猫じじいのブログ

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G20大阪サミット2019は何だったのか

2019-06-30 20:58:03 | 日本の外交



今回のG20大阪サミット2019は、何が成果なのか、テレビを見ても新聞を読んでも、さっぱりわからない。

安倍晋三議長は、閉幕で、大阪のおいしいものを食べてもらったかのように言っていたが、まさか、たこ焼きを食べるために、大阪に集まったのではなかろう。

たぶん、日本に19ヵ国のトップとEUのトップが集まったこと自体が、成果と言いたいのであろう。

実際、サミット期間中に、6月29日の午前に、アメリカのドナルド・トランプ大統領と中国の習近平書記長が会談をもち、貿易戦争の報復合戦を一時やめることを発表したことが、サミットより、重大なニュースであった。

また、トランプ大統領が、大阪サミットの後、きょう6月30日に、南北朝鮮国境で、キム・ジョンウン(金正恩)朝鮮労働党委員長に会ったことが、やはり、サミットより重要なのだ。

首脳会議自体は、2日間合わせても、数時間のもので、この機会に、各国首脳は個別に会談をもった。メディアの報道によれば、安倍晋三首相とウラジーミル・プーチン大統領の会談はなんの実りもなかったらしい。特筆すべきは、新聞報道によれば、安倍晋三首相がムン・ジェイン大統領と会談をもたなかったことだ。

では、G20サミットの首脳宣言はどうでも良いのか。

各国首脳は個別会談に忙しかったから、実務官僚が首脳宣言を用意していた。大阪サミットに先立ち、今年、日本で、8つ分野のG20閣僚会合を開催した。首脳宣言は官邸のサイトに掲載されており、英文で13ページである。

首脳宣言は、世界経済情勢、経済成長促進、貿易と投資、鉄鋼の過剰生産、デジタルデータの利用、インフラ投資、グローバル金融、腐敗対策、労働および雇用、女性の労働参画、観光、農業、開発、健康、環境、気候変動、エネルギー、難民・移民など39項目にわたるものである。

さらに、この首脳宣言に16の付属文書がつけられている。「経済の電子化に伴う課税上の課題に対するコンセンサスに基づいた解決策の策定に向けた作業計画」とか「G20 AI 原則」とか「G20 海洋プラスチックごみ対策実施枠組」などである。

難民・移民は、重要な問題であるが、付属文書がないので、首脳宣言の検討項目になったという程度なんだろう。

トランプ大統領は、首脳宣言の内容を事前に読んだのであろうか?首脳が関わらない首脳宣言の実行性の担保はどこにあるのか?

G20大阪サミット2019の議題は多岐にわたりすぎ、(1)グローバルIT企業の倫理規範、(2)貿易不均衡と自由貿易、(3)難民・移民と人権、(4)海洋汚染対策に絞って、実行が保証されるものにすべきだった。



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