Comastoma pulmonarium 喉毛花 (雲南省白馬雪山)

雲南省迪庆藏族自治州德钦县白馬雪山。標高4100m付近。2005.9.29(以下10枚同じ)
前回のシロウマリンドウ属や次回予定のヒメセンブリ属もそうだが、日本では絶滅寸前の種が、大陸では普遍的に広く分布しているという例が少なくない。このサンプクリンドウ属もその典型例である。日本では、南アルプスと八ヶ岳の極めて限られた場所のみに見られる超希少種。しかし、この後示す幾つかの写真でも分かる通り、中国西南部の高標高地帯では、ほとんど雑草然として生育しているのである。
「中国植物志」によると、世界(北米やヨーロッパを含む)に15種、うち中国に11種分布するとされる。種サンプクリンドウComastoma pulmonarium (喉毛花)の分布域は、中国西南部が中心で、東は秦嶺山脈、北はロシアの一部(模式産地)、及び日本。
中国には、西南部を含むかなり広い範囲に、Comastoma pulmonariumによく似た、Comastoma traillianum高杯喉毛花やComastoma falcatum鎌萼喉毛花も分布していて、写真の各地域集団が、それらのどの種に帰属するのか、僕には特定が出来ない。最後に紹介する四川省四姑娘夹金山産のみは、他の4地域集団とは明確に異なるため種を分けるべきと考えるが、それ以外の(四川省康定産を含めた)4集団は、暫定的にComastoma pulmonariumとして纏めておく(逆に四姑娘夹金山産がComastoma pulmonariumに相当し、他4地域集団が異なる種に属するという可能性もある)。









Comastoma pulmonarium 喉毛花 (雲南省香格里拉)


雲南省迪庆藏族自治州香格里拉市。標高3300m付近。2013.10.2 [Monica Lee撮影]
町の一角(造成地?)に、まるで帰化雑草のような群落を作っていた。
Comastoma pulmonarium 喉毛花 (雲南省中甸大雪山)


雲南省迪庆藏族自治州香格里拉県翁水郷。標高3600m付近。2010.9.21
Comastoma pulmonarium 喉毛花 (四川省康定)

四川省阿坝藏族自治州康定县康定近郊。標高3300m付近。2010.7.25(以下10枚同じ)
上掲した雲南産の3地域集団に比べて、花冠はより窄み気味に開く。









Comastoma sp. 喉毛花属の一種 (四川省四姑娘山)

四川省阿坝藏族羌族自治州小金县~雅安市宝興県夹金山。標高4100m付近。2010.7.30(以下3枚同じ)
萼筒部が短い。花冠裂片は反り返り気味に平開する。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・

青:白馬雪山/空色:香格里拉/黄緑:雲南四川省境山地/赤:康定/紫:四姑娘山/【参考】黒:南アルプス