冴子・・・
お前ってやつは・・・
なんで電話をくれないか
どうしてそう
俺を苦しめる・・・
あああ・・・
胸がつまるんだよ・・・
ううう・・・
水がのどを通らない
今日も俺は待っている
事務所で湿っている
窓枠にほほをつけて
頬をつたうのは涙か
それともただの水滴か
部屋の空気はよどんでいる
おそらく外は寒いのだろう
窓枠の冷たさがそれを物語るのだ
もう、
冬だね・・・
その瞬間だ
脳に衝撃が走る
もっもしや・・・
忘れかけていた探偵の感覚
あの日、冴子は倒れていた
何故だ・・・
どうして彼女は倒れていたんだ?
ちょっと、待て
よく考えろ
あれこそまさに事件だったんじゃないのか!?
え、おい
どうなってるんだ
俺は頭を抱えた
何故もっと早く気付かなかったんだ俺は!
もし、重症だったら
いやこうしてる間に
彼女の命が危険にさらされているんだ急ごう
急いで彼女のもとへいかねばっ!
あああああ
おれぁなんてばかだぁ
1週間何してたんだぁ
大切な人を倒れたままにしてぇっ
ぅああっ
階段を駆け降り
久々の外気を吸った
えらく寒いぜっ
畜生っ
バイクにまたがり
エンジン全開
ウィーーン
ヴォンッ!!
どうか、
どうか無事でっ!
冴子ぉぉぉぉっ
つづく
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