Orobanchaceae (mainly Pedicularis) from China (and Japan) 2
1花冠は開く
1-1上唇は嘴型
1-1-1下唇は左右非対称【GroupⅠ】
〖1〗Pedicularis mussotii var. lophocentra 谬氏马先蒿刺冠变种
*根叶群 Grex Rhizophyllum 拟根叶亚群 Subgrex Rhizophylliastrum 玫瑰系 Ser. Roseae Maxim.
四川省巴朗山(四姑娘山南面)alt.4600m付近. Jul.31,2010
一株に10本前後の茎が束生、高さ5㎝ほどの茎の頂部に、径3㎝程の大きな花が単生する。葉は羽状深裂し、重鋸歯となり、細毛を密生する。花筒部は生じず、茎頂に幅広く折りたたまれ上縁に緑色の葉状裂片を備えた萼片の上に直接花冠が開く。花は特異で、左右不対象、下唇の向かって右側の側裂片は下方へ移動し、幅広い本来の中央裂片の様相を呈し、本来の中央裂片は左の側裂片の位置に、左側裂片は上方にそれぞれ移動する。上方から右側に移動した嘴状上唇upper lipは、強く折れ曲がって細長く左方に伸び、先端は不均等に2分して鋭く尖る。
注:1枚目と2枚目の写真は、同じ日の数十分違いの撮影。日が陰るとリンドウ科の花だけが花冠を閉じる。
1-1-2下唇は左右対称
1-1-2-1花冠は壺状 【GroupⅡ】
1-1-2-1-1花筒は細長い
〖2〗Pedicularis willsonii 魏氏马先蒿
*根叶群 Grex Rhizophyllum 拟根叶亚群 Subgrex Rhizophylliastrum 魏氏系 Ser. Wilsoniae
四川省ミニャコンカ(氷河末端部)alt.3100m付近. Jul.2,2009
前種同様、一株に10本前後の茎が束生、葉は羽状に深裂し、先端が丸みを帯びた重鋸歯となる。萼片は花筒の基部に生じ、合着した平滑な筒状で、上縁から葉と同じ形の一対の鱗片が派出する。花冠は長さ2~3㎝、横向きに咲き、花弁の左右側裂片は基部で強く内側に折りたたまれ、両側片の後方に中央裂片が重なる。嘴状上唇は花冠の基部から後方に向かって伸びた後、強く折れ曲がって内側に向かう。先半は細く鋭く尖る。
1-1-2-1-2花筒は短い
〖3〗Pedicularis elwesii subsp.elwesii 哀氏马先蒿
*根叶群 Grex Rhizophyllum 拟根叶亚群 Subgrex Rhizophylliastrum 假大花系 Ser. Pseudomacranthae
雲南省白馬雪山alt. 4200m付近. Jun.14,2009
Pedicularis willsoniiに似るが、willsoniは萼筒部から花茎状の花筒が長く伸び、elwesiiは細長い花筒部を欠き、萼筒部のすぐ上に花冠が生じるという、顕著な違いがある。葉の色や小葉の切れ込み程度などにも差異がある
Pedicularis willsoniiとPedicularis elwesiiのスケール
種同定は尹民(2017年/私信)。
検索とグルーピングは青山(2014年)試案。
*は「中国植物志(2019版)」に於ける分類群。