猫じじいのブログ

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イスラエルは地上軍のガザ侵攻で何をもくろんでいるのか

2023-11-02 22:53:52 | ガザ戦争・パレスチナ問題

先週からイスラエルの地上軍がガザ地区になし崩し的に侵攻した。現在は陸海空からの焦土作戦に拡大している。イスラエル軍は、人も建物もトンネルも完全に破壊し、地上軍の過ぎた跡には、何もない平坦な瓦礫の大地が広がっている。

停戦を求める国際世論に逆らってまで、イスラエル政府はガザ地区を今後どうしたいのだろうか。

ウィキペディアによれば、ガザ地区は、高さ6メートルの塀に囲まれた、面積365キロメートル平方の土地で、2,375,259 人の人が住んでいる。これらの人は、1948年のイスラエル建国によってパレスチナの地を追われた難民の子孫か、難民に食料や医療を支援をする人々である。

1947年のことであるが、国連は、国連からの委託でイギリスが統治していたパレスチナの地を、もともとの住民アラブ人の国、入植者ユダヤ人の国に分割すると決議した。当時、アラブ人とユダヤ人は都市では混在して住んでいたから、国連がかってに土地を分割して、アラブ人とユダヤ人を引き離すというのは、ひどい話である。

しかし、当時、パレスチナのアラブ人をイランに移送して捨てれば良い、という案も、イギリス政府内部やユダヤ人の一部によって、検討されていたから、国連の分割案はそれでもましである。

実際の歴史では、イギリスの統治が切れた1948年にシオニスト派のユダヤ人が一方的にイスラエル国を建国し、4度の中東戦争を経て、パレスチナの全土を掌握した。アラブ人の独立国、パレスチナ国の建設という話しは、いつのまにか吹っ飛んでいる。いま、国際社会がイスラエル政府と話しているのは、イスラエル国の中にパレスチナ人の自治区をどう作るのか、ということに過ぎない。

現在、イスラエル政府は、パレスチナ人の自治区を細かく分割して塀の中に囲い込んでいる。ガザ地区はその中でもっとも大きなものである。ヨルダン川西岸にある自治区は、点在するもっと小さい面積の土地の集まりである。その周囲にはユダヤ人の入植が進んでいる。第2次世界大戦まで、ヨーロッパ各国が、ユダヤ人を狭いゲットに閉じこめていたのと、変わることがない。いや、もっとひどい扱いをイスラエル政府は行っている。

今週、イスラエルの情報省がパレスチナ自治区ガザの住民をエジプトのシナイ半島に強制的に移住させる計画案を作成していたことが判明した。イスラエル首相室は、同計画案はコンセプトペーパーで検討の1つであると言う。

2週間前にエジプトは、200万人を超えるガザ地区の難民を引き受け入れられないと声明していたから、イスラエル政府は強制移住案をかなり真剣に検討し、エジプトやアメリカなど各国政府と打診していたのだろう。

それだけでない。私は、イスラエル政府は、一方で、ガザ地区の人間をどれだけ殺せば良いか、検討していると考える。すでに、1万人を殺したと思われる。また、ガザ地区の北半分は、パレスチナ人のいない瓦礫の大地にすることは、イスラエル政府内の決定事項のように思われる。ハマスを根絶するには、それも不十分とイスラエル政府は考えているのだろう。

イスラエル政府の態度を変えることができるのは、イスラエルへの軍事支援を続けてきたアメリカ政府だけである。イスラエル政府を非難するとともに、アメリカ政府への働きかけが必要である。さもないと、イスラエルは、国際世論を無視し続けるだろう。



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