自由が侵される。おおイヤだ。

現代の民主主義は「行政権」の肥大が起きている。「国葬」にするのは行政側の勝手とするのは行政権の拡大である。岸田文雄は悪い慣例を残そうとしている。

55年前、「日本人は民主主義を実施する能力はない」とGHQに言い張っていた吉田茂の国葬を、佐藤政権が閣議決定したとき、反対論が噴出した。それ以降、政治家は誰も「国葬」になっていない。

「8年8ヶ月間首相を務めた」という政権の長さは、選挙に強かったというだけである。反対の立場からすれば、「腐敗の8年8カ月」となるだろう。独裁国では長期政権があたりまえである。

「民主主義の根幹である選挙演説中に銃撃された」では、安倍が民主主義の「敵」であれば、殺されて当然のことである。銃撃することは妥当かどうかの議論はあり得ても、銃撃されたから「国葬」となれば、腐敗の象徴だった政治家が「国葬」とされ神格化を国民に強要することが起きる。

「外交、経済など歴史に残る業績を残した」というのは全くウソである。朝日新聞に安倍をヨイショとする記事『安倍元首相は戦後日本の因習を破壊した』がのったが、この要旨は「安倍が平和主義・民主主義の戦後日本の理念を破壊し、個人より国家という立場のまま、個人主義のアメリカの軍事力に頼る政治をとった」ということである。

東京弁護士会は「教育基本法改正、イラク特措法の延長、教育三法改正、特定秘密保護法制定、労働者派遣法改正、集団的自衛権行使を容認、安全保障関連法の制定、共謀罪の制定、検察庁法の改正」と具体的に平和主義・民主主義の破壊を指摘している。

いま、日本は歴史的な円安の脅威に襲われている。これに対抗するためには日銀が金利を上げれば良いのだが、安倍政権が行ってきた大型赤字予算(政府負債の拡大)や、年金基金や日銀を使った株価操作が壊れる、すなわち、安倍政権が勝ち続けるための仕組みが崩壊するので、対抗策がとれない。自民党政権を守るために、円安が行き着くところまで見守るしかないとなっている。

さらに、安倍は、自民党内に統一教会シンパを増やした当事者である。韓国がアダム国で日本がエバ国で献金し続けないというカルト集団統一教会を野放しにしたのである。

「世界各国から敬意と弔意が示され多数の弔問の希望が来ている」というが、外交礼儀では元首相に「敬意と弔意」を示すのがあたりまえである。「弔問」を要請すれば嫌でも来るしかない。この中で、バイデン大統領や今上天皇や上皇は「国葬」に自ら参加せず、代理を送ることにしている。すなわち、彼らの内心では安倍はいけ好かない奴だったのだ。

岸田文雄は、安倍派に脅かされて安倍を「国葬」にしたのか。それとも、安倍を神格化すれば、その後継者として自分の基盤がかたまると思ったのか。どちらにしろ、日本の政治史に汚点を残す。