Sydney Yajima


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日本航空

2009-10-05 21:42:31 | 世界情勢
日本航空が青息吐息だ。

日本航空といえば、国鉄に並んで東京大学などの一流大学を優先的に入れて エリート集団を作った会社。
世界にホテルを作り、日航ブランドとして、一流のきめ細かいサービスは世界中のビジネスマンに好評だった。

だが、なぜ、こうなってしまったのだろう?

よく、時代の趨勢についていけなかったとか、あるいは、オイル価格の高騰と軒並みの競争が などという月並みなことをここでは書かない。

私は、もっともっと本質的なことがあると思う。そして、それはどの日本企業にとっても、共通して言えることだ。

結論から言おう。
日本人は戦後から立ち直ったときに、働いていた人間・・・今の70歳以上になる日本人がほとんどの企業を築き上げ、すでに第三から第四世代に移っている。日本航空で言えば、その企業媒体は残っているが 中身の人間は変わっている。そしてほとんどは、高度成長期のときに生まれた世代で、飢えもアメリカの恐ろしさも知らず、ただ、コカコーラとマクドナルドと音楽をアメリカだと思っている世代だ。
つまり、アメリカに爆弾を落とされた世代と、アメリカに海外旅行に行った世代は根本的に、アグレッシブさや、怖さを知ったうえでの戦い方など、全くスタンスが違う。守りに入るときは、貝の殻を徹底的に閉じてじっと動かずにいるという知恵も防空壕で命を救われた人間と、ディズニーランドで安全なジェットコースターでスリルを味わってきた人間では 全く違う。

つまり、今の日本の大企業はお坊ちゃんとお嬢ちゃんの集まりで、理屈はうまいが、いざとなったらからきし 駄目だ。会社の中でどんなに威張っていても、一歩外に出たら、その論理を続けようとする。小さな会社内での駆け引きはうまいが、対外資などとの命がけの会議ではほとんど相手の言うことを聞いて帰ってくる。

内弁慶

それが今回の日航の問題の根本にある。
もし5年前から、本気で現状を把握して取り組んでいれば、こんなことにはならなかった。リストラや、給料カットだけで乗り切ろうというところが、姑息で、しかも まったく解決にならない。自分の身内をいじめる前に、まずしなければならないのは、対外交渉だ。なぜ空路をもっと安く買い叩かないのか?なぜ、もっと燃料を安く買わないのか?なぜもっと、外資の投資をうまくコントロールしないのか?どうしていつも相手にイニシアチブをとられるようなことを漫然とするのか?

内輪もめは、やめて、まず解決のためにきちんと一日も早く具体的な行動を起こすべきだ。5%程度を目標にまず、徹底的に改善コストを打ち出すべきで、そのためにのんびりと時間を割くことはやめるべきだ。古くマネージメントにかかわった人たちにも知恵を借りて、もう一度やり直すべきだ。

世界の情勢はもっと悪くなる。トヨタはすでに、現在の好調なプリウスの販売の先を見て、世界第一位に奢ることなく、「身の丈にあった経営」と言っている。こういう会社に見習うべきことはたくさんある。