猫じじいのブログ

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自民党の衆院選の公約はあまりにも低レベル、立憲民主党の公約のほうがずっとマシ

2024-10-17 21:01:19 | 政治時評

今回の衆院選の自民党の公約はとてもレベルが低い。単に立憲民主党の公約に比べてだけではなく、岸田政権時の2021年の衆院選の公約にくらべてもレベルが低い。

今回の自民党の公約は

  1.  ルールを守る
  2.  暮らしを守る
  3.  国を守り、国民を守る
  4.  未来を守る
  5.  地方を守る
  6.  あらたな時代を切り開く

と「守る」の韻を踏んだ言葉遊びである。6番目の公約は韻を踏んでいないが、「国民とともに憲法改正を実現します」ということである。

岸田政権のときの衆院選公約は、

  1.  感染症から命と暮らしを守る。
  2. 「新しい資本主義」で分厚い中間層を再構築する。「全世代の安心感」が日本の活力に。
  3.  国の基本「農林水産業」を守り、成長産業に。
  4.  日本列島の隅々まで、活発な経済活動が行き渡る国へ。
  5.  経済安全保障を強化する。
  6. 「毅然とした日本外交の展開」と「国防力」の強化で、日本を守る。
  7. 「教育」は国家の基本。人材力の強化、安全で安心な国、健康で豊かな地域社会を目指す。
  8.  日本国憲法の改正を目指す。

と、何をやりたいかが、はっきり打ち出されている。

この違いは、石破茂は岸田文雄と比べて、日本をどのようにしていくかの目標が設定できていないからと考える。

立憲民主党の衆院選の公約は、今回の自民党の公約と比べ、それが好ましい目標か否かを別にして、目標がはっきりしている。目標がはっきりしていれば、それが良い目標か否かがをみんなが議論できる。何を言っているか、わからないものは、公約と言えない。「口約」である。

立憲民主党の公約は、

  1.  政治の信頼回復
  2.  分厚い中間層の復活、家計・賃上げ支援
  3.  安定した外交・安全保障戦略
  4.  超高齢社会に対応した確かな年金・医療・介護・福祉
  5.  未来を育む子育て・教育
  6.  地方と農林水産業の再興
  7.  多様性を認め合える当たり前の社会

である。それぞれに3、4個のブレークダウンがついているので、個々の公約に賛成か反対かの自分の意見を表明できる。公約を議論の対象にできる。

例えば、2番目の「分厚い中間層の復活、家計・賃上げ支援」は、つぎのブレークダウンを設定している。

  • 最低賃金を1500円以上とし、適切な価格転嫁等により、労働者の賃金の底上げを実現します。
  • リスキリング、リカレント教育など、徹底した「人への投資」で賃上げを支援します。
  • 希望すれば正規雇用で働けるよう 契約社員、派遣労働の抜本改革などを実現します。
  • 成長の柱となるグリーン、ライフ、ローカル、デジタル(GLLD)に重点的に投資します。

私は、政府が経済活動に直接投資するということには反対である。政府は単に成長分野を示唆すれば良くて、投資は企業の仕事である。残りの3つには納得できる。

ただ、このブレークダウンを読むと、これらは「分厚い中間層の復活」とどんな関係があるのか、私には疑問である。

面白いことに、岸田政権も立憲民主党も「分厚い中間層」と言っている。この「中間層」とは何かが問題である。多くの識者は、「中間層」で「経済的」問題を指しているが、私はそんなことではないと考える。

フロムは『自由からの逃走』で1920年代のドイツの「中間層の没落」を論じている。この「中間層」は自営業者のことである。これが、1930年代のナチスの台頭を招いたと論じている。

日本でも、現在、自作農、小売業、町工場が、やっていけなくなっている。町ではシャッター街が生じている。石破茂を含む政治家や評論家は「付加価値」の高い事業を行えば良いというが、そんな問題でないと私は考える。いつの世も「付加価値」の高い産業分野は限られる。資本主義の本当の問題は、雇う、雇われるが、支配する、支配される構造を生むことである。

つぎのブログで「中間層の没落」の問題を論じたい。



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