シダレヤナギは、ヤナギを代表する品種のようですが、奈良時代に中国からはいってきた品種だそうです。万葉集には30首くらい詠われているようです。「ももしきの大宮人の蘰(かづら)ける垂柳(しだりやなぎ)は見れど飽かぬかも(奈良の都人が頭に飾ったシダレヤナギは見ていて飽きないものだといった感じでしょう)」という歌もあるそうです。また、ウメ(万葉集に119首読まれてハギに次いで2番目に多い)と一緒に読まれていることが多いようですので、その頃好まれた植物だったのでしょう。徳川光圀が、中国西湖にならって千波湖につくった歩道にヤナギを植えて柳堤とよんだことが、水戸でヤナギが多い理由の一つのような気がします。
備前堀(白梅4)
整備された備前堀には、シダレヤナギが街路樹として植えられているようです。クスノキも混ざって植えられているようです。写真は、竃神社付近のシダレヤナギです。(写真R4/10/14)
青柳水戸八景碑(青柳町36°23'19.0"N 140°28'31.2"Eあたり)
青柳・鹿島香取神社の付近(かつては境内だったのでしょう)にある、水戸八景碑の脇には、大きく育ったシダレヤナギが目印のように育っているようです。(写真R6/4/6)
偕楽園月池(千波町36°22'11.1"N 140°27'00.6"Eあたり)
月池のほとりに大木のシダレヤナギがあって、枝が池にとどいています。偕楽園公園の見所の一つのような気がしています。シダレヤナギは、枝が地面に届くので、ジスリヤナギという別名もあるようです。(写真10/20)
千波湖北岸遊歩道(千波町)
かつて千波湖と桜川は一体だったようですが、昭和7年までおこなわれた千波湖干拓の際に分離されたそうです。そのときに両者を分ける柳堤のような遊歩道がつくられたようです。そこには、柳堤を意識したのでしょう、ヤナギが植えられたようです。でも、現在は、桜の方が圧倒的な数になっているようです。写真は、遊歩道に何本かある、古いシダレヤナギの一本です。(写真11/6)
茨城県立歴史館下庭(緑町2)
下庭にある蓮池の周囲にはシダレヤナギが植えられたようで、今も、風にそよぐ姿が楽しめるようです。(写真11/22)