いつだったかブックオフに行った時、「満願」米沢穂積を買ってきた。
しばらく読まずに積んでおいた。
ちょっと中を見たら、短編小説だった。
私は短編はあまり読んだことはない。
苦手なので、後回しにして本棚に積んでおいた。
少し前、ふと読んでみようかなと思った。
夜警
死人宿
柘榴(ざくろ)
万灯
関守
満願
だった。
最初から読み始めて、どれも面白かった。
すごい小説だなと思った。
米沢穂積さんの小説は初めて読んだが、読んでいて引き込まれていった。
最後が本の題名になっていた「満願」だ。
どんな内容なのだと興味があった。
これは主人公の藤井が弁護士になる前に、下宿していた宿のおかみさんが借金のために殺人をし、下宿時代に世話になったので、弁護した話だ。
内容はわかるが、小説の中の時代は昭和46年ころから始まっている。
おかみさんは出かけるときだろうが着物を来て、下宿の主人の仕事は畳屋だが、畳を運ぶのにリヤカーだという。
昭和46年から50年にかけて私も知っているが、普段着物は来ていないし、2階に下宿人を置く、なんて時代背景が古すぎるような気がする。
まして、リヤカーではなく車のはずだ。
なんか昭和の初めか、大正時代が背景のような感じがした。
それをのぞけば、内容はすごいなと思った。
↑の写真だが、本の最後にしおりが挟まっていた。
この本を読んだ人が挟んでおいたのだろう。
どんな人が読んだのだろうなとちょっと興味が出た。