
私のお点前ノート
稽古の後に、こんな感想が届きました。。
・・・・・・「行の行」は、帰宅してから思い返そうとしましたが、断片的にしか思い出せず、
とても流れ良く(!?)いきません(#^^#)。
お茶を点てるところまで辿り着きそうになく・・・。
もちろん一度では無理ですね。
自分の記憶力の無さにガックリきます・・・。
そうですね。長い道のりです。
頑張ってくださいね。
利休百首より・・「習いおばちりあくたぞと思えかし 書物は反古腰張りにせよ」
これは、お点前は書いたものにたよってはいけませんよ・・
何度もお稽古をして、理屈も理解して、体で覚え、頭に入れなさいということのようです。
以前にも、別の場所に書いたことがありますが、
稽古に通っていたころには、お稽古が終わると、
その日のうちにお点前の流れを思い出してはノートをしました。
初歩のお点前は今はテキストもたくさん出ていますから、忘れても心配ありませんが、
先へと進むにつれて難しくなるのに、そのようなお点前はテキストなど絶対に出ていません。
自分で書いたものしか頼るすべがありませんね。
そう、お点前ノートは自前の免許皆伝の虎の巻みたいなものですから。
このノートがあればこそ、時々確認をしながら、
私は皆さんに正しくお点前を伝授できるのです。
初めのノートはあまりに書き込みが多くて、もう何が何だか分からなくなり、
一度全部、PCで打ち直しましたが。
今は毎日繰り返して、いろいろなお点前を教えていますから、大丈夫なのですか、
そのうち高齢からくる何とかで、あやしくなって・・という時もやってくるでしょうから、
何度も何度も書き直して完成したノートは、そんなときのためにも大切なものです。
ですから、もし火事になったら何をおいてもそのノートを抱えて逃げなければ。
そんなことを話していたら、
ある方の知り合いの先生は、ノートを二冊作って一冊は金庫に入れてあると言うのです。
え・・あれを全部また書く・・。
お茶をなさっていて、奥秘まで、極められた方はおわかりでしょうが、結構大変な作業ですよ。
聞くところによるとその方の師匠が、なんと実際に火事にあって、
お点前のノートをすべて燃やしてしまったのだそうです。
そのあとの先生の、落胆ぶりと、困った様子に、
そんなこともあるかもと、金庫に保管を思い立ったのだそうです。
それを聞いて、私も絶対に安全な場所に一冊置いておくようにしなくてはと、
その時真剣に考えたのですが、
いまだに二冊目は出来上がっていません。
こうなったら、命の次に大切なものとして、
この一冊をしっかりと守り抜きたいと思います。
いつもありがとうございます。
