『グリーンマイル』(The Green Mile)は、スティーヴン・キングの小説を原作とした1999年のアメリカ映画である。話はこうである。
死刑執行の刑務所に、ひとりの大きな黒人が送られてきた。
その大男は、病気を治す不思議な力をもっていた。意地悪な看守が、囚人に飼われていたネズミを踏みつぶすと、大男はネズミを生き返らせるのである。そんな とても 優しい心の持ち主であった。
看守たちは、その大男が無実だと気づき、かれに脱獄するように勧めるが、「毎日のように、世界中の苦しみを感じたり聞いたりすることに疲れたよ」と言って、そのまま、電気椅子で処刑される。
そんな心の優しい不思議な大男ジョン・コーフィの物語である。大男の役のマイケル・クラーク・ダンカンは、これで、アカデミー助演男優賞を得た。
ジョン・コーフィは病気を治すのに、病気の邪気を吸い込む。苦しみながら吸い込み、吸い込んだ後、疲れ果てる。
じつは、人の病気を治すには不思議な力がいるが、人の心の悩みをいやすには不思議な力がいらない。
だれでもが、だれかの心の悩みをいやすことができる。別に、宗教の力も いらない。
悩みをいやしてあげたいという気持ちがあれば、できるのだ。しかし、それは大変なことなのだ。不思議な力が要らないが、人の悩みを吸い込んで無害にするには、大変な思いをし、疲れはてる。グリーンマイルの大男の場合と同じだ。
私は、NPOで8年前から子どもたちの相手を始めて、不思議な力が要らない、誰でもできる、と気づいた。寄り添うことは、相手にリスペクト(敬意)を払うことである。
しかし、人の悩みを背負うことは疲れはてるから、できる範囲で良い。
悩んでいる人、苦しんでいる人は、子どもに限らない。心の悩みで苦しんでいる人が世の中に いっぱい 居る。だから、ほかの人を助ける人がいっぱい 要る。精神科医は薬を出して病気を治すが、悩みや苦しみには、付き合わない。
妻が私に寄り添ってきてくれたから、70歳になっても、まだ、NPOで働けた。しかし、体が動かなくなるだけでなく、最近、頭も働かなくなってきた。いずれ、私も「疲れたよ」と言って、誰かにバトンタッチする日が来る。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます