現代日本語「誤」百科 866 木に落雷する を、例題にしている。コラムの解説は、落雷すると言わない、積雪する 降雨する と言わないのだから、落雷する というのも言わないそうだ。果たしてそうか。積雪するは用例検索ですぐにヒットする。また、落雷する と言う言い方もあるので、とくにコラムの論理で考えなければならないとするなら、漢語の構成を見て動詞の意味内容から日本語にあった使い方をしていると考えればよい。雨が降る 雪が積もる 雷が落ちる このそれぞれを動詞の表す現象、状態で見るとわかるだろう。 . . . 本文を読む
語彙論は語を単位として議論する。語とはなにかを定義するには文法論議からと語の議論からととらえられる。語とは語彙的意味、文法的意味があるとされる。語彙論を集合の考え方で論じていくと語の単位は語の範囲をとって規定される。単語に含まれる情報に意味的情報、音声情報、品詞情報、語形変化、文体的情報、語感、文字情報などをあげると、それぞれを単位に切り分けることがある。語はまた、単純語と複合語、合成語に分けるように語彙で扱う語の単位規定には基準が設けられることになる。語をさらに形態論でとらえると、形態素と形態、異形態の分析がある。これはもと、独立形式また自由形態、拘束形式また結合形態というふうに、自立するものとそうでないものとの分け方による語の分析があるので、付属するものとして、日本語の助詞などを語彙の単位にするかどうか、文法単位として文楼の議論委なるので検討がいる。語彙を語種の分類から固有語である和語、借用語である漢語、外来語、混種語である和語と漢語、和語と洋語の語構成など、そのように語を分けることができる。 . . . 本文を読む
逆さ読みは、読んで字のごとし、ある語をさかさまに読む。逆さ読みは、一般に、音素を逆順に読んだもの、録音して逆に再生すると元の言葉に近く聞こえるのとは異なり、その言語の文字体系、音韻構造や音節の影響を受ける、と説明がある。日本語は仮名文字で表して逆さ読みにすることが行われる。 >たとえば、「キセル」/kiseru/の音素を逆順に読むと、/uresik/となるはずだが、実際には「セルキ」/seruki/が「キセル」の逆順として認識される。これは、日本語の音節(仮名文字)を単位に逆順に読んだためである。音素文字を用いる言語でも、音素と文字が正確に対応しない等が原因で、逆さ書きは音素の逆順読みと同じにはならないことが多い。 言葉を逆の順序で読む言語現象を、倒語とも言う。 >日本語においては、江戸時代に流行したことが有名である。(例:「キセル」→「セルキ」)このうち、たとえば「しだらない」→「だらしない」などのいくつかの言葉は、逆さ読みをした形の語が、正式な語として定着した。「たね」と「ネタ」のように意味が分化し二重語化した例もある。
英語においてはリバース・スペリング(逆さ書き、reverse-spelling)と呼ばれる。"Evian"と"Naive"、"Redrum"と"Murder"などの例がある。 . . . 本文を読む
アベノミクスはレーガノミクスと趣向を同じくするエコノミクスの安倍政権の経済財政策を表わそうとした、いわばスローガンである。そこには3本の矢が唱えられる。毛利元就が3人の子、毛利隆元、吉川元春、小早川隆景に対し1本の矢では簡単に折れるが3本に束ねると容易には折れない、ともに結束すべしという教えに由来して、3つの経済政策、大胆な金融政策、機動的な財政政策、民間投資を喚起する成長戦略を、ポリシー・ミックスとして連携して実施することを指す。そのアベノミクスを批判するに、経済政策について言葉遊びをしていることで その批判がニュースになっている。西日本新聞の春秋のコラムに、竦みのベア と逆さに読んで見せた。スクミノベアとしたわけだ。立ちすくむ、竦むであり、ベアはベースアップであると言う。このコラムの書きように、これはひどい物言いだと集中している。以前にも、美しい国というのを、ひっくり返して、憎いし、苦痛 としたコラムの記事だそうだ。 . . . 本文を読む
オクシモロンと言う表現を見て、そうだ、撞着という語がある。 大辞泉 つきあたること。ぶつかること。「忌諱すべき事に―することも」〈鴎外・渋江抽斎〉 つじつまが合わないこと。矛盾。「話の前後が―する」「自家―」 大辞林 ①突き当たること。ぶつかること。 「一の私見と他の私見と-したる時に/文学史骨 透谷」②つじつまの合わぬこと。矛盾。 「自己-」 「 -して居るぢやありませんか/金色夜叉 紅葉」 そして自家撞着と言う。 じか-どうちゃく【自家撞着】|〈―スル〉
自家撞着 意味
同じ人の言動や文章などが前後で矛盾していること。自分で自分の言行に反することをすること。▽「自家」は自分、自分自身のこと。「撞着」は突き当たること。矛盾すること。「撞着」は「とうちゃく」「どうじゃく」とも読む。「着」は「著」とも書く。
自家撞着 出典
『禅林類聚ぜんりんるいじゅう』看経門かんきんもん
自家撞着 句例
◎自家撞着に陥る
自家撞着 用例
なあんだ、若旦那。自家撞着していますぜ。さっきご自分で批評がきらいだなんておっしゃってた癖に、ご自分では、私の事を浅慮だの、無謀だの、こんどは身勝手だの、さかんに批評してやがるじゃないか。
自家撞着 類義語
自己矛盾じこむじゅん 矛盾撞着むじゅんどうちゃく
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