Feelin' Groovy 11

I have MY books.

絶景ってのは・・・

2008-05-21 | 
詰まるところ「パノラマのごとき絶景」というのは、
遠くから見ている限り見事という景色のことなのだ。

本ではこのように表現されている。

  パノラマのごとき絶景-----というのが
  電話で物件説明をしたときの不動産屋の台詞だった。
  家の正面にはぼさぼさに茂った芝生の庭があるが、
  こうなったのは私が手を抜いているからだ。
  それから砂利敷きの長い車まわしの道があって、
  これが表道路に通じている。
  道路の向こうには山々の屋根が見える。
  詰まるところ「パノラマのごとき絶景」というのは、
  遠くから見ている限り見事という景色のことなのだ。
  (『象』より「ブラックバード・パイ」
   レイモンド・カーヴァー著 村上春樹訳 中央公論新社)


山を登っているとき思ったものだ。
外見が好きな槍ヶ岳。
でも実際その場に行くとただのゴツゴツした岩や石でしかない。
当たり前のことであるけれど
今登っている山を見ることはできないんだと。


空間だけでなく時間も同様ですね

  「遠くから見れば、」と僕は海老を呑み込みながら言った。
  「大抵のものは綺麗に見える。」
     (『1973年のピンボール』村上春樹著 講談社)

上記はコチラでとりあげました。