My Favorite 《ゴールデンイーグル&Sleeping lion》

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買占め***清水一行氏***

2009年03月20日 | 
地下鉄敷設計画で利益がでると確信した大林・山県・沢井の3人は、株の買占めの話を主人公である証券会社の部長美川に話す。
美川は当初 買占めに対する社会的な道義の面から躊躇していた。
しかし33億円の儲け話のチャンスを了解した。

最初から従業員には退職金を払い会社を潰す計画。
そこで働いている従業員がどうなろうと構わない、いつの時代にも強い者は勝ち、弱い者は負けると主人公は考える。

買占めが着々と進んでいく中で、美川の資金源である上野相互銀行の内野・庭田社長、買占めの話を持ちかけてきた大林・山県・沢井、主人公が働いている山脇証券の国松社長と、それぞれが自分の利益を考えた動きをして欲深い。

そして周囲には買占めの件は秘密にしておかないといけないのに主人公は部下の課長に話したり、発行株数の一割を超えた段階で自分のしていることが居たたまれなくなって、タクシーの運転手に買占めをしていることを話したりと、秘密を抱えていられない弱い人間的な一面をみせている。
面白かったのが主人公は早く株の買占めをしたいのに、途中で売ったことだ。

この本の中で一番いい人に見えたのが、高利貸の増田という男。
美川に実情を教えて、一言アドバイスをしている。

人間 野心がないと上のものを狙えない。
主人公の美川は相場を利用して利益を得た。
買占める会社の従業員の生活は考えずに、自らの利益を求め社会的な道義も捨てた。

強い者は勝ち、弱い者は負けると主人公は考えた。
私は仕事をしていく中で社会的な道義を考えるのか、主人公のように考えるのか。
どちらに化けるのかしら。
一歩間違えると銭ゲバに変わってしまう可能性はある。

コメント
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