寺社で参拝前に手を清める水を入れた石鉢を手水鉢(ちょうずばち)といいます。日本では昔、川などで手などの身を清めてから参拝する習慣があったようで、それが手水鉢の習慣になっていったのでしょう。「ちょうず」は、「てみず」が変化した読み方だそうで、また、手水鉢をおおう建物を手水舎と書きますが、「ちょうずや」とか「てみずや」と読むそうです。
まわってみると、手水鉢には、奉献、奉納、奉上、盥水、手洗、洗心などと刻まれていました。総じて、近年のもののほうがバラエティーに富んだ形をしているようです。
吉田神社(堀町)
堀町吉田神社にある手水鉢です。なかなかいい形をしていますが、享保元年(1716)と見えます。
鹿島神社(上国井町2308)
水の入る部分が、ハート型になっています。これなど今なら喜ばれそうです。
六地蔵寺(六反田町767)
龍頭から水が出る形の、結構大きな手水鉢です。
神崎寺(かみさきじ 天王町8-17)
鬼が手水鉢をささえています。神崎寺は人気のある寺なので、色々な奉納物があったのでしょう。
宝蔵寺(谷田町633)
明和7年(1770)の年号の入った手水鉢ですが、かつてあった羅漢寺という大寺のものが宝蔵寺に移されたそうです。この寺には羅漢寺の遺物が僅かながら残されているようです。