かささぎの 渡せる橋に おく霜の
白きを見れば 夜ぞ更けにける 中納言家持
この和歌は「万葉集」の編者の一人、大伴家持の作った和歌で『百人一首』の6番目にはいっています。
家持の家柄は、武人として朝廷に仕える高い家柄で、家持も従三位中納言にまでなりましたが、藤原氏の勢力に押され晩年は不遇でした。
家持が寒い冬の夜、夜空を見上げて歌った和歌です。
「今は冬だが、あの夜空を見ていると、
七夕の夜 かささぎが 天の川に掛け渡す橋を思い起こさせるほど幻想的だなあ。
そういえば、あの橋は宮中の御橋にそっくりだ。歌によめないものだろうか。」
と思い、詠んだ歌といわれます。
歌の意味は
「七夕の夜、天の川にカササギが掛け渡すという天上の橋。
その橋のように見える宮中の階段に、霜が真っ白に降りているのを観ると、
夜は深深と更けていっているのだなあ。」
詠んだときの季節は霜の降りる寒い真冬でありながら、夜空を見上げる家持の心には七夕の季節の幻想的でロマンチックな伝説の光景が広がっていったのです。
季節を超えて、時空を超えて繰り広げられる、幻想的で壮大でロマンチックな世界に時間を忘れて浸りつつ・・・、ふと、現実に引き戻されて、宮中の階段に白い霜が降り積もっていく様子を眺めながら詠んだこの歌は、家持の歌の才能と、今の時代では推量できないほどの花鳥風月を肌で感じることの出来る万葉歌人の心意気が感じられます。
真冬に詠んでも、七夕の季節に詠んでも感動することの出来る、私の大好きな和歌の一つです。
白きを見れば 夜ぞ更けにける 中納言家持
この和歌は「万葉集」の編者の一人、大伴家持の作った和歌で『百人一首』の6番目にはいっています。
家持の家柄は、武人として朝廷に仕える高い家柄で、家持も従三位中納言にまでなりましたが、藤原氏の勢力に押され晩年は不遇でした。
家持が寒い冬の夜、夜空を見上げて歌った和歌です。

「今は冬だが、あの夜空を見ていると、
七夕の夜 かささぎが 天の川に掛け渡す橋を思い起こさせるほど幻想的だなあ。
そういえば、あの橋は宮中の御橋にそっくりだ。歌によめないものだろうか。」
と思い、詠んだ歌といわれます。

歌の意味は
「七夕の夜、天の川にカササギが掛け渡すという天上の橋。
その橋のように見える宮中の階段に、霜が真っ白に降りているのを観ると、
夜は深深と更けていっているのだなあ。」

詠んだときの季節は霜の降りる寒い真冬でありながら、夜空を見上げる家持の心には七夕の季節の幻想的でロマンチックな伝説の光景が広がっていったのです。

季節を超えて、時空を超えて繰り広げられる、幻想的で壮大でロマンチックな世界に時間を忘れて浸りつつ・・・、ふと、現実に引き戻されて、宮中の階段に白い霜が降り積もっていく様子を眺めながら詠んだこの歌は、家持の歌の才能と、今の時代では推量できないほどの花鳥風月を肌で感じることの出来る万葉歌人の心意気が感じられます。

真冬に詠んでも、七夕の季節に詠んでも感動することの出来る、私の大好きな和歌の一つです。
