猫じじいのブログ

子どもたちや若者や弱者のために役立てばと、人権、思想、宗教、政治、教育、科学、精神医学について、自分の考えを述べます。

日韓問題はすべて安倍晋三のナショナリズムが悪い

2019-08-04 20:48:20 | 日韓関係


ナショナリズムは、人間から考えることを奪うから、私は嫌いである。

人間は自分に誇りをもつべきである。自分に誇りをもてず、帰属先に誇りをもつとは、異常なことである。帰属先が出身大学であれば、学閥主義になる。帰属先が人種であれば、レイシストになる。帰属先に誇りをもつことは、レッテルで人間を評価し、差別主義者になり、権力者に容易に操作される人間になる。

私は、2001年9月11日ワールドトレードセンター襲撃事件の直後に、ニューヨークの街頭に星条旗を振る若者が繰り出したことを忘れられない。移民の国であるアメリカが、偏狭なナショナリズムの熱狂に侵され、ジョージ・ブッシュが大統領に再選され、アフガニスタン侵攻、イラク侵攻で、中東に混乱を引き起こした。

私の愛すべき多様性の国アメリカが、ナショナリズムによって壊れたままで、アメリカ・ファーストのトランプの暴走を許している。

ナショナリズムがゆがんだ地球を生む。

私が生まれた国、日本は、憲法によってナショナリズムを封じ込めたはずだった。ところが、憲法には、いろいろな穴があって、ナショナリズムが復活している。天皇制を廃止すべきだった。岸信介を許すべきでなかった。義務とか責任は、自由を否定する概念で憲法で使うべき用語ではない。

道徳教育を小学校、中学校に導入し、父母への愛は郷土への愛と同じく、郷土への愛は国への愛だと教え始めた。監督のバンド命令に従わず、二塁打を打った子供を、約束に背いた悪い子だと教えている。愛とは対等な関係であるのに、一方的に尽くすことが求められている。

そして、日の丸を振らず、君が代を歌わない教師を解雇する社会になっている。

現在の日韓関係の混乱は、「国に誇りをもとう」と言う安倍晋三を総理大臣に選んだことによって、ひどくなった。安倍晋三の思想に韓国が反発したという意味ではない。安倍晋三が、強い日本を装うために、トランプ接待外交を隠すために、わざわざ、韓国をいじめているのだ。

彼の『新しい国へ――美しい国へ完全版』を読んでも、国のどこに誇りをもつのか、さっぱり、わからない。ただ、日の丸と君が代に涙することをたたえているにすぎない。情動に流されよ、と言っているのにすぎない。

4年前の戦後70年談話で安倍晋三が「戦場の陰には、深く名誉と尊厳を傷つけられた女性たちがいたことも、忘れてはなりません」と言いながら、韓国政府に「慰安婦像」の撤去を求める。戦前の日本政府がおこなった誤りを日本政府が忘れないために、「慰安婦像」が日本大使館を見つめることは、必要なことだ。

元徴用工問題だって、戦争中の日本企業が、併合した韓国からの徴用工に、労働の正当な対価を支払ったのか、強制労働はなかったのか、休憩時間を適切に与えていたのか、などの事実と損害賠償額が、韓国の裁判所で争われたことである。

韓国の最高裁まで争って、昨年、日本企業が負けて、ひとりあたり、およそ1000万円の支払いが命じられた。だったら、日本企業は賠償金を払えば良いだけの問題である。

ところが、日本企業は、1965年の国交正常化の際に締結された日韓請求権協定で「完全かつ最終的に解決された」という立場で、裁判を争った。これは、個人と企業の問題を国家間の問題に格上げしたことで、「自由と民主儀」のもとに育った私としては、理解できない。大間違いである。

安倍政権が、日本企業の弁護方針に圧力をかけて、わざわざ、日本企業が裁判に負けるよう、画策したのではないか。

そして、トランプにバカにされ、プーチンにバカにされた安倍晋三は、7月1日に経済戦争を韓国に仕掛け、8月1日にその戦線を拡大した。韓国を「ホワイト国」から外すという暴挙に出た。

経済は国境を越えて、国民と国民を結びつけるものである。それなのに、「国を誇る」というおかしな考えに染まった安倍晋三は、経済という絆をみずから断ち切ろうとしている。世耕も麻生も河野もバカだ。公明党はなぜ反対しないのか。

日本人の多くも、ナショナリズムに脳が侵され、トランプ政権と闘えない弱虫の自分を、韓国国民をいじめることで鬱憤をはらしているのではないか、と思わざるを得ない。とても愚かしいことである。


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