つらい日があって生きている気がする
私が敬愛する元生活の発見会の顧問で専門医でもあられた、
河野 基樹先生の句である。
先生が、天国に召されて22年になる。
先生との思い出は、私の青春と重なる。
20代のころにはわからなかった、河野先生の川柳が、心に沁みる。
50代でのがん闘病、その日常の機微を川柳に詠まれながら、
最後まで医師としての仕事を貫かれた。
最近河野先生の事を考えることが多くなった。
私自身が、先生が亡くなられた年齢に近づいたこともある。
何もご恩返しをすることもなく逝かれた先生への後悔の念もある。
あの頃の先生との何気ない会話を時折思い出す。
先生、すべては、最後は祈りかもしれませんね。
20代の若造の思い付きの言葉にある日先生が、
良い句が出来たよありがとうと言われた。
陽は西に生老病死みな祈り
残されていた講話集の中で、一番気に入っている句だと書かれていた。
もしタイムマシーンがあるとすれば20代の自分に戻って、
あの頃と同じように河野先生の川柳の話を聴きながら集談会の仲間と、飲みたい。
そして、そしてもう一度先生に、心からありがとうございましたと言いたい。
2018.12.10 一世