夷酋列像
を描いた松前藩の家老で
画家である蠣崎波響なる者はと
急に思い立ち
松前城へ向かった
JR廃線のため
函館から
1日数本のバスで3時間
津軽海峡はどんより曇って
真冬の北風が吹き荒ぶ波飛沫が
バスから望み
冬景色を際だたせる
苦労してたどり着いたら
松前城は積雪と吹雪の中
なんと冬季閉館
遠くから眺めるだけでした
日本式城郭では
一番新しく造られたそうですが
城門も
直ぐに破られそうないでたち
北辺を警備した松前藩の
孤高の苦しさが
辺鄙な所故の哀れさを
この季節
身にしみてわかりました
松前藩の苦悩の何たるかを
わからないまま
藩を救おうと描いた
夷酋列像もまた見逃して
寒い松前をあとにしました