一時間半かかった「行の行台子」の稽古を終えて、
外を見ると、ベランダ越しに虹が見えました。
八十四歳で初めて体験する、風炉の「行の行台子」です。
道具をもって、膝退、足退など無理なのです。
片手はつかなくては立てません。
でも彼女は、できる姿で頑張ります。
時々「なさけないわね」とため息をつきますが。
それでももう諦めますとはけしておっしゃらないのです。
そんな姿に私も、どんなに時間がかかっても、何度でも
一緒に動きながら頑張ってしまいます。
新しいことが嬉しく、適当にやることは自分が許せない。
何処にそんなやる気スイッチがあるのでしょうか。
ずっと年下の私が、
「あと何年お茶をおしえられるかしらね」
と言ったりすると、
「何言っているのですか。米寿の祝いにお茶会で、
立礼でお点前をさせてくれるといったのは誰ですか。
私でもそこまで頑張るといっているのですよ」
と反対に発破をかけられてしまいます。
そうですね。まだまだ私がそんなことを言えませんね。
その前に、来年はお茶名を頂いて差し上げなくてはとも。
仕事を退職されてからのお茶修行です。
七十五歳を越えてから、許状を取りはじめられました。
一緒にいらしていたお友達が亡くなられてからです。
「覚える速度より、忘れる速度のほうが速いわね」なんてつぶやいても、
月に三回、ほとんど休まずいらっしゃいます。
大変なお点前を終えてちょっと一息。
「お薄の前に水菓子でもいただきましょう。」
四年前に亡くなった母の良い話し相手でした。
二人でいただくメロンに、そんなことも思い出しました。
やるきスイッチ、自分で入れたり、私に入れてもらったりして、
「目標まで二人三脚で頑張りましょう」
そう心に誓っているわたしです。
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