ぼやけているけれど我が家の庭のアジサイたち。
リハビリ病院に入院していた時、地下にあるリハ
ビリ室2部屋は外来の人たち専用になるので、
入院患者は部屋でマッサージしたり、休憩室で理学療法士
によってリハビリを受ける。
例えばスクワットをした後彼らは決まって「えらくない
ですか?」と声をかける。
休憩室で数人が症状に応じて治療を受けるのだがあちら
こちらから「えらいですか?」「えらくないですか?」
の声が聞こえてくる。
東海各地からきている療法士なのにほぼすべての人が
こういう。
わたくしは神戸で生まれ、言葉を覚える幼少期を
そこで過ごしたので疲れたときや体がだるいときは
ああ、しんど!」である。
ある時、聞いてみたら「えらい」と「しんどい」
はちょっと違う感じがするそうだ。
昔義母のところに来たお客さんに「て~で~」(ちょっと違うかも)
と言われて戸惑った経験がある。
前後の文脈から「わざわざ」という意味だと分かって
「態態」の音読みかと妙に納得したことがある。
方言は面白い。
わたくしは言語学には疎いので詳しい分析はできないが、
現代はTVの影響で日本全国どこに行っても理解に苦しむ
方言はないけれど電車やバスの中で地元の人同士が話して
いる言葉は、好ましく思って聞いている。
弟の友人にお礼を言うのに必ず「ありがと、えか。」
という人がいるそうだ。「えか」と言われると念を押されて
いるようなのでやめてくれというと納得するのだが次もきっと
「ありがと、えか」なのらしい。
岐阜県の中津川だったと思うけれど、若い女性に
「それ取ってけ」と「け」を強く言われたのに驚いた
経験がある。
彼女に悪気はないようで「ください」という意味のようだ。
「け」は「KURE]の「UR」が中落ちしたものであろう。
ブログを読ませていただいている方が時々「ずく」という
言葉を使われる。
調べてみると「根気、根性、辛抱強さなどの物事に立ち
向かう気力」らしい。
「ずくはずくだ」と標準語に置き換えられない絶妙な
ニュアンスを持つ言葉とあった。
言葉って本当におもしろい。
宮沢賢治の「永訣の朝」の「あめゆじゅとてちてけんじゃ」
を地元のアクセントで聞いてみたい。