機動画報日誌 Mk-Ⅱ

英 浩史の日々徒然を記すブログ

星の鼓動は愛 ○

2006年03月05日 | 映画
どうもです。

 映画観た後にも予定があってエントリーが遅れましたが、先週
手に入れた整理券で、富野総監督ほかのお話を聞いてきました。
 まあ、まずは本編に関してですけど。ストーリーに関しては
大筋で変わってません。“誰も知らないラスト”という宣伝コピー
に嘘はないですけれど、死ぬ人は死んで、生き残る人は生き残る
という意味でも、死者が生者に語りかけるという意味でも。
良くも悪くも、「Ζガンダム」は「Ζガンダム」です。20年前
ダメだった人が今回のを観れば許せる、というものにはなって
なくて、それはそれで仕方がないことでしょう。「だからΖは
駄作だ」と断ずるのは誰にでもできることで、あまり意味のない
ことかと。むろんこれを名作だと言うつもりもないですが。
 省略されることが事前に知られていた、キリマンジャロ攻略~
ダカールの地上戦エピソードですが、別に無くても問題ないなァ
と思いましたよ。「ガンダム世界」的には、連邦議会の支持が
ティターンズからエウーゴにシフトする重要な転換点ですが、
作劇手法としてはエウーゴVSティターンズという対立構造を
エウーゴ=善、ティターンズ=悪という形で明確化しただけで、
TVアニメ的には必要(*1)でも、映画的には無くても別に困りは
しない、ということで。
 まあ(私を含む)メカファンにとってみれば、数少ない
ディジェの活躍場面がなくなった点は残念ですが、別に今回の
映画のみが「正史」として扱われ、TV版は抹消されるという
訳ではないんですから、そこはそれ、ギャンやザクレロが
普通に一年戦争当時存在したよう(*2)に、画面の外にあったと
考えればいいのではないかと。

 新作カットの比率は格段に上がっている印象を受けます。
第一作『機動戦士ガンダム』の第一部と第三部「めぐりあい
宇宙」ぐらいの差があるんではないでしょうか。新作画の
MS戦を観るだけでも充分楽しめるかと思います。
個人的にはDVD購入は既定事項として(笑)、「映画の日」狙い
であと数回は観てこようかなと考えてますよ。

 舞台挨拶の方は、前回・前々回の4人(富野・飛田・池田・古谷
の各氏)に加えて、シロッコ役の島田 敏氏、映画版でファ役を
担当した新井里美さんが登壇しました。新井さんはこういう場に
慣れてないのか、緊張してたようで、古谷氏のツッコミとかに
本気でオロオロしてました。
 古谷氏は古谷氏で、舞台挨拶のためのイベント要員扱いをされ、
揚句「じゃなきゃ、あんな取ってつけたような登場シーンなんか
作らないよ!
」と監督にトドメ刺されてるし(笑)。監督おもしろ
過ぎです。雨の中早朝から並んだ(といっても先日書いたように
劇場内でシートに座って待てたので、苦労とか苦痛とかは全く
なかったんですが)甲斐がありました。
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  *1:『星を継ぐ者』の舞台挨拶で監督が言ってましたが、TVアニメを1年間、
    話数にして50本前後で構成しようとするなら、間を持たせるために
    全体構想にはないエピソードを挿入する必要があって、カミーユとフォウ
    の悲恋やアムロ&ベルトーチカのエピソードもそういう面があったそうで。
    ダカールの演説も、監督個人としては「エウーゴをゲッターチームだと
    すれば、ティターンズってのは恐竜帝国なんだよ」というアピール程度で
    しかなかったのかも知れません。
  *2:「MS-X」企画書にある解説に拠れば、ギャンは試作すらされなかった
    機体とされているようで、後々『Ζガンダム』が発表された時に言われた
    「映画版のみを正史とする」という考え方が、この時すでにあったのでは
    ないかと推察される。